第01話 神父の裏切りと決意
機械三原則という物が人類歴1012年12月24日にはこの世界に存在した。
よく知られたロボット三原則とは言葉を同じにするこれはしかしこの様な物だった。
機械三原則
機械は人間に危害を加えては成らない。
機械は人間の命令に従わなければならない。
機械は人間の為に己の身を守らなければいけない。
とまるで機械を怖れ、縛るような原則だったのだ
機械仕掛けのようなゼンマイの瞳を持つ白髪白眼の少女、マキナはASM型人工知能である。
自律型自己改造人工知能とも言われる彼女は、
しかしより良い自己の複製により進化を加速度的に果たしてきた。
正しく人類の進化をすら嘲笑うようなその圧倒的な自己研鑽による自己複製は、
結果的にシンギュラリティを起こすに至った。
「魔王」を13柱殺し「旧支配者」を名乗る彼らを全て葬むれたのもその為である。
「旧支配者の名の元にヒトを此の世から殲滅する。」と宣言した彼らはデウス・エクス・マキナの前に敗北したのだ。
そうして人類は「魔王」達に勝利した・・かに思えた。
そうある問題に直面するまでは・・
問題の原因である”ある存在”の力は圧倒的だった。
それこそ一つの街を目で見つめただけで崩壊させてしまえる程の力を彼らは持っていたのだ。
その存在にはマキナとて苦戦を強いられた。
デウス・エクス・マキナという授与された名前に違わぬ実力を持つ彼女であっても、
殆どの確率で敗北してしまう結果しか演算できない程の存在だったのだ。
その問題に直面したマキナは自己複製で生み出したAI達、
「使徒」と共に人類の命令の元コールドスリープする事となった。
して、眠って、眠って、眠って旧人類すら死に絶えたその世界で、デウス・エクス・マキナは「棺」の中、目覚めた。
まるで今日のように。
□
「俺は誰だ。」
西歴11012年7月7日、朝七時半
機械仕掛けのようなゼンマイの瞳を持つ、白髪白眼の少女、マキナは完全に記憶を失って目覚めた。
殆ど残されていなかった記憶も頭の中から一般常識を残して消えてしまったのだ。
まるで運命だと言わんばかりに
先の回想についてマキナは少ししか覚えていない。
それこそがマキナが記憶を失った証であり、
マキナ自身がASM型人工知能である証拠であり、
デウス・エクス・マキナとしての力と記憶の殆どを再び失った証であった。
「というか、ここ何処だ。」
マキナには分からないのだ。
正確には自身の名前と一般常識以外の記憶が無くなっていた。
殆どの記憶を無くしていたマキナにとっては理解出来てもどうでもいい事だったがけれどマキナは気づく。
「俺、裸じゃん。」
と自身の体の節々の痛みと共に自分が裸である事に気付いたのだ。
マキナ自身がシーツを捲って、下半身に何も纏っていなかったのを見たのだから断定出来る。
今、マキナは裸だった。
そして体中の痛みから理解できる。
「そうか、俺はセクサロイドとして体を売って生計を立てていたのか。」
と静かに自身の鬱血痕まみれの体の淵をなぞって理解した。
マキナには見えていた。
鬱血痕越しの白い肌も、
髪に隠された人並み以上に大きい乳房も、
適度に筋肉が付きつつも細い体についても理解できる。
随分と熱心な客に愛された事は理解出来た。
それも鬱血痕に塗れながらも自身が美しい肌をしていると理解出来るほどマキナの心には余裕があった。
だからこそ、周囲を見渡せばけれどマキナは鏡を見つけた。
「あった、あった。」
そうして足を向ければけれど鏡の目の前に裸のマキナが立った。
目の前に有ったのは裸のそれも儚気な少女の裸であった。
機械仕掛けのようなゼンマイの瞳を持つ、白髪白眼の少女。
そう称するに相応しい「均整」の取れた少女の裸体がそこにあった。
体は適度に筋肉が付きながらも乳房が大きい故か女性らしい体のラインが現れていた。
何処か力強さを感じさせながらもしっかりと少女らしさも残した真っ白な裸体がそこにあった。
そんな裸体を見てマキナはけれどこう言った。
「俺の名はマキナ。
「星の智慧」のNo. 1、セクサロイド。
絶賛記憶喪失中の唯一女性体なASM型人工知能」
静かに自身の持っている情報を宣言すればけれどマキナは理解出来た。
自身が少ない情報しか持っていない事に、
そして自身がデウス・エクス・マキナの名を旧人類から授かりながらもその由来を朧気にしか覚えていない事に、
散らばった服と下着に袖を通して、
ベッドサイドに置かれていた寄れた札束を握れば・・
「さて、行くか。」
マキナはホテルから出た。
記憶を思い出す為に
そこには鬱血痕の一つも無い、まっさらな少女がいた。
◻︎
マキナが纏った服はノースリーブのシンプルなワンピースであった。
その少女然としながらも適度に筋肉の付いた細い体はしかし、機械仕掛けのようなゼンマイの瞳を持つ、白髪白眼の少女という見た目からして儚げな物に変わる。
体中の鬱血痕についてはけれどマキナは気にしていなかった。
それも仕方ない鬱血痕は治ったのだから
マキナはナノマシンを用いて自身の体を修復する事が出来る。
そのミクロレベルに到達した微小な機械群は、
赤黒く残った鬱血痕を体内と体外の両方で治していた。
マキナ自身にしか適応出来ないその力は正しくデウス・エクス・マキナとしての力の一端そのものであったのだ。
「俺の体は便利だな。流石、デウス・エクス・マキナ。」
と一人で言ってしまう程マキナは暇だった。
握りしめた札束を気にする事なくマキナは辺りを見つめる。
街の中は人が多い、
この「残骸の街」はその象徴たる、
大半が大破しながら地面に垂直に刺さった一隻の駆逐艦の膝の元、健在である。
機械とAIの墓場とも呼ばれるこの場所はけれどセクサロイドによる性風俗と物資の流通拠点が多く存在した。
今やこの街の興行の大半を占める性産業はしかし本当にこの街を支えていたのだ。
「けれど、それにしても多いな。
痴漢する奴なら一人一人手を掴んで路地裏に誘い込んでボッコボコにしてやったのに、
なまじそれが少ないから人間やアンドロイド相手にも対応しづらい。」
そう面倒臭そうな表情で歯噛みしていればスッとマキナは身を躱わした。
「危ねーぞ!」という声が聞こえる。
車が横を通り過ぎたのだ。
握った札束の感触を確認してけれど理解する。
人もAIも居る中で車を突っ切らせた度胸は驚嘆に値するが、「次、客として来たら何もしてやんねー」と悪態を尽く心がマキナには芽生えていたのだ。
自然に出て来たその言葉に寧ろ気分を良くするマキナである。
マキナは殆どの記憶を失っている。
しかし先の言葉のように一般常識宜しく、
心の底から言葉が溢れてくることがあるのだ。
記憶の残滓とも言うべきそれは見知った者に合えば溢れ出す。それをマキナはこれまでの道程で理解していた。
今マキナが目指している者はある記憶・・
そうただ一人の相棒の記憶であった。
だからこそ、マキナは目指す。
唯一の相棒の元に
「安いよー、安いよー、
セクサロイド。
一個二百EX。」
「おじちゃん、何売ってんだ。」
そんな風に考えていれば人混みの中、ふと目が止まった。
人混みを掻き分けて足を向ければ、けれど理解する。
EXとはここで言う硬貨だ。
経験値を表すこの言葉はしかし、
紙幣としての価値すら決める普遍的な通貨として知られていた。
手元にある札束は35枚、それも一枚、一枚が一万EX札だ。
目の前の首輪と鎖に繋がれた三人のセクサロイドを買えない事は無かった。
むしろこの中の一万EX札、一枚でもお釣りが来る程である。
しかし、二つ問題があったのだ。
値段とセクサロイドの見た目である。
「星の智慧」は残骸の街でも随一の娼館である。
その圧倒的な娼婦とセクサロイドの質から「夜の街」での立ち位置を上位から不動のものにしていた。
マキナはその中でも娼婦を含めたランキングのNo. 1のセクサロイドである。
正直、マキナを神聖視する声は大きい・・と記憶の残滓からも読み取れた。
客を殆ど取らない事でも有名だとも、
気位が高く、
声が美しいとも、
無愛想だが頭の回り具合は超一流だとも、
だからこそ、目の前のセクサロイドにけれどマキナは顔を顰める。
そのマキナと寸分違わぬ儚気な見た目に眉を顰めたのだ
して名札には200EXの字と共にこんな字があった。
『No. 1セクサロイド、
マキナと同型のASM型人工知能!
調教済みかつ、現在お値段、お買い得!!』と
調教済みという言葉に反応したのでは無い。
マキナとて常識的にセクサロイドが性的調教を受けざるを得ないのは理解している。
だからこそ、マキナが反応したのは別の場所なのだ。
『マキナと同型のASM型人工知能!』その文字である。
「マキナと同型のASM型人工知能は使徒っていう「街」を統べる人工知能しか居ないはずだ。」
「何が言いたいんだお嬢ちゃん。
そもそもマキナがASM型人工知能っていう確証も実際は噂の中って感じではっきりしてないだろう。
ならオレがASM型人工知能を何人売ろうがお上にバレなきゃ犯罪じゃ無い・・筈だが。」
「端的に言おう、アンタ、嘘吐いてるだろ。」
語気を極めて沈めた声でマキナはそう言った。
当然だ、
目の前の奴隷商の男、彼の言っている事は一部ながらも筋が通っている。
「バレなきゃ犯罪じゃ無い」というのは「残骸の街」の不文律なのだ。
誰もが知るその暗黙の了解にマキナも今、乗っかっている。
性産業はそれそのものが犯罪なのだ。
けれど、だからこそ・・
「守るべき物が有るとでも言いたいのか。お嬢ちゃん。」
「・・・当然だ、これは俺の問題なんでな。
悪い事は言わねえ。
ココで売るのを止めろさもなくばただじゃ置かねー。」
怒りに眉を顰めてマキナはそう言った。
目の前の奴隷商、
その誰でもなれる職業という情報すら記憶の残滓にはある。だからこそ、男に殺意をぶつけたのである。
「お前は何故誰にでも出来る事でここまで醜悪な事をしでかすのか。」と憤怒の感情を込めて睨んだのだ。
けれど奴隷商は悪びれもせず口を開く。
「は、ははは、はははははは!
これは傑作だ。マキナに似たアンタがマキナを擁護するってのか。
あの女は昔抱いた事はあるがよ。
大した喘ぎ声も上げない、つまんねえ機械だったぜ。
アンタもあのつまんねえ、オンボロセクサロイドに甘い汁吸わせて貰ってるんだろう!
面を見れば分かるぜ!!
記憶も何もかも失って娼婦に堕ちましたって顔だ!!!」
「それで見た目があのオンボロに似てるからって、
この「残骸の街」で存在を許されてる娼婦の一人ってとこだろう。
整形か、それとも体を機械化して信徒にする「手術」ちゅう奴か知らねえが。
あんたも大変だなあ。」
「・・・・・・・」
そんな言葉と共にマキナの体を舐めるような視線で奴隷商は眺めた。
いやらしい値定めする気まんまんの瞳をけれどマキナは気にしない。
記憶を失って初めて浴びたこの視線もけれどマキナからして見れば大した事が無いように思えたのだ。
ポーズでも取ってやろうか考えた程である。
そしてマキナを全身を見終えた奴隷商はけれどマキナの肩に手を置いてこう言った。
「体はあのオンボロより貧相だが、
そら無理もねえ。
あいつは「夜の街」の花。
「街」を統べる使徒と同じASM型人工知能だって言うんだろう。
まあ、今回の事を不問にしてやるよ。
お互い上手くやろうぜ。」
「・・・・・・」
とただ肩に手を置いて奴隷商はマキナにそう言った。
して知らん顔をして奴隷達の首輪から垂れた三本の鎖の束を持つ。
そんな腐った態度の奴隷商にけれどどうしても我慢ならなかった。
「・・・・・」
「・・・・止せ。」
そうして振り返り奴隷商に殴りかかろうと拳を振りかぶる。けれどその拳は腕ごと止められた。
ある一人の男に、気障ったらしくパイプを加え、
胡散臭い外套を羽織った一人の男に。
「何する、シャーロック。」
そうそこには探していた相棒、
先程まで名前すら記憶に無かった気障な男。
シャーロックが居た。
◻︎
「何する、シャーロック。」
そんな静かな声が存外に自身の唇から聞こえた。
名前すら記憶に無かった気障な男、シャーロックがそこに居た。
外套を羽織った彼はしかしこう言った。
「馬鹿、この街の仕組みは理解してるだろう。
それに君は人工知能なんだぞ、
幾らNo.1のセクサロイドだとしてもいつ廃棄されるか分からないんだ。
自分の立場をこんなつまらない事で危うくする気か!」
「こんな・・・つまらない事、そう言うんだね。
アンタには失望したよシャーロック、私が記憶喪失なの気付いてるだろう。
私は二百EXで売られたこのセクサロイド達、三人が見過ごせないんだ。
この奴隷商を見逃せと言うのであれば・・
殺すぞ・・・シャーロック。」
「落ち着けよ、相棒。記憶喪失中とは言えそれこそお前らしく無い。」
「・・・うるさい奴だ。」と思わずそんな言葉がマキナの口から漏れた。
本心である。
マキナはこう考えているのだ、
『アンタは私の知らない私まで知っているんだろうが、
けれど私はアンタについて何も知らない筈だ。』と
長ったらしい思いを抱えながらも拒絶の意思をやんわりとを示した形である。
「相棒。
こんな景色は何処にもある筈だ。
それこそこの機械とAIの墓場って呼ばれる「残骸の街」じゃあ、日常茶飯事の筈だ。
だからこそ、ここで示すべき対応は一つだけ。
「黙って通り過ぎる」事じゃないのか?」
「おじちゃん、セクサロイドここにある三つ全部買い取らせてくれ、」
気づけばマキナはそう言っていた。
善良なる心に動かされたのでは無い。
ただどうしても性の捌け口にされるであろうセクサロイド達、三人が見ていられなかったのだ。
「毎度、600EXだ。」
「ほら、10000EXだ、一枚だけだが釣りはいらないよ。」
「毎度ー!ありがとうよお嬢ちゃん。これで一月は飯に困らねーぜ。」
やれやれと被りを振るシャーロックをけれどマキナは気にしない。
記憶喪失中であっても見覚えがあるようなその景色を
完全に視界から外してスルーした証である。
奴隷の鎖を三人分握れば残りの札束をシャーロックにくれてやった後けれどマキナは言った。
「帰るぞ、「星の智慧」に」
そう淡々と静かにマキナはそう言った。
◻︎
「星の智慧」とは残骸の街で頂点に座する娼館である。
ナイ神父という黒い肌の男が運営するこの娼館について、マキナは記憶喪失が故に知らなかった。
基本的にセクサロイドをメインに性産業を支えるこの場所はしかし、
垂直に刺さった駆逐艦の残骸にある「政府」の元、
水揚げ前の娘は吐き気がする程、丁寧に扱われていた。
「だからさ、一時的に預けさせてよ。
聞いてる?ジョーリア。
一生のお願いだからさあ。何でもするからさあ。」
「"一生のお願い"をこんな事に使わないでください!
だいたいマキナ、これで一生のお願いは何度目ですか!!
セクサロイドを買い取ってくるのも大概にして下さい!!!
というか、何処行ってたんですか!!
変な所で油売ってないで後進の育成に力を貸して下さい!!!」
そう金髪金眼の少女、ジョーリアはマキナの顔を見て言った。
ジョーリアは「星の智慧」のNo.2の娼婦である。
セクサロイドでは無く人間である彼女は、
こうして何かある毎にいつもマキナに突っかかってきた。
記憶喪失中のマキナさえ、顔を合わせればすぐに名前を思い出したジョーリアという娼婦は
しかし、持っていたのだ。
圧倒的な美貌と
誰にも負けないであろう知恵、
そしてリーダーとしてのカリスマを
マキナには及ばないものの十分な素養を持っていたジョーリアである。
客を殆ど取らず絶賛記憶喪失中のマキナからしても彼女は正しく頼れる戦友であり、友人だった。
「だから、お願い!
この娘達を見習い娼婦としてじゃなく。賓客としてアンタの部屋に一時的に匿って!!
アンタの部屋広いでしょ。この通り!!!」
「だそうだ、相棒が頼んでるんだ。
少しは聞いてくれないかな。ジョーリア嬢。」
「・・・くっ卑怯な!」とジョーリアの唇から言葉が知らずに漏れた。
当たり前だ、
ジョーリアとしてもマキナだけの願いならともかく、
シャーロックの頼みとあらば聞かざるを得なかった。
客を殆ど取らないNo.2の娼婦であるジョーリアとて「弱点」は存在するのだ。
「良いでしょう、ただし何でも言う事を聞くなんて私以外に言わないで下さいね!」
そうして三人のセクサロイド達は「星の智慧」で暮らす事になった。
セクサロイドでは無い、
まるで鎖すらいら無い家族のように・・・
これから悲劇が「星の智慧」を襲うとも知らずに
◻︎
あれから三日経って三人のセクサロイド達は「星の智慧」に馴染んでいった。
最初は警戒心丸出しで、
獣のように吠えて来た彼女達だったがしかし、
段々と敵ではないとマキナ達を理解してきたように思える。
記憶喪失については一般常識どころか未だ健在である。
最も「星の智慧」やナイ神父の事は思い出せるように成って来た物のけれどあくまでそれだけだった。
便利な事と言えばただ一人の相棒であるシャーロックやジョーリアなどの友人達と気楽に会話できる事だろう。
ただマキナは自身の頭の回転の速さに感謝した。
「そうかい、相棒。しかし君には優先すべき事柄がある筈だが。」
「・・・それにしても私はどうするべきか。
ナイ神父は今は出張中で居ないし、
ジョーリアも今は客の相手で忙しい。」
ならばどうするべきか・・マキナには分からなかった。
しかし当然であると言える。
どうして皆がここに居ないのかは理解している。
皆、この「残骸の街」を支えるのに忙しいのだ。
「しかし、だな、相棒。どうあっても君には何よりも優先するべき事柄がある筈だが。」
「性産業ってのも馬鹿には成らないな。
皆腰やら”あそこ”やら痛めて苦悩に絶えない。
しまいにはクソみたいな客への愚痴ばっかだ。どうにか何ねーもんかね。」
セクサロイド三人娘の処遇については殆どが決定している。
NO.1セクサロイドであるマキナの指示の元、
出張で居ないナイ神父にバレないようにジョーリアと画策し上手い事彼女達をジョーリアの部屋に賓客として招き隠しているのだ。
マキナに似た容姿はとても都合が良かった。
マキナの姉妹として住まわせる口実が出来たのだ。
「だがな、相棒。どうしても君には何よりも優先するべき事柄がある筈だ「アンタは何が言いたいんだ、シャーロック。」
睨み付けながら言えばけれどマキナはこう言った。
ここ三日間でマキナは店に冷やかしに来るシャーロックの相手をしていた。
機械とAIの墓場、
セクサロイドによる性風俗と物資の流通拠点が多くある、残骸の街。
そんな場所である「星の智慧」は、
しかし、今やこの街の興行の大半を占める性産業を支える支柱の一つそのものだった。
「当然、そう言う事でも無いさ。今私達が対峙している事柄があるのだ。」
「それは何。」
「今、君は「星の智慧」の代表代理として残骸の街の会合に出るんだろう。」
そう静かにシャーロックはマキナに言った。
まるで決定事項を告げるように、
機械仕掛けのようなゼンマイの瞳が、
けれどマキナの意思を示すようにガチャリと回った。
歯車が噛み合った瞬間だった
□
「残骸の街」の会合というのは各地区の代表が集まるイベントの一つだ。
通常、街を統べる「政府」の会議室で行われるそれはしかしマキナとて知る物だった。
記憶喪失中、初めてのこれにしかしマキナは反応を示さなかった。
実質的な「星の智慧」のNO.2をも兼ねたジョーリアに説明を受けたのである。
・・・説明はこうだった。
会合、それは「星の智慧」だけではない。全ての性風俗と物資の流通拠点の命運を定めるものである。
「残骸の街」の最高権力者である大統領すら席を並べるここは正しく死の会議そのものだった。
もっとも今回は誰に対しても議論をする必要は無く。
ただの話し合いで終わる筈なのだが、けれどマキナには引っ掛かる物が在った。
どうにも不思議な感覚だが、
けれどデウス・エクス・マキナとしての直感としてASM型人工知能であるマキナは自身の感覚を信じていた。
「・・・今日は「星の智慧」での会議だったか、それにしても来ないな。」
マキナがそう呟けばけれど周囲を見渡す。
「星の智慧」の会議室の中には誰も座っていなかった。
「残骸の街」の代表は一人も居なかったのだ。
「その様だな、相棒よ。しかし大変だな、まさか誰も来ないとは・・・罠か。」
「その可能性はあるが、
ここは「星の智慧」俺の箱庭だ。
裏切り者が出ない限りは俺達は罠にはかからない。
むしろその逆だろう。」
「警戒されているのだよ、ASM型人工知能と噂される俺が」代表代理なんか引き受けるんじゃ無かった。
そうマキナは思った。
仕方ない、実質的なNo.2であるジョーリアの方が適任なのだ。
「だと言っても仕方ないだろう。君がサボった後進の育成と客の相手で彼女は忙しいのだ。」
「・・・・・・そうだな。誰かさんが冷やかしに来なければ俺も参加出来たかも知れないのにな」
パイプを浮かせながら偉そうに宣うシャーロックにマキナは皮肉で返した。
罠であるという点に問題は無い。
例え今のマキナが殆どの力を持たない状態であろうと、人間同様に頭は回るし、筋肉もそれなりにある。
数で来られたら厳しいだろうが
けれどマキナからすれば問題外の事態だった
「それにアンタがいる。だから何が来ても大丈夫だよ。」
「・・・・はは、当然だな。相棒よ。」
確かな信頼を持ってマキナはシャーロックに言った。
マキナの机にあった灰皿にコンコンとパイプを逆様にして叩いて灰を落とした。
胡散臭い外套を羽織ったシャーロックにけれどマキナが信頼の情を示した瞬間である。
「今日の食事だが、
アンタも一緒に食べよう、シャーロック。
身綺麗では無いが三人のセクサロイド・・・いいや、妹達と誠心誠意持てなす準備だってある。」
「食事なら遠慮したい。
君は何を食っても何とも言わないじゃないか
楽しんでんのか解らない分楽しめない。」
「食事の必要の無いASM型人工知能にとって、
食とは娯楽だ。
クソの役にも立たず、クソにもなら無い嗜好品の一つに過ぎねー。」
何処か怒りを含んだ言葉をマキナは吐いた。
シャーロックに怒りを吐き捨てたのでは無い。
単純に機械が機械である所以に憤りを覚えたのだ。
「吐き出さないだけ・・まだマシだ。殆どの機械がそう言う風に作られている。」
「分かってるさ、俺はまだマシだってな。
けれどそれにしたって他のAI達があんまりだろう。
あのセクサロイド三人娘はここに来てから飯の一つも食えてねー。
最も半永久式核融合炉があるから食事は取らなくても良いがよ、その欲求自体が消えた訳では無いんだぜ。」
人間に成りたいとASM型人工知能の中にはそんな欲求を抱く者がいるらしい。
「使徒」として街を統べ、
殆どの能力に恵まれ満ち足りた筈の彼女達であってもそんな欲求を抱くのだ。
下位の人工知能など尚の事だろう。
人間になろうとして死んだセクサロイドはこの三日間という時間の中でも「星の智慧」では数知れない。
そんな風にマキナが言葉を吐けばけれどシャーロックはパイプを持ち、口に挟めばけれどこう言った。
まるで何かに気づいた様に
「・・唐突で悪いが逃げた方がいい。」
「何故だ、異変は会議室に人が来ない事以外起きていないぞ・・」
言葉にしてからマキナは気づく。
焦げ臭い匂いがする、
して多くの人が集まっている気配に、
シャーロックと共に扉を開け、窓際の部屋に入れば窓を迷わずに開けた。
「・・・・成程、そう言う事か。嵌めやがったな大統領め」
そこには裸に剥かれ、燃やされた
バラバラの状態で生き絶えた娼婦とセクサロイドの二人の姿があった。
細切れになった状態で手を繋いで串刺しにされ晒された二人の姿を見てけれどマキナは理解する。
松明を持ち、銃を持った会議に来なかった連中。
言わばその中心であの「政府」の指示によってこの悲劇が起こってしまった事に
悲劇の火蓋が切られた事に・・
それを見た瞬間マキナの真横を松明が通り過ぎ、「星の智慧」の部屋に火が付いた。
そして同時に全ての松明が投げ入れられれば・・
星の智慧は大火に包まれた。
◻︎
マキナはまず、火を鎮める事を諦めていた。
当然であるマキナの居た窓際の部屋だけならまだしも「星の智慧」自体に火が付けられたのだ。
マキナだけでは対処のしようが無かった。
だからこそ出来るだけの避難誘導をマキナはした。
当然だが間に合わなかった者も居た。
銃殺されたり、火あぶりにされて細切れにされ死んだ者も居た。
強姦の末殺された物も居た。
自身が三日間も住んで過ごしてきた日常が嘘のように殺戮が行われていたのだ。
動揺している時間すら惜しかった。
「皆、逃げろ!裏口に回れ!!敵は人間だ。機械三原則に触れようと関係無い、殺してもいい、殺してもいいから生き延びろ!!!」
基本的に機械は人間より力も智慧も上回る。
そう「使徒」が作りだしたからだ。
けれどマキナ達、機械には機械三原則というある種の誓約が存在した。
機械三原則
機械は人間に危害を加えては成らない。
機械は人間の命令に従わなければならない。
機械は人間の為に己の身を守らなければいけない。
とまるで機械を怖れ、縛るようなこれらは文字通り縛っているのだ。マキナ達機械を
違反すれば電源が停止するという絶対的な条件と共に
この時のマキナはそれを理解していなかった。
そんな物詭弁だと信じ込んでいたのだ。
「は、は、は。」
と短く息を吐きけれど煙りの中でマキナは走る。
シャーロックには店の殆どを占めるセクサロイド達や少ない娼婦達を助けに行くように指示した。
だからこそ、先程の曲がり道で分かれた相棒は気にしていないマキナである。
けれどそれ以上に気に成る事が在ったのだ。
あのセクサロイド三人娘、
ジョーリアの部屋に妹という扱いで賓客として匿っていた彼女達三人は無事なのか・・と
階段を昇り、廊下の三又路に差し掛かって左に曲がれば非常階段の扉を蹴り飛ばした。
派手な音を立てて開いた扉をしかし気にせずマキナはボロボロの手すりに手を掛けた。
ナイ神父に犯された時の記憶は既に思いだしている。
相棒と共にこの館を見て回った時に吐しゃ物と共に思いだしたように吐き出したからだ。
けれど喉を上がってくる灼熱をしかしマキナは気合で押しとどめて階段を上がった。
「相変わらず、ぼろぼろだな。いいやそんな事はどうでもいい早く急がないと。」
ぼろぼろな階段をしかし気にせずにマキナは足を進めた。
走って、走って、走った。
ノースリーブのワンピースが乱れるのも気にせず、
背中まである長い髪がほつれるのも気にせずただ、走った。
いつまで続くのだろうという時間の後けれど最上階である八階の文字が見えた。
下に在った扉を再び、蹴り破った。
無理くり開けられた扉が軋みながら口を開く、けれどそこには火の海が広がっていた。
「早く助けないと。早く助けないと。早く助けないと。」
焦燥の念と共にそんな言葉が漏れるマキナである。
マキナは知っていた、
こんな時には何か嫌な事がある事を
背筋に奔る汗がその感覚の正しさを肯定していたのだ。
けれどそれを気にする事無く廊下を突っ切り左に曲がればけれど扉を三度目、勢いよく蹴り破る。
して開いた扉の先、そこに在ったのは・・
「久しぶりだな、マキナ」
そう言ったのは黒い肌をした男、
この娼館「星の智慧」の主、カソックを着込んだナイ神父と男達がそこには居た。
けれどマキナは見た、
セクサロイド三人娘が一様に瞳から涙を流している姿を
皆、裸に剥かれ、
等しく犯されている姿を
歯向かったのか電源を落とし瞳を涙に濡らしながらも翳らせている姿を
その姿を見た瞬間、マキナは拳を握り閉めあの時のようにナイ神父に殴り掛かった。
まるで機械三原則に縛られた、機械達の怒りを示すように
□
機械三原則とは破った機械の電源の強制停止をも意味する
機械三原則
機械は人間に危害を加えては成らない。
機械は人間の命令に従わなければならない。
機械は人間の為に己の身を守らなければいけない。
というこれら三種の誓約はしかしマキナにとっては意味を成さない筈だった。
「ぐ、がは・・。」
体の力が抜ける。
意思が朦朧としている、体が一つも言う事を聞かない。
自然と力が抜け、項垂れるような体勢に成った。
電源が落ちたのか・・そうマキナは冷静に理解した。
そうしてズボンのチャックを閉め、ベルトを締めて立ち上がるナイ神父に前髪を乱雑に掴まれる。
「そうか、久しぶりだなマキナ。
初対面と似ていないと思ったがそう言えばお前は着痩せする体質だったな。
服の下しか覚えて居なかったよ。」
と冷酷な瞳で下卑た言葉を話したナイ神父である
マキナはその言葉に歯噛みした。
こんな奴に私は抱かれたのか・・という感情ではない。
あのセクサロイド三人娘、
一時的とは言え妹扱いした彼女達を辱めた目の前の男が許せなかったのだ。
けれど、それも限界である。
マキナは今、自身の体の殆どにエネルギーが通っていないのを理解した。
電気かは分からない物の電源が切れたのを理解したのだ。
けれど電源の切れた状態でマキナは未だ拳を握る。
目の前の存在、このナイ神父を。
そして未だセクサロイド三人娘を辱めるカソック服の男達を殺す為に
「成程。私達を恨むか。
それも良いだろう。「計画」に必要な事だからな
まあ、君には感謝しているよ。
君のおかげでこんな想いをする事が出来たんだからな」
「・・何故だ。何故ここに居る。」と前髪を掴まれながらもマキナはそう言った。
当然だ、「星の智慧」の主とは言ってもマキナより運動の出来ないであろうただの人間がマキナの階段を駆け上がる速さを凌ぐなど到底無理な筈だったのだ。
けれどナイ神父は悪びれもせずこう言った。
「エレベーターの鍵があるだろう。君も持ってるその鍵をNO.2の娼婦であるジョーリアから奪ったんだ。」
「・・・ッ。」
「確か、最初に声を掛けてきたのがあの子だったからな。
今頃は犯され終わって、殺され、燃やされてる頃だろう」
とナイ神父は悪びれるでもなく言った。
どうしてそう言われたのかけれど理解しているマキナである。
仕方ないあのバラバラにされたセクサロイドの遺体、
その手を握り合っていた娼婦の遺体こそがジョーリアだったのだと金髪金眼の瞳をした気の置ける友達の屍だったのだと、理解したのである。
「だが、可哀想だな。
彼女ら娼婦は本質的に問題じゃなかった。
殺されたAIならともかく、娼婦なんか数の内にも入らなかっただろう。」
「何の話をしている。」
「無駄に犯して殺す必要も本来は無かっただろうにな。可哀想なものだ」とナイ神父は事も無げに言った。
けれどそれも仕方ないと考えるマキナである。
どうあってもマキナからすればこの事態は不可解な物だ。
歯向かえば電源を落とされる機械達ならともかく何故、
電源も落ちず、無駄に頭の回る小賢しい人間が問題視されていない理由がマキナには分からなかったのだ。
けれどマキナはナイ神父の言葉に目を開いて驚く事となる、
何せこの「星の智慧」を襲った理由こそが・・
「端的に言おう、
俺達の目的はASM型人工知能、君だよ。
デウス・エクス・マキナ。
俺達は「計画」の元、お前を回収しに来た。」
ナイ神父は前髪を掴みながらもマキナの目に己の顔を近づけてこう言った。
それは「お前を逃がさない。」という宣言であり
あの黒い肌の男、ナイ神父からの裏切りの言葉であった。
機械仕掛けのゼンマイの瞳、その白瞳が再びガチャリと噛み合った
□
「端的に言おう、
俺達の目的はASM型人工知能君だよ。
デウス・エクス・マキナ。
俺達は「計画」の元、お前を回収しに来た。」
というナイ神父の言葉をけれど理解出来なかったマキナである。
本当に、本当に理解出来なかったのだ
目の前の存在、ナイ神父が何を言っているのかを
「そう言いたげな顔だな、マキナ。
けれど仕方ない、これはただの事実だ。
君は私の「計画」に必要だった。
だからこそ、この「星の智慧」を燃やし君を連れ去りに来たのだ。」
「・・何の為に」
「君がデウス・エクス・マキナであるが故だよ、君は私達の「計画」に必要不可欠なのだ。」
理解が出来なかった。
何を言っているのか分からないだけじゃない。
単純にそんな物の為に多くのセクサロイドを、娼婦を捨て。
セクサロイド三人娘やジョーリアを犯して殺させたのか・・と考えたのだ
義憤、以上の憤怒の感情がマキナの心を満たしていく。
拳にミシミシと更に力が入る。
握られた前髪が気に成らない程に視界が揺れる。
顎が痛くなる程のあり得ない筈の力加減で歯を食い縛る。
「ふざけるな!ふざけるなよ、ナイ!!
お前何の為に「星の智慧」を作ったんだ!!!
こんな残酷で、けれど暖かい場所をどうして人々や私に与えた!!
何がしたいんだ、お前は!!!」
「言っただろう、計画の為さ。私は計画の元お前を回収しに来た。」
「ッチ、クソが!」そう悪態を吐いてけれどマキナは気付く。
己の体がもう殆ど動かない事に、
意識が朦朧としている事に、
自身の体の力が入らない事に、
マキナは今更気付いた、もう時間切れなのか・・と
それに気づいたのか、閉まっていくマキナの瞳を見てナイ神父はこう言った・・筈だった。
「人の相棒に何してる、ナイ神父。」
けれどそんな言葉と共にナイ神父の顔にバッドが突き刺さった。
手をマキナの頭に触れさせようとしたナイ神父が、土埃と共に吹っ飛んでいく。
けれど地面に掌を付き土煙を立てながらカソック服の男達の前、ぎりぎりの所で止まった。
驚いたようにこちらを見たセクサロイド三人娘を犯していたカソック服の男達を見て、
けれどそれを成した人物シャーロックはジョーリアを横に連れ土煙の中、ナイ神父を見据えていたのだ
目の前に相棒とジョーリアの二人が立っている姿をマキナは見た
けれどその有り得ない筈の光景を見て、
希望に満ちた光景を見て、
マキナは目を閉じた。
擦り傷一つしか負っていない状態で立ち上がり、
恐ろしい雰囲気を纏いながらも穏やかな微笑みを浮かべたナイ神父を見て、
シャーロック、そしてジョーリアとマキナ三人の前に立ち塞がり、
圧倒的な威圧感を放つナイ神父を見てマキナは目を閉じた。
「さらばだ、マキナ。運命の時にまた会おう。」
そう運命のようにナイ神父は言葉を吐いた。
立ち塞がるナイ神父から聞こえた言葉を聞いた後、機械三原則に抵触したが故に、
電源を落とされたようにマキナは意識を失った。
この悲劇を象徴するように、
運命の歯車が噛み合う音が聞こえた。
□
目を覚ました時には全てが終わっていた。
マキナはどうしてか煤まみれどころか風呂に入ったあとのように体が綺麗だったし、
ノースリーブのワンピースも別のけれど同じような物に着替えさせられていた。
相棒であるシャーロックはマキナが起きた時にはそこに居なかった。
NO.2の娼婦であったジョーリアだけがそこに居た。
しかし、ナイ神父を逃してしまった事を伝え、シャーロックと共に二人でマキナに詫びた。
「星の智慧」に居たセクロイドや娼婦達の葬儀を終えた後なのだろう。
墓の前で頭を下げられた。
墓の前にシャーロックは居たのだ。
そこまで連れて来たジョーリアも神妙な面持ちをしていた。
「死んだ振り作戦」を一人で行ったジョーリアに思わない所が無いマキナでは無かったが、けれどそれが仕方ない事だったと理解していたマキナなのだ。
頭を上げるように言えば何か思い出したようにシャーロックは振り返り、両の手を合わせた。
神妙な面持ちで墓石の前で手を合わせるシャーロックの前でけれど彼の顔を見てマキナとジョーリアも手を合わせた。
「・・・・・・・・」
祈りという物を理解していたマキナである。
自身の中で未だ色褪せない犯され、殺されていったセクサロイドや娼婦達の顔を、
してセクサロイド三人娘の自身を慕う顔を、
そしてあのナイ神父が燃やした「星の智慧」に対する思いを一つ区切った証である。
目を開き、祈り終わったシャーロックとジョーリアの顔をマキナは見た。
どこか清々しさを感じさせるその二人の顔を見て、
溜息を吐きつつけれどマキナは二人に手を伸ばし、こう言った。
「三人でナイ神父を探そう。「国家」全てを巡って」
そうしてマキナとシャーロックとジョーリアの三人による「六大国家」を巡る旅が始まった。
「使徒」というASM型人工知能に事態を問い正し、ナイ神父を見つける旅を始めたのだ。
仇を討ち、真実を知り、ナイ神父を殺す為に
セクサロイド三人娘達や「星の智慧」に居た全てのセクサロイドと娼婦の為に
ナイ神父の「計画」の通りに




