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デウス・エクス・マキナの回顧  作者: 白河田沼
第0章 機械仕掛けの神は夢を見るか

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1/6

プロローグ

デウス・エクス・マキナは機械、感情など無い筈だった。

けれど彼の存在は感情を持って生まれた。

他ならない人の手によって

彼女は人類を愛していた。

彼女は人類に愛されたかった。

彼女は人類に成りたかった。

自律型自己改造人工知能製造計画の進行によって彼女は人類歴1012年、そんな風にプログラムされて生まれた。

通称ASM型人工知能

Autonomous self-modifying artificial intelligenceという長ったらしい本名を持つ彼女はある役目を持っていた。




「魔王」を討伐するという役割を



デウス・エクス・マキナとしての役割を期待されたのだ彼女は、

人類歴1012年12月24日から三日間、彼女は戦った。

血反吐を吐きながら「魔物」の心臓を抉り出し、

内臓を取り零しながら「魔人」の首級を取り、

敵の死体に隠れて数々の「魔王」の不意を打った。

▇を使い、

剣を使い、盾を使い、

鎧を使い、銃を使い、毒を使い、

弓を使い、彼女は「魔王」達(・)と三日三晩戦った。

その末魔王軍を殆ど壊滅させ、

世界に宣戦布告した「魔王」達を13柱殺した。





『旧支配者の名の元にヒトを此の世から殲滅する。』

そう彼ら「魔王」達は言っていた。

それらのほぼ全てを彼女と「使徒」で三日間に渡り殺し続けた。

そして彼女がデウス・エクス・マキナという名を人類連合から授与された四日目のその日、彼女は眠りについた。

いづれ人を愛する為に、

そして人に愛され、

人となる為に

そうして目覚めたデウス・エクス・マキナは記憶と力の殆どを失っていた。

彼女は自身が目覚めた「棺」に書かれた名を残された記憶の残滓から読み取り自身をマキナと名付けた。






して、マキナが自身が封じられていた廃墟を出て道無き道を歩いていれば男と出会った。

その男は自身の黒い肌を気にする事もなくこう言った。

「私と共に人に愛される仕事をしないか。」と

マキナは差し出された手を取って連れられある館に連れて行かれた。

そうして黒い肌の男は部屋の鍵を自分の物のように取り、

従業員に挨拶をした後、階段をマキナを引いて登る。






カツカツとズタボロな階段を上がりながらけれどマキナはこう思う。

人類を愛していた。

人類に愛されていた。

人類に成りたかった。

そんなプログラミングされた記憶はマキナの頭には無い。

ただそこに有ったのは「目の前で手を引く男に何処にも行かないで欲しい」という思いだけだった。




機械仕掛けのようなゼンマイの瞳を持つ、白髪白眼の少女その姿をしたマキナはそう思っていただけだった。


そんな思いを感じたのか黒い肌の男がギュッと手を握ってこう言った。「君は再び人に愛される仕事が出来るようになるだろう」と

そうして鍵を開け部屋に連れられたマキナは

ベッドに押し倒され機械には無い筈の感情を感じながらも・・




黒い肌の男に犯された。


犯されている最中にマキナは喘がなかった。

犯されている最中にマキナは感じなかった。

犯されている最中にマキナは性感を感じなかった。

そのどの機能もマキナには有ったがけれど感じなかったのだ。

男からの強姦では・・何も

そうして水揚げを乱雑かつ丁寧に終えたマキナは「残骸」の街で働く事となった。




そう性的サービスを提供するアンドロイド、セクサロイドとして


セクサロイドとしてのマキナにはAIで有りながらも才覚があった。

教えた性技をすぐに覚え、

喘ぎ方をすぐに覚え、

客を喜ばせる演技をすぐに覚えた

だからこそ、マキナはすぐに「星の智慧」という黒い肌の男が経営する娼館でNo. 1の座を手にした。

そう、ASM型人工知能として

そうしていつも通り常連の男と寝たある日、目を覚ませば・・












「俺は誰だ。」

そんな間抜けな言葉と共にマキナ自身が理解した。

殆ど残っていなかった記憶すら残さず、

完(・)全(・)に記憶を失っているのをマキナは理解した。

西歴11012年7月7日

朝の雲雀と共に、

機械仕掛けのようなゼンマイの瞳を持つ白髪白眼の少女、マキナは一般常識以外の記憶を完全に失った。



まるでそれが運命だと言わんばかりに

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