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 結局シントも一度温泉に入ってから令嬢に会いたいとのことで、一緒に温泉に入ることに。どんな感じなのかな? とドキドキしていたけれど、見た目は普通の風呂。絶え間なく湯船に湯を注いでいるところに自然に湧き出た温泉を引っ張ってきているみたい。見た目は普通の風呂だけど、ちゃんと温泉。うん、面白い。


「はー、なんだか温泉だって言うだけで元気になれる気がするね」


「そうだね~。

 いつものよりも少し熱めな気がするけれど気持ちいいね」


 ふー、と息を吐きだすと疲れまで出てくれる気がするから温泉ってすごい。うん、暖かくて気持ちいい。


「はぁ、ここのご令嬢はどんな子だろう。

 確かこの伯爵家は二人姉妹だよね。

 上のご令嬢は学園にいかれているからいないとして。

 下のご令嬢はどうだろう?」


「さすがに会ったことがないから分からないよ。

 大人しい子であることを願う」


「それしかないよね」


 互いに顔を見合わせると、苦笑している。まあ仕方ないよね。子息の場合は結構仲良くできること多かったけれど、ご令嬢は、ね。うん。


「まあ頑張ろう……」


 少し重い空気になってしまったけれど、切り替えよう! 温泉から出ると早速用意されていた服に着替える。かちっとした服はなかなか面倒だけれど、ここは我慢。そしてご令嬢が待っている部屋へと向かうことになった。



「あ、あの、我がジャンア伯爵領へようこそいらっしゃいました。

わたくしはスルシベラ・ジャンアと申します」


部屋に入るとすぐにぺこりと頭を下げたのは、若草色のドレスを着たご令嬢。髪をゆるく三つ編みにしている姿からも、柔らかく微笑む姿からもわがまま令嬢らしい様子は見られない。よ、よかった……。


「はじめまして、シフォベント・アルフェスランと申します」


「アラミレーテ・カーボと申します」



一礼すると、席を勧められる。ひとまず警戒はしなくていいかな。というか、令嬢がまとっている空気が柔らかくて、警戒し続けるのが難しい気がする。


「お二人共温泉にはいられたと聞きました。

いかがでしたか?」


「とても気持ちよかったです。

いい湯をありがとうございました」


「まあ、それはなによりです。

わたくし、温泉が大好きで毎日入っているのですが、王都に行くとそうもいかなくなるのが今から憂鬱で……」


「スルシベラ嬢が学園にはいられるのは2年後、でしたか?」


「ええ。

でも、その前にも王都に行くことはありますでしょう?

王都の屋敷にも温泉を引っ張れたらいいのに」


「こちらの湯をですか?

それができれば、皆こぞって湯を欲しがるでしょうね。

特にご夫人方は」


そうかもしれませんね、とスルシベラ嬢が笑う。うーん、王都に温泉をもちこむ……。まあ無理だろうな。王都に温泉があることが一番だけれど、そうすると弊害も多いだろうから仕方ない。


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