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もともとの7話部分が重複していたため削除いたしました。

そのため、18話まで一話ずつ繰り上がっています。

教えていただきありがとうございました……!


 誰かに、触られている? 逃げないと、ととっさに目を開ける。


「うわっ!

 び、っりさせるな」


 だれだ?知らないおじさん?


「ああ、目が覚めたんだ。

 水いるかい?」


「ほしいです」


 イシュン兄さまもいたんだ。

 はいどうぞ、と渡された水を飲みながらも知らない人に目を向ける。その人もこちらを見てくるともちろん目が合う。すると目を見張られた。


「ああ、この人がリーロンパ師匠だよ」


「この子は魔力持ちか!

 しかも宝石眼持ちの……」


 イシュン兄さまの言葉を遮るようにリーロンパ師匠が声を上げる。急に大きい声出されるとびっくりするじゃないか。それにしても、魔力持ち?


「ええ、おそらく。

 他言無用でお願いします」


「カーボ家で大切に守られているお姫様の秘密を漏らすなんて怖いことしない。

 それにしてもなるほどな」


 お姫様? 僕は女じゃない!むっとしているとなぜか頭をなでられてしまった。


「お嬢さんも大変だな」


「僕は女じゃない!」


 大変、の意味も気になったけれどまずはそこじゃない。本当に女だと思っていたの⁉


「あれ、そうなのか?

 こんな顔なのにか?」


 もったいない、と言われたけれどそんなの知らない。イシュン兄さまもため息ついてないで何か言ってよ。


「アランのことは軽く説明していたのを聞いていらっしゃらなかったんですね」


 アハハ、と笑ってごまかさないでいただきたい。イシュン兄さまが師匠って言っていたからすごい人だと思ったのに、適当な人なんですね……。


「それにしても、そうか……。

 ちょっと手を借りる」


 何かを考えたと思ったら、ひょいと手をつかまれる。何をされるのかと思っていたら、不意に手が温かくなった。これなんだろう?


「ぷはっ!

 やっぱりこれは無理だわ。

本人の力が強すぎる」


「無理、とは?」


「もし、魔力の通りが悪くて頻繁に熱を出しているなら、何とかできるかもと思ったんだが、さすがにこれは本人の力が強すぎて俺には無理だ」


「師匠、魔力使えたのですか?」


「まあな」


 思いっきりのため息とともに無駄にハイスペックなる言葉が聞こえてきました。なんだかイシュン兄さまも大変ですね。


「まあ、これ以上は後で話そうか」


 お話は終わったみたい?


「イシュン兄さま、パーティーはもう終わったのですか?」


「ああ、無事に終了したよ」


 ならよかった! 姉さまは今日のためにいっぱい準備したみたいだし。ほっとしているといつの間にか師匠が眼帯に手をかけていた。って、それはまずい!

 あわてて眼帯を抑えるもするりと取られてしまった。ぎりぎり眼を抑えられたから、まあ大丈夫、だよね?


「なにをするのですか!」


「師匠……。

 何をされているのですか」


「いやな、わざわざ隠しているからもしかしてオッドアイなのかと思ったんだ」

 

 オッドアイ? どういう意味だろうとイシュン兄さまを見ると、また額を抑えてため息をついていた。なんだか今日はこういう兄さまをよく見るな。


「これも先ほどと同様です。

 ほかで話すことはしないでください。

 むしろ、みんなが守りたいのはこちらの秘密の方なのですから」


 守りたい、秘密。自分のことなのに何も知らない。イシュン兄さまに手を外していいよ、と言われひとまず言われたとおりにする。


「ルビーの色か……!

 サファイアと、ルビー、なるほどな」


「イシュンにいさま、ぼくのめはいろがちがうのですか?」


 何か納得している師匠はいったん無視して、と。兄さまに気になることを聞いてみる。するとなぜか驚いた顔をされてしまった。


「そうか、知らなかったんだね」


 そういって渡されたのは、小さい大きさの鏡だ。こんな大きさのものもあるんだ。渡してくれたのでのぞいてみると、そこには先日見た通りの自分が映り込んだ。確かに目の色が違う。前世の、あれ以前と、同じ色……。どうして?

 母さんが封印したんじゃないの? 違う色の瞳は隠さなきゃいけないって、そういって。なのになんで今の自分はまたこの色なんだろう。皆が隠したがるのは母さんと同じ理由なのかな……。


「アラン?」


「イシュン兄さま……」


 僕、どうしたらいいのかな? また、封印する? でもできるのかな……。


「そんな不安そうな顔をしなくて大丈夫だから。

 どうしたんだ?」


「僕、へん?

 かくさなきゃいけない?」


 どういったらいいのかわからなくて、精いっぱい伝えてみる。するとすぐにギュッと抱きしめてくれた。すごく温かい。


「変とかじゃないよ。

 大丈夫、それはアランの個性だし、瞳の色が違う人はほかにもいる。

 でも、今はアランのためにももう少し隠していようか」


 うん、とうなずくといい子、と頭をなでられました。


「イシュン、少し違う部屋で話をしたい。

 いいか?」


「あ、はい。 

 じゃあ、またあとで来るから」


 あ、行っちゃった。また静かになる部屋。でももうパーティーが終わったなら兄さまに会いに行ってもいいよね?


「サイガ、兄さまのところいきたい」


「ヘーリ様のところですか? 

 ただいま確認してまいりますので、少々お待ちください」


 先ほど外された眼帯を渡しつつサイガは部屋を出ていった。確かに今急にいかれても困っちゃうよね。


 少ししてサイガがアベルと共に戻ってきた。その手にはいつかの衣装が。


「せっかくなのでこちらをお召しになって、とのことです。

 そろそろお夕食の時間ですから、そのまま食堂に行くことになるでしょう」


 そっか、もうそんな時間なんだ。おとなしく着替えを手伝ってもらいつつ、準備をする。先ほどもらったばかりの眼帯もさっそくつけてみた。


「完璧です、坊ちゃま!

 とてもお似合いです……」


 感激したようなアベルの声にどう答えたらいいかわからなくて、サイガの方を見ると、サイガもにこやかに笑っている。これはだめだ。


「さあ、お支度も済みましたし、ヘーリ様のところへまいりましょう」


 そうだ、兄さまに会いに行くんだ! 気を取り直して部屋を出る。そのまま兄さまの部屋に向かっていると、何やら騒がしい声が聞こえてきた。何だろう?


「坊ちゃまはこちらでお待ちください。

 少々様子を見てまいります」


 アベルと目配せをすると、サイガはそういって速足で先に行ってしまった。何があったんだろう……。


「不安にならなくて大丈夫ですよ。

 きっとパーティーで気分が上がった方々が騒いでいらっしゃるだけなので」


 ありゃ、けっこうアベルは辛らつだね。でもここまで入ってくる人は大分限られているような。


「お待たせいたしました。

 先へ進んでも大丈夫です」


 ただ、というとひょいと抱き上げられてしまった。


「少々急いで通り過ぎたいところがあるので、失礼いたします」


 いうや否や、本当に早歩きで進んでいく。途中騒がしい原因に会ったけれどまあサイガ達同様無視で!



 やっと兄さまの部屋に辿りつくとすぐに迎え入れてくれた。なんだか疲れていらっしゃる。そして、まだ着替えていなかったんだね。そして、目が合うなり抱きしめられてしまった。


「アラン、もう癒されるよー。

 本当に面倒なんだよな」


 低い声で何かを言ってらっしゃる兄さま。とりあえず大変お疲れなのはわかりました。


「まあ、マリーはかわいいし、魔力もある。

 それに宝石眼持ち。

 周りが騒ぎ立てるのもわかるが、迷惑だ。

 こちらにも火が飛んでくるし……。

 ああ、アランの時が心配だよ」


 さらに力を入れて抱きしめられる。どうしてそんなに心配になるんだろう。僕が、変わっているから? 不安な気持ちをごまかすように、僕も兄さまのことを抱きしめた。


「それで、何か用事があったのかい?」


 用事? 用事はない。ただ会いたくなっただけだ。ひとまず首を振って否定しておく。


「兄さまに会いたかったんです」


 そっかぁ、と受け入れてくれる兄さまがやっぱり大好きです。


 そのまま夕飯の席に行く。姉さまも相当お疲れみたいだったけれど、僕を見てかわいい、と抱きしめてくれたので大丈夫そうでした。



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