12
もともとの7話部分が重複していたため削除いたしました。
そのため、18話まで一話ずつ繰り上がっています。
教えていただきありがとうございました……!
かすかに賑やかな声が聞こえてくる、気がする。あまり正確には把握していないけれど、ここはたぶん屋敷の中でも奥の方にある部屋なんだよね。だから、きっと届かないのが普通。兄さまと姉さまの部屋はもう少し手前の方にある。
うーん、こうなったら文字でも教えてもらおうかな。今を知るために本を読みたいんだけど、何せまともに文字が読めない。これだと本も読めないよね。
そうと決まれば!
「サイガ、文字おしえて」
いそいそと石板と石筆をもってサイガの方に行くと、そうお願いしてみる。少し目を見張るも、わかりました、と言ってくれた。
「そういえば、このいえのこともおしえてくれるっていってたよね」
「ええ、お教えいたしますよ。
どちらからお知りになりたいですか?」
まずはさっきのことからだよね。
「カーディア姉さまも姉さまとおなじ年なんだよね。
でも、おひろめパーティーはむげつ?」
どう聞いたらいいかわからなくてとにかく伝えてみる。それだけで理解してくれたみたいで、サイガはああ、とうなずいた。
「アラン様は金月、銀月、無月、はご存じですか?」
「うん。
空が赤くなる日からかねが6つなっているときが金月で、やみの刻に金の月がのぼっているとき。
そこからかねが7つ、8つ、最後のほうは6つなっている間が銀月で、やみの刻に銀の月がのぼっているとき。
それで、かねが5つなっているときが無月で、やみの刻に月がのぼらないとき!」
「ええ、あっています。
2年後にヘーリ様が通うことになるスターフェ王立学園が始まるのが銀月になった日から10日後です。
そして終わるのが無月になるとき。
学園には14歳から18歳の上級貴族の子息子女が通うことになります。
そして、お披露目パーティーは貴族の一員として正式に認めてもらう場なので、貴族にとってとても大事なものです。
そのため、学園がない間に行う、と決まっているのです。
そこで金月に上級貴族のお披露目パーティーを、無月に下級貴族のお披露目パーティーを行うのです」
なるほど……。確かに辺境伯は上級貴族で、子爵は下級貴族だ。それにしてもそんな決まりがあったんだね。
「じゃあ、次はこの家のこと!」
「この家、カーボ辺境伯のことですね」
少し待ってください、というとボスアン先生が持ってきたものよりも範囲が狭い地図を広げた。
「ここ、カーボ辺境伯領は名の通りアルフェスラン王国の辺境、隣国ツーラルク皇国の隣に位置しています。
そして、日常的に隣国との小競り合いが起こっている土地でもあります。
そのため、ここでは国内で唯一、特別に私設、辺境伯だけの騎士団を持つことが国王より許されているのです」
私設、は前にも聞いたね。なるほど、特別なことなんだね。それよりも、小競り合いってそんなにおこっているんだ……。
「広い土地を陛下より任されている辺境伯爵は、領都のほかに二つの土地を持っています。
それがマラベシド子爵領、リュクア子爵領です。
治めているのがマラベシド子爵シュベリズ様とリュクア子爵ルベルダ様です。
イシュン様やカーディア様のお父上方ですね」
ふむふむ。なんとなくわかったような気がする!
「これ以上はまた後程お教えしますね。
ひとまず休憩いたしましょう」
休憩! 紅茶と一緒にカップケーキまでついている。
「いいの⁉」
「今日は特別です。
どうぞ」
やった! 思わず顔が緩んでいるのはわかっているけれど仕方ないよね。うん、おいしい。か、かわいい、とか聞こえるけれど無視の方向で。
まずい。頭を使って、おいしいもの食べたら急に眠気が……。今日は朝も早かった、し。
「少しおやすみください」
きっとうとうとしていたのがばれたのだ。布団に運ばれて寝かしつけられてしまうと、もうあらがえません。なんだか悔しいけれど仕方ない、よね?




