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結局過激な労働運動を提唱する電気労連以下4団体ほどは小会議室を退出していく事になったが、ほとんどの団体には今後の組合運営についてはっきりした意図を持って展開していく自信を持っていなかった為、先ずは話を聞いてみると言う態度で様子を伺うと言う日和見的な労働組合がほとんどであった。
「ご紹介に預かりました、健吾・清水です。現在アメリカ史上最大の労働組合黄金の時代が到来しておりましたが、それは大恐慌と世界大戦によって作られた歴史的ポケットに入っていた特殊な要因であり、労働組合の能力によって作られたものではありません。
その為緊急事態が終了した現段階において、政治を主導する権力を持った勢力によって急速に台頭してきた労働勢力の伸長を抑える必要が生じ、「タフトハーレー法」が議決された流れとなります。
今後労働ストライキには、世論を背景とした批判勢力の形成が速やかに作られ、中止命令が迅速な形で出された場合、対抗する手段がないのが現状です。これでは経営側の一方的主張が通ってしまう条件が揃ってしまうことになりかねません。
その為に労働組合は会社に対する発言権にある程度の力を持つ必要があります。それを可能にするには、まず会社の経営状態をきちんと把握していることが何よりも肝心となります。経営の傾いている会社に無理を強いれば倒産することが明白です。
それであれば組合員をいち早く避難させることが組合としての正しい選択ではありませんか。
経営が順調で利益を上げている会社に対しては、労働者に対する利益ボーナス提示して、妥当な還元を要求することだけでなく、会社に対する発言力の強化のために、組合基金からの株式取得を継続的に行っていくことで、圧力を強めていく方法もできます。
さらに労働組合を有機的につなぎ企業を起こし、組合員の利益と利便性を確保しながら、利益を上げられる体制を創造していきます。西海岸でモデルとなる企業を立ち上げ、労働組合員の利益を確保し、出資した労働組合に確かな還元と将来的発展を形作る事が確認でき次第、各労働組合に事業参加の連絡をさせていただきます。
また、金融部門の強化のために労働組合専門の金融機関を立ち上げ、より高度な資金運用を可能にすることを目指します。
闘争に明け暮れて、企業体力を低下させ新興企業にとって代わられるバカな労働組合を目指すか、経営の内容をすべて把握して、新しい戦略を提示したり、経営陣の瑕疵を指摘して是正させるなどの株主からの信頼を取り付ける事の出来る労働組合が新しい労働組合の目標となります。
つまり、いつでも経営陣を全て飛ばしても企業をより発展させる能力のある組合執行部を養成する。能力のある組合幹部はスーパーアメリカンドリームを掴むことが出来る体制を作り上げる。
組合に利益をもたらし、発展させることの出来る人間は人種・性別を問わない完全能力主義の職種を特別職として作る。
共産主義のような仮面平等独裁主義の闘争方針は百害あって一利なしであること表明し、合理的資本の論理で経営陣と対決していく姿勢を示すことによって、企業は場合にあっては沈むことはあるけれど、労働組合は沈むことが無い船である事を標榜すれば、組合参加者の確保は心配いらないし、組合に任せていれば自分の資産が知らない間に膨れ上がっていたとの実績を示せば、文句なしに企業では無く労働組合こそが頼りになる組織であるとの信頼を得ることが出来る。」
そう俺が言った後、会場中から一斉の拍手が沸き上がったのであった。




