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「美味しいですねー。これだけ繊細なサービスをしてくれるレストランも珍しいンじゃないンですか?」と俺。
「はい。この空間は実に日本とアメリカをうまく組み合わせて、繊細なバランスの上で作られ、アメリカ白人の教養ある上流階級を上手に取り組むことによって今回の大戦であっても唯一と言っていいほどの生き残りを果たすことが出来た理由だと思います。しかも冷房設備まで整えられている程の上質な室内設備を完備させるほどしっかりした資金の裏付けを持って運営が行われていると思います。」
青木社長が感慨深く感想を話すと、
「割合白人の客が多く感じたのもそう言った理由によるものですか。」と松川さん。
「でも、私このお店に始めて来た。お母さんに言ってやろ!記念日くらいはこのお店に来ても良かったンじゃないの?って」
とメイベルが情け容赦なく発言すると、青木社長が
「メイベル違うよ!お父さんも初めてなんだ。ダイナーの10倍近く料金がかかると言う話だから。我々庶民では手の届かない空間なんだよ。」
慌てて弁明に入った。
「それじぁ私のお給料なんか直ぐにふっ飛んじゃうじゃない!」
メイベルが目を回して驚くと、
「だからこそ生き残れたのかもしれませんね。」
と俺が話を締めておいた。
「ところで、今回の初来訪は自動車労連の方の要請だとか?」
と青木社長。
「ええ、自動車労連のカーター代表から今後の労働組合の方向をどうするかを設計する方法を教えに来たという次第です。」と俺。
目の前のとき卵に絡めた肉をほおばりながら、
「現在、6月に成立したタフトハーレー法によって、労働組合が常套手段として行ってきたゼネストなどの大規模なストライキが議会の中止勧告により解散させられることになって、どうやって経営者側と交渉していけばいいのか頭を抱えているだけでなく、共産主義者の烙印を押す為の冤罪迄付けられる事態に組合側の幹部も追い詰められている現状があります。」肉の旨味を噛み締めた後、そう言った。
「今の議会は戦争を遂行して来た産業界や軍事関連の人間が多数いる為に、法律をないがしろにしても自分たちの正義(利益)が通ればそれで何の問題もないと考える人間の行動原理が通ってしまう。
皮肉なことに、こう言った行動は共産主義者トップと何ら変わらない。まぁスタルヒンなんかになると人間の価値など1ドルあるのか無いのか、分からないくらい酷い物ですが、そこまでは行って無いですが。
ただこのアメリカを人の視線の行きつかない所で、ある程度自由に動かしている人間が何人もいるということは、国として成立している現在では動かすことの出来ない事実であると見ています。」
「国として意思決定は様々な利益要因の代表者が決めていく事実ですね。これは余人に知れるとスムーズな意思遂行の妨げになる為、カムフラージュを含めて全くの一般人視覚外で決められることが通例です。その工程を遮ろうとした者には、合法、非合法を問わずあらゆる手段で排除する機関がどの国にも存在しています。我々日系人など箒で掃き出すホコリほどの容易さで排除されるでしょう。」
と松川さんがマッシュルームを箸で突き刺しながら言ってから、美味しそうに食べた。




