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満足のランチの後トガワ、タナカ両氏と別れて車両に戻ってから松川さんが
「東京ローズのアイバ・戸栗さんには近づかない方がいいです。彼女はアメリカの人種差別主義者から目の敵にされています。下手にかかわると大やけどをする恐れが大いにあると言わざる得ません。」
普段はめったなことでは俺に対して諫言する事のない松川さんの言葉である。
「そのことについては、直接かかわると皆の一生が全て棒に振りかねない危険性があると考えている。だからアメリカの力に直接さらされないような解決策を助言して受け入れた場合、受け入れなかった場合の将来を提示するだけのことだけしようと思っている。
人それぞれ持っている運命があり、その運命を無策で受け入れる人がほとんどだから、後悔だけはしない気持ちで決断を下せば、それで気持ちの整理が付けやすいだろ?」
「分かりました。直接の援助でなければ影響はそれほどないかもしれませんから、私としても反対はしません。ただ大将は余計なことに首を突っ込み過ぎだと釘は刺しておきます。こっちの神経が持たなくなりますので!」と松川さん。
その後、英文が堪能であるのと他の特技があれば、大田村商事で臨時職員として雇用する事は可能かという事を検討してもらったところ、アルバイトのような位置づけで一枚ダミーを噛ませれば言い訳も立つということで渋々松川さんに納得してもらった。恐らく相当困窮している可能性もあったので、迅速と慎重さで手配してもらうように手紙をしたためている間に、夕食の予約を取りにチャイム・ボーイが顔を出したため、本日のディナーの予約時間として午後5時から8時半までの時間帯の午後5時に予約を入れ、本日のメインとして焼き立てのホワイトフィッシュ五大湖産85セント(約1700円)のコース料理にした。
セットとしてコーンスープ、レタスサラダ、季節の温野菜とマッシュポテト、焼き立てのロールパン、バニラアイス、コーヒーが入っている。飲み物やデザートは違う物にも出来る。
ウェイターの足運びも揺れている列車を感じさせないような安定性で次々に持って来る姿を思い浮かべながら予約を完了した。
早い時間は、酔い客に絡まれないように真っ先に行って、速攻で食って帰って来るという安全を重視した選考なのである。
ところが、今日の相席はいかにもアメリカ美人と言えばいいのか、マリリン・モンローを彷彿とさせるようなご婦人方で、ちょっと緊張してしまいました。
ただ、ふっとした匂いが気になって
「もしや、「スカウト」に乗り合わせているクーリエ・ナースの方ですか?」と俺が尋ねると
「あら、着替えて来たのに良く分かったわね。」と深い青色の瞳を俺に見据えて少し年上の女性が答えた。
「ちょっと独特の消毒液の匂いが鼻先をかすめて行ったものですから、「スカウト」にいる有名な正規看護師資格を持つクーリエ・ナースの人じゃないかと思ったもので。」
「犬みたいに鼻が利くのね。」と若い方のナースが言うと、
「ジェーン!謝りなさい。お客様を揶揄してはいけません。」と




