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カナリアさんの秘密のお部屋  作者: クロ
第五章 学園編
81/83

日常 3

遅くなりました!

ざわざわと校舎前が騒がしい。

その騒ぎの中心にあるのは試験の結果と、順位の反映である。


試験最終日から三日経った朝、ルドウィグと共に登校し、大きな白い紙を見上げる。

たくさんの名前が並ぶ中、一番上に描かれた名は。


アランディーノ・フランシーヌ。

苗字は偽だか。


得点:660/600

その得点を見て、余計なことをしたと後悔した。

全教科、時間が余ったので付け加えをしたら、加点されてしまった。

加点の最高得点は一教科につき10点。

つまり、全教科で加点されたと言うことになる。

しかも、その加点点数は最高点の10点。


「僕は2位か。」


ルドウィグが呟いた声がして、一段下を見ると、ルドウィグの名前があった。

結果、617/600


……まあ、流石だ。


本人はケロリとしているけれど、脅威の点数を叩き出したのは周りの反応を見ればわかる。

次にロアナの名前を探すと、すぐに見つかった。

ヴァロアナ・フランシーヌ

結果 616/600

結果、3位。


ルドウィグとはたった一点差だ。

ロアナの姿を探し、表情を見てクスリと笑ってしまった。

驚くほど無表情だが、その瞳に滲むのは悔しさと競争心だ。

ロアナはああ見えて負けず嫌いである。


「アランは満点、か。流石だな。…おめでとう。」


ルドウィグがぽん、と僕の肩に手を置く。

身長がだいたい同じなので、いつも目線は一緒だ。

何故だか、この温もりが心地好い。

当たり前にある様で尊い、と姫様はよくおっしゃっていたが、その本当の意味が今わかった。

君と共に過ごしているうちに、僕の中で君は大切な存在になっているらしい。


「…ありがとう。」


無意識に微笑みが浮かぶ。

その表情は、アランの中でも柔らかな表情だった。


***


学園長は学年順位をみて驚を隠せずにいた。

なんなのだ、この点数は。

過去の生徒でもこれほど優秀な者は見たことがない。

600点の満点を超え、全教科にある加点の60までも手に入れるとは。


学園長がごくりと息を呑んだ。

すると、扉がノックされる。


「学園長。お話が。」


「入れ。」


学園長の許可を得て、複数の教師たちが入室する。

入ってきたのは三人の教師。

魔法学、数学、国語の教師たち。

理系と文系というなかなかない面子に不思議に思いながらも、学園長は尋ねた。


「なにかあったのか。」


「…それがですねーー


魔法学の教師が口を開いた。

彼は今回、化学の担当をしている。

今回の試験では魔法は化学に分類されており、彼が試験内容を作った。




【魔法は奇跡である。

その奇跡で奇跡を起こせ。】




それが魔法における暗黙の了解であった。

魔法による奇跡は歴史の軌跡を刻み、世界を発展させる。

魔法とは我々の生活の中で欠かせない現象であり、その発動時間や魔力消費量が

そして。



「あまりにも、完璧すぎるのです。この様な美しい魔法は見たことがない。この兄妹達は何者なのですか?一体、どこでこのような…」


魔法教師は興奮しながらそう捲し立てた。

頬は上気してしている。

次に口を開いたのは数学の教師だ。


「こちらも、美しいのです。複雑な計算をなんとも簡潔な式で表した。私でもこれに気づくことはなかったのです。一体、誰が…」


学園長は手元の解答用紙4枚を手に取る。

アランディーノもヴァロアナも解答は似ているようで少し違う。

だが確実に、同じ線を通って論理づけられた事柄が並んでいた。


「………」


再び、息を呑む。

そして、最後に。


「学園長。こちらを。」


国語の教師である女性の教師が差し出した紙の束。

そこには、2人分の論文が書かれていた。

そして、もう1人。


「前回の課題で、論文を提出しろという課題を出したのですが、この三人の論文に、是非ともお目通しをと。」


「わかった。」


学園長は紙束を受け取り、目を通していく。

数分の沈黙の後。


「なんだ、これは。」


学園長は呆然と呟いた。

先ほどから口が開きっぱなしである。

そして、白髭が面白げに揺れた。

そして。


「ふ、はは、はっはっはっは!」


笑い声をあげて笑い出した学園長に、教師陣はぽかんとする。

厳粛な雰囲気を常に纏っている学園長が急に笑い出したら、そうなるだろう。


「が、学園長?」


数学の教師が学園長に声をかける。

気が狂ったのかと錯覚するほど笑い転げる学園長を見て、若干引いたのは教師の目が語っていた。


「はっは……いやはやすまない。予想外だ。実に面白い。」


学園長は息を整えると、挑発的な笑みを浮かべた。


「素晴らしい人材だな。」


学園長は、流石第二皇女様が推薦した人材だ、とも思った。


学園長は、教師を退出させると、数週間前のことを脳内に描く。


今思えば、とんでもない手紙が届いたものだ


***



一旦ここで切ります。

あまりにも執筆の手が遅すぎるので…

次の更新、なるべく早くできるよう頑張りますᕦ(ò_óˇ)ᕤ

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