日常 3
遅くなりました!
ざわざわと校舎前が騒がしい。
その騒ぎの中心にあるのは試験の結果と、順位の反映である。
試験最終日から三日経った朝、ルドウィグと共に登校し、大きな白い紙を見上げる。
たくさんの名前が並ぶ中、一番上に描かれた名は。
アランディーノ・フランシーヌ。
苗字は偽だか。
得点:660/600
その得点を見て、余計なことをしたと後悔した。
全教科、時間が余ったので付け加えをしたら、加点されてしまった。
加点の最高得点は一教科につき10点。
つまり、全教科で加点されたと言うことになる。
しかも、その加点点数は最高点の10点。
「僕は2位か。」
ルドウィグが呟いた声がして、一段下を見ると、ルドウィグの名前があった。
結果、617/600
……まあ、流石だ。
本人はケロリとしているけれど、脅威の点数を叩き出したのは周りの反応を見ればわかる。
次にロアナの名前を探すと、すぐに見つかった。
ヴァロアナ・フランシーヌ
結果 616/600
結果、3位。
ルドウィグとはたった一点差だ。
ロアナの姿を探し、表情を見てクスリと笑ってしまった。
驚くほど無表情だが、その瞳に滲むのは悔しさと競争心だ。
ロアナはああ見えて負けず嫌いである。
「アランは満点、か。流石だな。…おめでとう。」
ルドウィグがぽん、と僕の肩に手を置く。
身長がだいたい同じなので、いつも目線は一緒だ。
何故だか、この温もりが心地好い。
当たり前にある様で尊い、と姫様はよくおっしゃっていたが、その本当の意味が今わかった。
君と共に過ごしているうちに、僕の中で君は大切な存在になっているらしい。
「…ありがとう。」
無意識に微笑みが浮かぶ。
その表情は、アランの中でも柔らかな表情だった。
***
学園長は学年順位をみて驚を隠せずにいた。
なんなのだ、この点数は。
過去の生徒でもこれほど優秀な者は見たことがない。
600点の満点を超え、全教科にある加点の60までも手に入れるとは。
学園長がごくりと息を呑んだ。
すると、扉がノックされる。
「学園長。お話が。」
「入れ。」
学園長の許可を得て、複数の教師たちが入室する。
入ってきたのは三人の教師。
魔法学、数学、国語の教師たち。
理系と文系というなかなかない面子に不思議に思いながらも、学園長は尋ねた。
「なにかあったのか。」
「…それがですねーー
魔法学の教師が口を開いた。
彼は今回、化学の担当をしている。
今回の試験では魔法は化学に分類されており、彼が試験内容を作った。
【魔法は奇跡である。
その奇跡で奇跡を起こせ。】
それが魔法における暗黙の了解であった。
魔法による奇跡は歴史の軌跡を刻み、世界を発展させる。
魔法とは我々の生活の中で欠かせない現象であり、その発動時間や魔力消費量が
そして。
「あまりにも、完璧すぎるのです。この様な美しい魔法は見たことがない。この兄妹達は何者なのですか?一体、どこでこのような…」
魔法教師は興奮しながらそう捲し立てた。
頬は上気してしている。
次に口を開いたのは数学の教師だ。
「こちらも、美しいのです。複雑な計算をなんとも簡潔な式で表した。私でもこれに気づくことはなかったのです。一体、誰が…」
学園長は手元の解答用紙4枚を手に取る。
アランディーノもヴァロアナも解答は似ているようで少し違う。
だが確実に、同じ線を通って論理づけられた事柄が並んでいた。
「………」
再び、息を呑む。
そして、最後に。
「学園長。こちらを。」
国語の教師である女性の教師が差し出した紙の束。
そこには、2人分の論文が書かれていた。
そして、もう1人。
「前回の課題で、論文を提出しろという課題を出したのですが、この三人の論文に、是非ともお目通しをと。」
「わかった。」
学園長は紙束を受け取り、目を通していく。
数分の沈黙の後。
「なんだ、これは。」
学園長は呆然と呟いた。
先ほどから口が開きっぱなしである。
そして、白髭が面白げに揺れた。
そして。
「ふ、はは、はっはっはっは!」
笑い声をあげて笑い出した学園長に、教師陣はぽかんとする。
厳粛な雰囲気を常に纏っている学園長が急に笑い出したら、そうなるだろう。
「が、学園長?」
数学の教師が学園長に声をかける。
気が狂ったのかと錯覚するほど笑い転げる学園長を見て、若干引いたのは教師の目が語っていた。
「はっは……いやはやすまない。予想外だ。実に面白い。」
学園長は息を整えると、挑発的な笑みを浮かべた。
「素晴らしい人材だな。」
学園長は、流石第二皇女様が推薦した人材だ、とも思った。
学園長は、教師を退出させると、数週間前のことを脳内に描く。
今思えば、とんでもない手紙が届いたものだ
***
一旦ここで切ります。
あまりにも執筆の手が遅すぎるので…
次の更新、なるべく早くできるよう頑張りますᕦ(ò_óˇ)ᕤ




