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カナリアさんの秘密のお部屋  作者: クロ
第五章 学園編
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短いです。

紺色の髪が揺れる。

長いそれは美しく、白い回廊に映えた。

教師しか着ることのできない青いローブを翻し、その人は教室へ入った。


「初めまして。今日からみなさんの魔法授業を担当します。ローリア・ルイスリーゼです。」


自己紹介をして美しく笑ったその人は魔法を見せた。

高等科2年の生徒たちはその技術に目を向く。


「綺麗でしょう?貴方達もこれができるようになるわ。これは水と炎の複合魔法。この一年の知識でできることなのよ。」


ローリアは魔法を消すと、髪色より明るい紺の瞳を細めた。

その瞳に映るのは、期待か、挑戦か。


どちらであっても、生徒達の競争心を燃やしたのに変わりはないだろう。


こうして、学園に入った新たな教師の日常が始まるのだ。


***


「お疲れ様でした。」


彼女は教師陣の部屋を出て、門を潜り抜けた。

彼女の歩みは1人の人物に進んでいく。


「ローリア先生、お疲れ様。」


男がそう声をかけた。

ローリアの頬が緩む。


差し出された手に彼女は自分のそれを重ねた。

その瞬間、彼女の姿が変化する。

紺色の艶やかな髪は銀髪に。

紺より明るい瞳は琥珀と新緑に。


「ええ。ロベルトもお疲れ様。」


美しく笑った彼女……カナリアは、ローリアと瓜二つの笑い方をした。

いや、瓜二つではない。

本人なのだから。


生徒達に、第二皇女が教師として紛れているなんて悟られてはいけない。

姿を解く時も、ロベルトが自分のローブでカナリアを隠し、今もその状況は続いている。隠すのが遅れたとしても、ロベルトが張った認識阻害の結界の前ではどの視線も無意味だ。

まあ、ロベルトが隠し忘れる、なんてことはないだろうが。


「ふふっ、これからの生活が楽しみ!」


カナリアは笑った。

星の光を全てかき集めたような眩しい笑顔で。

夕日が2人の影を伸ばす。


それは寄り添うあう猫のように、温かい色をしていた。


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