ニンナ
「ええっと、あたしはおっぱい出ません。ごめんなさい。」
少し怯えた様子で犬耳の子が謝ってくる。そうだよな、普通そうだよな。
胸張ってるから、奴隷におっぱい絞ってくれって。新しい主人にいきなりそんなこと頼まれるなんか思わないよな・・・。
出なくてもいいなら・・・と言って脱ごうとするので、遮るように言う。
「・・・その・・・こっち。」
自分の胸を指して言う。自分で搾れと言っといて、いざこう繰り返していうとなんか更に恥ずかしい。
そう言うと意図を理解したのか、犬耳の子がこちらへ来た。
「えっと。ナオ様、でよろしいでしょうか?」
名前を確認してきた。ノエラとの会話を聴いていたのだろう。
ていうか勝手にコミュ障仲間だと思ってたけど、普通に喋れるんだな・・・ちょっと裏切られたような気分だ。
いや助かったからよかったんだけどね、ホント。それについては本当に何よりだ。
「・・・ナオでいい。」
「いえあたしは奴隷ですので、流石に呼び捨てにはできません。ナオ様でお名前をお間違えしていないようでよかったです。」
「・・・君は、その。」
「あたしから名乗るべきでした、ムーベ・ニンナです。妹達もいるのでニンナとお呼びください。」
そう言えばあの男も途中でニンナとか言ってた気がする。ていうかむしろこの子コミュ障どころか、普通にガンガン喋れる子なんじゃ・・・。
あと姉妹もいたんだね。勝手に逃げ場がないとか妄想してたよ・・・ごめん。
そうだよね、一緒に働いてる人くらい他にもいるよね・・・孤独だとか逃げ場がどうとか、脳内で勝手に暴走していたのが恥ずかしくなってくる。
「わかりました。多分人が来ないとは思いますが、少し影に移動しましょう。」
そう言ってニンナが岩の方を指す、影の方へ行こうということなのか。
確かに人は全くいないみたいだったが、もし見られても恥ずかしいのでそちらへ向かって歩いた。
ニンナは後ろを歩いていた。ふと歩いてる途中、ニンナが喋りかけてくる。
「・・・それと、本当にありがとうございました。遅くなってごめんなさい。でもナオ様がなんていうか、凄くいい人みたいで良かったです。」
「・・・いや、別に。」
正直照れる。
というか自分が勝手に仲間意識感じて、妄想で助けただけだったのに。
「いえ。本当に、ありがとうございました。それではナオ様のお乳をお搾りさせていただきます。」
それ言うのやめて!なんかすごい恥ずかしい!
そんなことを考えつつも、ニンナに服を脱がされるままだった。
――――
「・・・んっ。も、もういい。」
少し荒い息でニンナに言う。胸がスッキリしていた。大体の詰まっていた母乳が出て、本当に楽になった。
ニンナの方が、昨日のノエラよりも胸のマッサージが上手い気がする。
現実に自分がこのような身体になったのは、正直言って屈辱的だった。でも今だけはそう悪い気分でもなかった。
「はい。」
ニンナは頷いてすぐ指圧マッサージを辞める。自分の服で、濡れた胸を拭き取ってくれた。
それがあらかた終わると、ニンナは母乳を搾り終えた指を舐め始める。
「・・・指、臭くない?」
「え?・・・あはは、大丈夫ですよ!絶対大丈夫!」
ちょっとした質問をすると、何が面白いのかニンナは大笑いし始めた。
しばらく笑ったまま止まらない。ツボるような要素あったか・・・?
「ナオ様ってめちゃくちゃ強いですけど、意外と面白い方なんですね。」
未だにニンナは笑い続けている。え、どこら辺が面白いのだ。わりとマジでわからない。
自分ほどつまらない人間って現実、異世界両方合わせてもいるのか?というレベルなのだが。
「・・・あんまり、喋らないし。」
「いやそうですけど。だって臭いって、そんなの指洗うだけじゃないですか!・・・あははは!本当におかしい!あはは・・・」
ニーナが爆笑する。うーん笑いのツボがよくわからない。
笑い続けている中、ニーナは突然ふと落ち着き始め、泣きそうな調子で喋り始める。
「こんな笑ったの本当に久しぶりで・・・本当に・・・うん・・・。」
「・・・大丈夫。」
なんとなくニンナの頭を撫でたくなったので撫でていた。
「あたしお姉ちゃんだから・・・妹達を守らなきゃって。何度もトランス、あの男に使わされて。でもそれでも、もうダメってなってて・・・それで、ナオ様が来てくれて・・・」
「・・・」
無言で頭を撫で続けていたが、よく考えれば髪が乱れるとかで嫌がるかもしれない。
ノエラがやったように背中を撫でることにする。さすさす。
「ホントにナオ様いてくれなかったら、あたし・・・」
ニンナが俺の胸に強く顔をうずめて泣く。余裕で顔を谷間に挟める自分の胸の大きさにビビる。
あれか、これは国民的RPGのぱふぱふとか言うのと同じなのだろうか。
そんなことを考えていると、大地をドスドスと叩く音が近づいてきた。ドラコヴォだ。
「あ、ナオそんな所にいたんだ!マーザさんは残念ながら捕まえられなかったよ・・・」
ノエラが叫びながら戻ってくる。自分の胸は丸出しのままだった。
うわ恥ずかしい、ノエラでまだよかったとも言えるけれど。他だったら露出狂扱いを避けられなかっただろう。
うーんでもやっぱりノエラにしても、ほぼ初対面の女の子に母乳を搾らせてるとなるとどうなのだろう。
そんな自分の戸惑いとは無縁に、ノエラが語り続ける。
「でもねっ!ナオ!私凄いことに気付いたんだよっ!」




