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出会って即ミルク

「おー!なんか耳生えてるっ!」


ノエラが叫ぶ。それを聞いた男は慌てた様子で頭に手をやる。頭の上を手で探ると、新しい耳に触れる。

男はその信じられない、いや信じたくないのだろう。頭を掻きむしるが、その間にも新しい耳は大きくなっていく。

耳が大きくなるのが止まった頃に、今度は髪が伸びてくる。男は更に慌てた調子で頭を掻くが、勢いは全く止まらない。


パニックになっている男の顔つきにも変化は及んでいた。さっきと比べてどこか丸く柔和な雰囲気を出している。

見ている間にも、目が茶色のくりくりとしたものへと変わった。まつげも伸びる。生気の感じられない雰囲気が、どこか人懐こそうな印象になっていく。

その間も身体は縮み続ける。

服がぶかぶかになっていくが、その一方で胸元はほのかな膨らみを示していた。腰の骨格も少しだけ広がっているように見える。

見た目は完全に小柄な獣人の少女だった。自分よりも小さい。装備していたグローブはいつの間にか消滅していた。


「なんだこれは・・・」


男は変化が終わったのか、立ち上がろうとする。もう元男ではあるが。すると突然顔を赤く染めた。

ふと腰を見ると、尻尾が生え始めていた。まだ変化が終わっていなかったのか。

目を閉じて、必死に耐えるように尻の部分に手をやる。しかし完全な無駄だ。尻尾の成長は止まらない。

しばらくして尻尾が伸びきったのか、成長が止まる。そのことに元男も気付いたのだろう。全身から力が抜けたように座り込んでいた。

その座り方もいわゆる女の子座りという奴である。ていうか元男元男連呼してるけど自分もそうだったな。


「馬鹿な・・・どうしてこのようなことに・・・」


元男の虎耳の少女が泣きそうな声で呟いた。横にいるノエラは対照的に目を輝かせている。いつの間に近づいてたんだ。

ノエラは息も荒く明らかに興奮しており、少し場違いな調子で語り始める。


「あのタイガー・パンチってのが古代魔法具だったみたいだねっ!凄いよっ!話には聞いてたけど初めて古代魔法具の発動見たよっ!」


「あれは加速の補助効果のはず・・・なぜ・・・何故だ・・・」


元男がちょっと引いた様子で言う。そりゃ今まで使ってた武器でいきなりTSしたら驚くだろう。

しかも自分が今まで散々な扱いをしてきたのと同じ獣人の少女なのだ。それはもう困惑を通り越して、絶望するのではないだろうか。


「古代魔法具はそういう風に他の効果も同時に付与されてるのも多いらしいのっ。でもねなんと言ってもその真価は固有スキルの書き換えっ!」


ノエラが熱く語り始める。なんかノエラがオタクっぽく見えてきた。

いや俺もオタクだけどさ。単にサブカルというかオタクジャンルをやってるだけなので・・・。


「生まれ持った種族とか体質、才能みたいな生来のスキルの書き換えって、現代の魔法具では絶対出来ないの。まさに今の獣人化はその書き換えっ!

あの光の時点で普通の魔法具じゃないと思ってたけど、まさか本当に古代魔法具だなんて思いもしなかった・・・凄い、凄いよホントっ。」


「古代魔法具って最低でも十数年、長いと百年以上起動に時間掛かったりするのに・・・まさか起動するのをこの年で見れるとは思わなかった!

消滅しちゃったのは本気で惜しいんだけどね・・・そうだマーザさん、今からその身体を調べさせてもらっていいかな?私はステータス解析スキルないからこれから教会に・・・。」


ノエラの勢いに驚いたのか、元男の獣人は走って逃げてしまった。結構早い。

元々加速スキルがあったのと、虎の獣人だからなのだろうか。ノエラも追いかけて走り始めたが多分勝てないだろう。

あれいつの間にか大トカゲ、いやドラコヴォに乗ってるぞ。

・・・できれば早く戻ってきて欲しい、まだ仕事あるし。


取り残されてふと後ろを振り返る。困った顔をして立っている犬耳の少女がいた。

そういえば二人きりか・・・うわあどうしよう。ノエラがいたらそっちにコミュニケーションしといて貰えたのに。


「あの、あたし、どうしたら。」


犬耳の少女がこちらに向かって言う。ちゃんと喋るのを初めて聞いた。声は少しかすれていた。

どうしよう。自分も奴隷として譲って貰うとは言ったけど、あんまり考えてなかったぞ・・・。

無責任すぎないか?いや流石にあの男の所にいたら死んでたと思うんだが。でもこのまま何もしないと、見捨てたように思われないか・・・?

とりあえずなんかアクション起こさないと。そうだ折角だしあれをお願いしよう。


「・・・あの、よかったら。」


少女が緊張した面持ちでこちらを見る。そうか新しい主人の命令なのだ。

向こうとしてもこちらがどんな命令をする人間なのか、把握しておきたいのだろう。


「・・・おっぱい、絞って。」


「・・・え?」


ごめんなさいずっと張ってたんです・・・人も回りにいないし。勢いで頼んでみたら自分が恥ずかしくなってきた。

いや別に自分でもできそうだけど、ちゃんとやったことないし。他人の母乳絞ったことある人のほうが少ないか・・・。

考えてみるとほぼ初対面の少女に何頼んでるんだろう。

いやでもほら。初対面でも肌の接触で親しくなれそうだし。どんなコミュニケーション方法だよ。

虐待してた男をTSしましたが、そういうのをヒロインにする予定は全くないです。

精神的BLとか気にする方は少しでも安心して貰えれば嬉しいです。

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