第6話「初めての進化」
次の獲物は。
巨大な海蛇だった。
【種族:毒牙海蛇】【Lv.21】
「無理だろ……」
正直そう思った。
だが。
俺には魚群がいる。
数の力。
そして。
捕食によって得た能力。
魚群が海蛇を囲む。
海蛇が噛みつく。
魚たちが逃げる。
俺は背後から噛みついた。
毒が身体に入る。
【毒状態】
「ぐっ……!」
だが。
【麻痺耐性が毒素に反応しました】
【状態異常耐性が上昇】
「耐えられる!」
電撃を放つ。
海蛇が痙攣する。
魚群が一斉に突っ込む。
そして。
最後の一撃。
【捕食しました】
【Lv.10 → Lv.15】
【進化条件を達成しました】
【進化先を選択してください】
目の前に光る文字が並んだ。
【ミナミコイワシ上位種】【電鱗魚】【岩鱗魚】【毒鱗魚】
「三つ……」
悩む。
俺は岩甲蟹と毒牙海蛇を食べた。
なら。
どちらも選べる。
しかし。
「これだ」
俺は一つを選択した。
【《電鱗魚》への進化を開始します】
身体が光る。
鱗が変化する。
ヒレが大きくなる。
身体の内部を電気が駆け巡る。
そして。
【進化完了】
【種族:電鱗魚】
【Lv.1】【HP:50】【攻撃力:15】【防御力:13】【魔力:10】
「…………」
レベルは1に戻った。
だが。
「強っ!」
以前の自分とは比べ物にならない。
身体も三センチから十五センチほどになっていた。
そして。
新しいスキル。
【《放電》】
「……これなら」
俺は海中へ電気を放った。
周囲の小魚が一斉に気絶した。
「…………」
魚群が俺を見る。
「あっ……ごめん」
その日。
俺は初めて。
自分が捕食者側になったことを実感した。




