第3話「弱肉強食」
巨大魚から逃げて三日。
俺は海底近くで暮らしていた。
食べられるものを探しては食べる。
危険を感じれば岩陰に隠れる。
眠るときは狭い穴に入る。
そんな生活だった。
【Lv.5】
【HP:16】【攻撃力:4】【防御力:5】
少しずつ強くなっている。
だが。
「……腹減った」
問題があった。
小魚の身体は、とにかく腹が減る。
いくら食べても満腹にならない。
そこで俺は、海底を探し回った。
すると。
赤い魚がいた。
身体から小さな電気を放っている。
「……電気?」
近づいた瞬間。
バチッ!
「ギョオオオッ!?」
身体が痺れた。
【状態異常:麻痺】
「ふざけんな!」
赤い魚が再び電気を放つ。
俺は逃げた。
だが、逃げながら考える。
あれを食べたら。
俺も電気を使えるんじゃないか?
危険だ。
けれど、魅力的すぎる。
「……やる」
俺は岩陰に隠れた。
赤い魚が近づいてくる。
そして電撃を放つ直前――
俺は全力で突っ込んだ。
噛みつく。
赤い魚の身体が暴れる。
電撃が身体を駆け巡る。
「ぐっ……!」
それでも離さない。
そして。
最後の一噛み。
【捕食しました】
【特殊個体を捕食】
【スキル《微弱電撃》を獲得しました】
【スキル《麻痺耐性》を獲得しました】
「…………」
俺の身体に、小さな電流が走った。
「やった……!」
初めて、自分から戦って勝った。
しかも。
【Lv.5 → Lv.7】
「俺、強くなってる……」
だが、その直後。
遠くから大量の魚が泳いできた。
数十匹。
いや。
百匹以上。
俺と同じ小魚だった。
「……魚群?」
彼らは一斉に逃げていた。
その後ろから。
巨大な影が迫っていた。
次回もお楽しみに!!




