表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/29

下見偵察とばっちり

「じゃあさ、後は日時と場所、だよな。」


「最も(けが)れた場所ってどこ。新月まではまだ日にちあるし。」



ものすごく曖昧(あいまい)な日時と場所指定に俺たちは困惑していた。



「いや、手紙を残すなら具体的にいつどこでって指定してくれないと!」


「同感よ。こんななぞなぞみたいな言い回しじゃ伝わらないわ。」



手紙には相変わらず新月の夜に(けが)れた場所でと書かれている。



「確定してるのは新月の夜か……次の新月っていつ?」


「今満月に近いから半月後じゃない?」


「新月の夜もなぞなぞだったりして……」


「やめてノクタ!ありえるからやめて!」



ぶっちゃけ生意気な後輩を〆るのに半月も待たないと思うんだよなあ。



「じゃあ確定してるのは夜って時間だけか。」


「それも日没後か日の出前かであいまいすぎない?」


「日時不明、場所不明の条件下で()うのって無理じゃね?」


「うーん、とりあえず場所だけでも確定させないと。」


「なにか手がかりでも?」


「聞き込み。すみませーん。」



シンシアは隣のテーブルの男性に声をかけた。



「最も(けが)れた場所って言われて、おじさんは何を思い浮かべる?」



「最も(けが)れた場所か……例えば街外れの旧墓地。」



「それは(けが)れてますね……」



「そうそう。今は使われてない教会の裏にあるぞ。」



使われてない教会!


なるほど、教会は神聖な場所だから使われなくなったら穢れるし……


そもそも黒魔法使いにとっては教会は忌むべき場所なのかもしれない。



「ありがとうございます。」



「情報料にエール一杯おごってくれ。」



「了解します!ノクタ、払って。」



払うのは俺なんだよなあ。まあ銅貨一枚くらいいいんだけど。



「さっそく場所がわかったわ!暗号でもなぞなぞでもないじゃない!」


「地元の人なら一発でわかるレベルみたいだな。」


「じゃあ下見に行くわよ!」


「すみません。その教会ってどこにあるんです?」


「……エール一杯。」



結局銅貨をもう一枚払って場所を教えてもらった。



「ここが……教会跡地。」


「はっきり言って出そう、ね。」



ガチで何かが出そうなボロボロの教会があった。


屋根、若干崩れてる。窓ガラス、割れてる。



内装は……あちこち剥げてる。


木製の椅子、腐ってる。カーペット、これまた腐ってる。


パイプオルガンは……新しい教会に移されたのか、ない。



ただ、広さだけは結構ある。


黒魔法使い同士が戦う場所としては絶好のロケーションだ。



「じゃあついでに裏にある墓地も見に行こー!」


「墓地か、なにか出なきゃいいんだけどな……」



墓地には魔女風の帽子とローブをまとった中年女性がいた。


その女性はこちらを見る。



「げっ!?」



「ででで、出た!」



出た。ラリッタだ。



「い、いや。現地の下見に来てるんだけどお?」



ラリッタは言葉が詰まり気味だ。



「へえ、あらかじめ墓地で戦力を整えていたと。」



俺はラリッタを問い詰める。



「そういうセコい手使ってまで勝ちたい戦いがあるんすか?」



「うるさいわねえ。私が何を使おうと自由でしょう?」



開き直ってる……



「センパイ?場所はここであってるんですかー?」



シンシアが質問ついで(あお)る。



「生意気な小娘が……!私のことは大先輩とお呼び。」



「ダイセンパイ。場所はここであってるんですかー?」



「一応答えてあげるわ、場所はここよ。」



「ダイセンパイ。新月の夜は暗号ですよねー?」



「おバカさんでもその時が来れば気が付く暗号になってるわ……」



「ダイセンパイ。じゃあ私たち帰りまーす。」



「とっととお帰り!」



「……いいのか?アンデッドの軍勢を使う気なんじゃ?」


「だって戦うのが今じゃないならどっちにしても仕込み放題だし……」


「ゾンビやスケルトン使われたら厳しくないか?」


「あ、多分大丈夫だと思う。」



まあ戦う本人が大丈夫と言ってるから大丈夫なんだろう。



「問題があるとすれば……」


「あるとすれば?」


「あの仕込みが陽動かもしれないから。そこは気を付けないと。」


「全ての黒魔法を習得した相手だもんな。」


「まったく知らない魔法の中に初見殺しがあったら危ないのよね。」



確かに……対するこちらのカードは……



「呪言について学んだところでって感じだよな……」


「それについては耳寄りな情報があるわ。」


「へえ、どんな?」


「黒魔法使いに対して、YESととられる返答をしちゃいけないみたい。」


「なんでなんだろうな。」


「いろんな黒魔法が適用可能になっちゃうみたい。」


「うーん、難しいな……」


「まあ魔法だし、不思議よね。」


「でもさ……思ったんだけど……」


「なあに?」


「これから戦う相手とばったり会っちゃうのは気まずくね?」


「思った、思った!本当に勘弁してほしかったわ!」



気まずいよね……あんな手紙を寄こしたうえで……

次回 vsラリッタ① です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ