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無限の黒

「よし、次!」



俺たちはラリッタの軍勢のスケルトンを手あたり次第つぶしてた。


数は多いが質があまりにも低い。この程度か。



「囲まれないように気を付けて!」



この程度だが……


頭を潰しても10秒足らずで復活してくるのは反則だろ!?


正直キリがないんだよなあ。



「さあて、場もあったまってきたわねえ……」



ラリッタは相変わらず余裕の笑みを浮かべている。


奴の背後から、ヨロイをまとった騎士があらわれた!



「こいつは特別製よ……"死体(したい)強化(きょうか)"!」



ウソだろ!?入り口にいた衛兵だ!


衛兵だったそのヨロイから黒いオーラが漏れる



「さあ、遊んでやりなさい!」



ラリッタは命令だけ下すとどこかへ歩き出した。



「いけない!ラリッタを追いかけて!」



「!?戦力を分断させて大丈夫か!?」



「奴は階下の冒険者を使い魔にする予定よ!」


「ナラザスに殺された人たちを手あたり次第に!」


「お願い、せめてそれだけは阻止して!」


「……」(ここは任せた、とサムズアップ)



「わかった!」


「一応私も行くけど……アテにはしないでね。」



シンシアと共にラリッタを追いかける。



「あら?ずいぶん元気な男の子がいるわねえ。」



「ラリッタ……進むなら俺を倒してからにするんだな……」



冒険者をアンデッドにはさせない。


死体を(はずかし)めるマネはやめろ。



「お前も正義感で動くの?アタシの言ってることわかる?」



「いいや、さっぱりわからないな。」



「アハハ、じゃあ質問を変えようか!」



「問答無用!」



術士の弱点は……近接戦闘だ!


鈍器は剣と違って刃先を考えなくていいのは助かる……な!



「戦士ってのはせっかちさんが多いのねえ!」



「黙れ!詠唱はさせない。」



ラリッタは所持している杖で応戦してくる。


こちらは鈍器だが、術士用にずいぶん軽いカスタマイズがなされている



「アハハ、軽いわ。軽いわねえ。そう思わないかい?」



「お前ごときこれくらいが丁度いい。」



しかしこれではらちが明かないな……


ラリッタも近接戦闘に対して最低限の心得はあるみたいだし。



「ノクタ、遊んでないで早く終わらせるのよ。」


「いやそんなこと言われてもな!?」


「向こうも多分苦戦してるだろうし、ここはさっさとケリつけましょ。」


「なにか策がある!?」


「ある。魔力もちょっと回復したから。武器を寄こしなさい。」



俺は黙ってシンシアに武器を手渡す。



「行くわよノクタ……"死体(したい)強化(きょうか)"」



これは……力がみなぎってくる!


そのまま一気に距離を詰めラリッタの腹部をぶん殴る。



「ぐっ……まさかお前が使い魔だったなんて……」



防御が崩れた顔面にぶちかます!慈悲(じひ)はない!



「ここは引いた方が良さそうねえ。」



同時に周囲が閃光に包まれ、キィンと不快な音が平衡(へいこう)感覚を失わせる。



目と耳が平静を取り戻した時には……


ラリッタの姿はもうなかった。



「逃げられた!?」


「そのようね……向こうに合流しましょう。」



急いで戻ることにした。



「くそ、こいつ……強すぎる!」


「攻撃が効いてるんだか効いてないんだか!?」


「フレイムアロー!フレイムアロー!」


「……火球よ火球。罪をみっつ、照らして。」



どうやら4人とも無事だったみたいだ。


いやガッツリ苦戦はしてるようだが!?


あらかじめ受け取っていた武器で思いっきりぶん殴って乱入!



「……」



効いてるんだか、効いてないんだかわからないな。



「……」



ヨロイは動くたびにガシャリガシャリと音を立てる。


剣を思いっきり振りかぶり……振り下ろすと地面がひび割れる。



「動きは遅いが一撃もらったらヤバそうだ!」



「いや知ってますし!」


「周りのスケルトンもどんどん復活するし!」


「フレイムアロー!フレイムアロー!」


「……第一シークエンス。誘導、右足ひとつに左足ふたつ。」



さっきから火の攻撃を受けまくってるからかヨロイが赤くなってる。


……火球がヨロイの隙間を()った!



「……第二シークエンス。大炎上。」



派手にやるじゃねえか!


そういうのを応援するのが前衛の仕事ってわけだな。後はバラすだけ。



「あらかた……片付いたわね……!」



スケルトンは骨同士をある程度引き離せばくっつかないみたいだ


その弱点さえわかれば……



「よし、何とかなったな!」



「お前が仕切るのかよ!」


「でも助かった、ありがと。」


「いよいよ出口が見えてきた!」


「……」(水筒の水を飲む)



全員でダンジョンから出ることには成功した


……入り口に待機していた衛兵はもういなかった。

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