ダンジョン駅伝復路
「"火葬昇華"」
結局50回くらいの火葬昇華でナラザスの体はチリになったよ。
ちなみに死神は顔を真っ青にしながら報告に帰った。
「ふー、しんどかったわ。」
「お疲れ様。」
シンシアをねぎらう。本当にお疲れ様だよ。
「じゃあ帰りましょう……長居は禁物だから。」
保護対象のパーティーについていくことにした。
途中のモンスターをいなしてもらいながら出口を目指す。
「あ、あれは……」
曲がり角をまがると向こう側に輝く何かが。
……液体の入った謎のボトルが置いてあった。
「あれは……MP回復ポーション!」
「ええと、あれは罠ですよね?」
行きに何度も引っかかったトラップだよ。
あれを取りに行こうとすると落とし穴で、ひゅーんと下の階。
「罠は罠だけど……厄介ね、これは。」
「場合によっては死者が出るのは避けられない……」
「……」(遠い目)
「なにかヤバいんです?」
「ええ、このダンジョンは……」
「誰かが欲しいと思ったものを創り出して罠にするの。」
「という事は、あれを欲しがってる人が居るってことですか。」
「そう。あれを欲しがっている人が居るってことは……」
「魔法職の誰かが、MP切れを起こしてるわ。」
「ねえ、大丈夫?」
「……」(首を縦に振る)
「魔法職の誰かが、MP切れを……」
俺はシンシアの方を見る。
「そうね、私よ。たぶん私がMP切れになってる。」
「歩ける?」
「やだ~もう歩けない~。」
武器を失った戦士と、MPがない魔法使いか。
いよいよもって役立たずコンビだな?
これはしょうがないな。シンシアをお姫様抱っこ、しますか。
『ヒュー!』
「あ、思ったより軽いな。」
はやし立てられながらシンシアを持ち上げて歩く。
「……4人とも。取引がある。」
「とりひき?」
「出口まで、露払いをしてくれ。」
「えー、どうしましょうかねー。」
「助けてくれたけど、それはお前らも一緒だろ!」
「武器無しの戦士とMP無しの魔法使いを護りながら……?」
「……」(難色を示している)
「あと、ナラザスをしっかり殺したっていう証人になってくれ。」
「要求多くない!?」
「いやー、それはちょっと。」
「……私たちに何のメリットが……」
「……」(怒りをあらわにする)
「ナラザスって、賞金首なんだろ?いくら懸ってるか知らんけど。」
『!』
そう、ミルクさんの説明ではS級賞金首パーティーと言われていた。
「……賞金の内、2割を支払う。安全の確保と証人の件、頼む。」
『うおおおおお!!!!』
どうやらやる気を出してくれたみたいだ。
「ノクタ、なかなかやるわね。ほっぺにチューしてあげよか?」
「……それは無事に帰ってからだな……」
どんどん階段を上がっていき地下1階まで順調に歩を進める。
「来たわ、スケルトン!」
「骨は鈍器で!おりゃあ!」
「弓の出番はないねー。全然ないねー。」
「……」(温存中)
「げ、向こうからもスケルトン!3匹!」
「……火球よ火球。罪をみっつ、照らして。」
「多くない?なんか多くない?」
「すまねえ、弓は役に立ちそうもないよ。」
「素手の方がマシだな!」
結構このパーティーも仲良さそうだな。
しかし……このフロアに着いてからスケルトンがやたら多いな……
「あ、またスケルトン!」
「潰す!」
「潰せー!」
「……火球よ火球。罪をふたつ、照らして。」
「あらあ、なんで生きてる子がいるのお?」
スケルトンの向こう側から女性の声が聞こえた。
「あーあ、ナラザスの奴。しくじったわね……」
あの顔は……
「血だまり☆えぼりゅーしょんのラリッタか……」
「写真より老けてない?」
「え……ラリッタ……?」
「無限の黒、死霊蹂躙本隊のラリッタ!?」
「ヤバいってそれ!」
俺たちは戦力外だからそこんとこよろしく!
「……第1シークエンス。対象、ラリッタ。」
ふたつの火球が勢いよくラリッタに飛んでいく。
スケルトンが盾を構え……火球の斜線をさえぎる。
「ああこれね。術者をかばうっていう使い魔の基礎行動よ。」
盾に当たった火球は消滅した……
「さあて、愉しみましょうねえ。」
ラリッタは自分の指を舐めてる。ずいぶん余裕なんだな……
続々と周囲からスケルトンが集まってくる。
「シンシア……武器、借りていいか?」
そう言うとシンシアはぴょんと俺の腕から飛び降りる。
「やる気出てきた?」
「ああ、だから貸してくれ。」
あのバケモノに比べれば、なんとも脆弱なり。
弱い相手には、強く出れるぞ?俺は現金だからな。
「まあこれはこれで。またノクタのかっこいいところ見たいな。」
シンシアから鈍器を受け取る。
「さて、かっ飛ばすぞ!」
3日休んで元気満タン!
ちなみに土曜日はこの作品を恋愛カテゴリに入れる遊びをしていました
もうしませんから許してください




