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ダンジョン駅伝往路

「止まれ!!」



ダンジョン前には衛兵がいた


俺はミルクさんから受け取った依頼書を衛兵に見せる。



「……抱負は?」



「可能な限り助けます!」


「きっとスピードが鍵になるわ!」



いやシンシア……そのスピードがもうダメなんだわ……


今すぐって言われたのに宿で一泊しちゃったんだわ……



「パーティーの戦略をお聞かせ願います。」



「えーっと、とりあえずモンスターをなんとかして……」


「斬る!殴る!けっとばす!」



「不安だ……こいつら……」



衛兵の不安もわかるっちゃわかるよ。


でも俺たちもやるしかないワケ。


天気は快晴、気温はちょっと寒い、風は追い風。



「まあいいか。入れ!」



まあ気候なんてダンジョン内じゃあ……一切関係ないってわけだよ。



「よし、スタート!」


「盛り上がってきたわね!」



俺たちは朝の静かな空気の中、出発した。



「これがダンジョン。誰が作ったんだろ……」


「レンガ造りっていうのが素敵ねー。」


「シンシアも初めて?」


「もっちろん!私もダンジョン童貞よ!」


「いや、シンシアは女の子なんだからさ……その表現はちょっと……」


「なんで?ダンジョン童貞仲間じゃない。」


「まあいっか。そういえばさ、思ったんだけど。」


「?」


「ダンジョンでトイレに行きたくなったら、どうするんだろうな?」


「確かに。私ちょっと危ないかも。」


「おい!ダンジョン入る前に済ませとこうって言ったよな!?」


「済ませた上で、ちょっと危ないのよ。」


「どれくらい危ない?」


「まあ1時間は我慢できそうだけど。」


「大丈夫かな……?」



ダンジョンのT字路を曲がったところでトイレがあった。



「え、ダンジョン内におトイレがあるの……?」


「マジだ……衛生面大丈夫?」



しかも、女性専用と書かれていた。



「じゃあ済ませてくるわね。」


「いっといれ。」



俺は外で待機する。しばらくするとシンシアが出てきた。



「水洗式だったわ……すっごくキレイなおトイレだった……」



トイレがあるだけでも奇跡的なのに水洗式か……


水道が通っているのか?



「はあ、ちょっとあったかいものが食べたくなってきちゃった。」


「いやダンジョン内にあったかい食べ物なんてないから。」



T字路を曲がると、串焼きと書かれたのぼりがあった。



「串焼き!?串焼きがあるの!?」


「まさかそんな!?行こう行こう!」



矢印のガイドに従って串焼きを目指す俺たち。



「あそこよ!串焼きがあるわ!」



田舎の野菜販売のような、店主がいないタイプの仮設店舗があった


おいしそうな串焼きが並んでいる……


二人駆け足で仮設店舗まで……



 ガタンッ



この浮遊感……宙に浮いている……?


違う!落ちている!


これは古典的トラップ、落とし穴だ!



「キエエエエエエエエエ!!!」



落ちた先には丁寧にモンスターがいた。



「ゴブリン!」



あ、これがゴブリンね。OK、理解(りかい)把握(はあく)


問答無用で斬り伏せて退治したが……これは……



「上り階段見つけないとヤバくね?」


「ヤバいわね、迷子よ。まいごのまいごのシンシアちゃんよ。」



その後も俺たちはお好み焼きとかおでんとかの罠に引っかかり


気がつけば地下5階だった。



「いやヤバいって!ミイラ取りがミイラになってるじゃん!」


「まさか給水地点にも落とし穴があるとはね……」



ちょっとした広間を発見したから地図を確認ついで休憩するか。


……広間には他の冒険者パーティーがいた。



『助かった!』



そのパーティー全員がそう言った同時。



『助かった!』



俺とシンシアもこう言ってしまったのでややこしくなりそうだ。



「え、今あなたたちも助かったって……」



リーダーっぽい女性に聞かれる。ここは冷静に、冷静に。



「ハロークエストの依頼で冒険者の保護を命じられているんですが……」



「やっぱり救助部隊なんですね!」



「そうなんですが……道に迷っちゃって。」



「大丈夫よ!私たち地図はあるから!ただひとつ問題があって……」



「問題?」



「イカレた奴が、冒険者を殺して回っているの。」



なるほど……情報通り。

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