喫茶店でのある1日part19
「報告で……。何でこんなに荒れてるんですか?」
『あら? 何で風音がいるのかしら?』
初瀬から風音と呼ばれた碧色の髪をした女性は不思議な顔をして店内に入ってくる。風音の後ろには少年もいた。少年もまた驚いた様子だが店内に入った。風音が来ると思っていなかった初瀬もまた、質問をする。
「公共機関の仕事です。事故で死者がでたんですよ。この少年いわくでは属性が革命らしいんですが、知ってますか?」
返事をしつつ、風音は二人に質問をする。その間に、他の人から存在を忘れられている少年は、離れたところのカウンター席に座り三人の話を聞いている。
『知っている、というよりは依頼だったのよ。死んだのかしら?』
苦笑をしながら答えてさらに質問を加える。風音は神妙な顔をしながら頷く。
「死にましたね、即死でした」
「はっ! ざまあみやがれ! 俺を洗脳とかするからそうなる」
話を聞いているだけだった男は、風音の言葉で吐き捨てる様に言う。男のことは偶然店に居ただけで無関係だと思っていた風音は驚きながら初瀬に目を向ける。
「誰ですか? その人は。この店が荒れているのってその人が原因だったりします?」
『ただの人間に操られた邪神様ね。店が荒れたのはそれが原因で合ってるわ』
「そうなんですか。邪神と言えど、基本は人と変わらないんですね」
納得した表情で男の顔をじっくりと見る。男は風音に言われたことが不服そうな顔をして、慌てて話を変える。
「ちなみにどうして死んだんだ? 事故とか言っていたが」
「工事現場の鉄柱が落ちてきて貫かれた感じですね」
『残念ね。その程度で死ぬなんて』
初瀬の言葉は悲しんでいる様子だが、浮かべている表情と声のトーンがそれを否定していた。初瀬自身のせいで店や神に迷惑がかかっていたため、自分の手で殺したい気持ちもあった様子だ。革命を属性とする青年の死因が鉄柱によるものということに、男は疑問を覚える。
「残念というてめえの気持ちは知るかと言いたいが、違和感があるな。その死に方、俺が洗脳された理由はあれだが、そいつは強いはずだろ。何で鉄柱なんかに貫かれたんだ?」
当然の様な質問を男はするが、その返答は雑であった。
『私がそんなこと知るわけないじゃない。と言いたいけれど、風音がいたのなら不運な事故かしら』
「死に方に疑問と言いましたが、初瀬さんの言う通りあれは不運だったで片付きますよ? あのとき、周囲には私とそこの少年、後その革命の者しか居なかったんですから」
「誰かそういう能力、例えば他者を不運にする能力の奴が居た場合ってどうなるんだ? 事故となるのか?」
『その場合は不運な事故となるわ。大概、そういう様な運だとか運命に干渉する類いって制御できないのよ。だからそれを言うと切りがない』
「でないと、私とかどうすれば良いんですか。どう干渉しているのか分かってないんですよ」




