表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人外が跋扈する世界においての出来事まとめ  作者: 頭の軽い奴
喫茶店での日常
24/26

喫茶店でのある1日part18

 

「変化のない戦闘が一番つまらないと思うのよね。でも能力を使われたら負けとかいう……」

「てめえ何を企んでいる?」

『あら、企んでいるとは限らないわよ』


  先程の再現の様に拮抗している戦況である。策はあるが時間を稼ぐということが嫌いな初瀬は、退屈であることを隠しもせずに閃光を放つ。時間が経つに連れて男も相手が何かを企んでいることに気づいたのか、防御に回していた赤い霧を初瀬に向ける。


「時間稼ぎが上手くいくと思っているのか?」

『何を当たり前なことを、稼ぐのよ。ある程度までなら稼ぐことはできるわ』


  退屈な様子を消して、視線を男に向ける。そして赤い霧が近づいてくるのは閃光で無理矢理払う。それを認識して男は舌打ちをする。


「ちっ、物理効果は分かっていたが、払うのか」

『狙われるのは困るわね。前回で十分よ、あの感覚には慣れたくないわ』


  赤い霧が薄くなった隙間を縫って閃光を打つが、それは避けられる。決定打が入らずに時間が過ぎていく。


  時間が過ぎていくのを止めることはできない男は焦りを浮かべる。浮かんだ表情を見逃さずに初瀬は口元に笑みができる。


『焦りができる様なら、まだ甘いわね。これで条件は揃った。選択権を与えてあげる』

「くそっ! 何様のつもりだてめえは、上から目線もいいところだな!」


  男の言う通り、初瀬が告げたその言葉には拒否権が存在しない。閃光が止み、ロザリオは口元の笑みを隠す様に持っていく。赤い霧が消えた訳ではないが、動きが鈍くて初瀬を止めることはできない。


『邪神では触れられない領域といったところかしらね。まあ、それはいいわ。ほら選びなさい』


  勝ち誇った笑みは消えず、初瀬はその条件を男に言う。男が焦りを覚えたからこそ、初瀬の時間稼ぎは成立した。


『貴方は大切な者をとるかしら、それとも上司をとるかしら。勿論、選ばなかった方は殺すわ』

「それをどこで知った! あいつの場所は誰も知ることはできねえはずだ」


  選択というのは、ありふれた物だ。古今東西であるものだろう、所謂仕事をとるか恋人をとるか、というものなのだからである。


  その選択を聞いた男は怒りを隠しもせずに初瀬に怒鳴る。赤い霧もその感情に追従するかの様子を見せるが、初瀬に近づくことはない。


  想像していたよりも時間がかかったが、初瀬の求めていた物は成立する。


『優秀な情報屋がいたのよ』

「情報屋だと? ……あいつか」


  思い当たりがあるのか男は溜息を吐くが、すぐに初瀬を睨み付ける。


「俺がその選択で迷う訳がねえだろうが」

『あら、それは凄いわね』

「当たり前だ。上司に決まって……?」


  何か違和感を覚えた男は言葉を止める。立ち込めていた赤い霧を消して、記憶を整理する。


「何かおかしくないか、これ。何で上司なんかを選ぶ? まず、あの上司は誰だ?」


  無防備に立ち尽くす男を見て初瀬は溜息が溢れる。敵である者の眼前で思考に埋没する男に呆れて、警戒をとく。


『気づくとは思わなかったわ。あそこで上司と言い切ってくれたら、私は殺せたのだけれど』

「知らないというのもあれだが、一番おかしいのは……」


  突如として男は初瀬の方に目を向ける。


「おい! 神は無事なんだろうな!」

『無事よ。まだ目は覚めていないけれど』


  安堵の息を吐きながら、初瀬を睨むのを止めてカウンター席に座る。店内は嵐が過ぎた様子で荒れていたが、カウンター席付近は比較すれば綺麗な方だった。


『何貴方は勝手に休んでいるのかしら? 荒らしたのは貴方でしょう、直す手伝いをしなさい』

「俺が直す系統の能力がある訳ねえだろうが。壊す専門だ」


  洗脳されていた事実を放置して初瀬に全て投げる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ