猫を殺すロジックを考える
私の父――といっても義父だが、彼は庭に入ってくる野良猫を殺すために、ホームセンターで買ってきたホウ酸団子をネコ缶に混ぜて、庭に置いてた。
ピンク色のボウルで、義父は何かを混ぜていたから、私は「何してるの?」と聞いた。
すると義父は、「庭に入ってくる野良猫を殺すために毒餌を作ってる」と答えた。
今回は、義父のこういった異常行動について考える。タイトルで、「ロジック」なんてカッコつけてみたが、人の心の知識をかじった人間が義父の心を考える、と言った内容になる。
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始めに、読む人が大きなショックを受けないように断りを入れておくが、義父はまともな人間ではない。
ものすごく、(悪い意味で)珍しい人間だ。
猫を殺そうとするのもそうだが、2つの家庭を壊す不倫をしているし、家に「盗聴器がある」と騒ぐなど、通常の人間とは違う様子を持っている。
そんな義父は、野良猫を殺そうとしたわけだが、そもそも、死んだ熱帯魚を小窓から捨てるのを止めていれば、野良猫が私たちの家に執着することは無かったのではないかと思う。
義父は死んだ熱帯魚を網ですくうと、小窓から投げ捨てるのだが、投げ捨てた方向には、すでに白骨と化した魚が何十匹もいる。
そこに、死んで腐敗が始まった死体が定期的に加わるわけだから、その歪なニオイに野良猫が集まるのは、必然だと私は思う。
しかし義父は、そうした野良猫が集まってくる要因には手を加えず、野良猫の存在そのものを消すために毒餌を手でこねることを選んだ。
この問題に対する取り組み方は、義父の人生を表しているように感じる。
義父から聞いた話や周りにいる人間の話をまとめると、義父は「自分の嫌なものを排除しようとする癖」が強い。
部下が気に入らなければ、すぐ左遷していたようだし、気に入らない人間を社内でイジメていたようで、転職した先の会社ですぐに孤立し、退職した。
野良猫を殺そうとするのも、死んだ熱帯魚を小窓から捨てるのも、私に虐待をしていたのも、その根っこには、「自分の嫌なものを排除しようとする癖」がある。
そして義父は、「盗聴器がある」、「人が嫌がらせをしてくる」と騒ぐが、それは、自身が排除してきた人間や生物の幻影に怯えているのではないかと、私は思う。
◇
私は義父が嫌いだ。田舎出身で、都会で舐められないために強がり、先制攻撃を好む小心者のくせに、「自分は強い」と弱者に威張り散らし、軽蔑されていることすら気づかず、妄想を貯めた桶の中で満悦している様子が気に入らない。
他の義父に似た人間の事情は知らないが、私は義父の「『強者』と振る舞って生きてきたのに、その人生の幕の引きが弱者」という一貫性の無さが、ものすごく気に入らない。
幕引きと言っても、義父はまだ死んでいないのだが、切腹するとかでもいいから、『強者』として振る舞った人生の「最後の背中」を見せてほしい。
その背中に、唾吐きかけるから。
【あとがき】
最近、何を書いても私の怖い部分が出てくる。
昨日は、『みいちゃんと山田さん』と戦う人たちのことを書いていたんだけど、「『みいちゃん』という呼び方が悪口の射程を伸ばしてしまうから、彼らは戦ってるんだ」という結論が出たまでは良かったんだけど⋯⋯。
中盤あたりで私の怖い部分が出てきちゃって、壊れた人間の作り方を具体的に書いちゃってさ、いやー怖いよね〜。
どうしたものかな〜。
ま。
この様子もエッセイとして面白いんだろうけどね(?)。




