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第3話 兄を待つ弟 ③真実
タクミは弟から届いた星を胸に抱いていた。
何度も。
何度も。
大切な宝物のように。
「……馬鹿だな」
そう言いながら、目元を拭う。
「俺の方こそ言えてなかったのに」
夕暮れの河川敷。
静かな風が吹いていた。
ルナは小さく呟く。
「優しいお兄さんなんですね」
タクミは首を横に振った。
「違うよ」
そして少し笑う。
「心配性なだけだ」
空を見上げる。
その先にいるはずのない弟を見るように。
「ユウジはさ」
「強がるんだ」
「泣きたい時ほど笑うんだよ」
メルトは黙って聞いていた。
その時だった。
ふと気付く。
弟が兄を待っているのではない。
違う。
兄が待っているのだ。
残してきた弟を。
安心して前へ進める、その時を。
「……そういうことですか」
メルトが静かに言う。
タクミは照れくさそうに笑った。
「情けないよな」
「死んだのに、まだ心配してる」
そう言って胸元へ手を当てる。
そこから小さな光が現れた。
淡く。
温かな星。
タクミはそれをメルトへ差し出した。
「頼む」
震える声だった。
「……あいつに伝えてくれ」
星は静かに瞬く。
そこに込められていたのは願いではない。
兄が弟へ残したかった言葉。
たったひとつの想いだった。




