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星を運ぶ郵便屋  作者: 2番目のインク


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12/12

第3話 兄を待つ弟 ④前へ

弟は星を開いた。


淡い光が夜空へ広がる。


その中に、兄の姿が映った。


少し照れくさそうに笑っている。


『お前さ』


兄は頭をかきながら言う。


『約束したろ』


『強くなるって』


弟の肩が震えた。


兄は続ける。


『だからもう泣くな』


『俺は大丈夫だ』


弟は唇を噛んだ。


もう返事はできなかった。


その言葉に、堪えていたものが溢れた。


涙が止まらない。


それでも弟は笑った。


「兄ちゃんもな」


夜空の向こうで。


兄が少し驚いたような顔をする。


そして困ったように笑った。


光が少しずつ薄れていく。


最後に兄は振り返った。


『じゃあな』


『行ってくる』


弟は涙を拭った。


そして大きく息を吸う。


「行ってこい」


声が震える。


それでも、ちゃんと前を向いていた。


「前へ」


夜空の星がひとつだけ、いつもより明るく瞬いた。



「ルナ。ガキって言って、ごめんな。」


「えへへ。もう気にしてないよ」


メルトは静かに帽子を被り直した。


届けるのは、言葉だけではない。


人は、想いを届け終えた時、少しだけ前へ進める。

読んでいただき、ありがとうございます。


第4章①は、8月10日 10時10分より配信いたします。

第5章①は、8月11日 10時10分より配信いたします。


どうぞお楽しみに

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