Voyage 10 沈んだ時計塔と人魚姫の秘密
鏡海に入ったのは、翌朝だった。
海の色が変わった。青でも藍でもない、鏡のような灰色だ。波がない。風が吹いても、表面が揺れない。帆は風を掴んでいるのに、海面だけが静止している。水面に空が映って、シーラビット号が雲の上を進んでいるように見えた。
「不思議な海ですね」
ミルフィナがそう言うと、
「鏡海よ。この辺りは海流が特殊で、表面が凪ぐ」
リヴィアがこう伝えた。
「下はどうですか」
「下は普通に動いてる。上だけが止まってる」
「……底の方から、何か感じます」
「何が?」
「大きなものが、確かにいます。動いていないけれど、確かにある」
「時計塔かもしれない」
「もっと生き物に近い感じです。でも生き物ではない。石か、金属か、あるいは……」
「魔法がかかったもの?」
「かもしれません」
ネリネが地図と照らし合わせた。
「料理人が言っていた岩礁は、この先二時間ほどです。近づいたら、船を止めて、水中に入ることになります」
「水中の装備は?」
リヴィアが尋ねた。
「ありません」
ネリネがすぐに答える。
「ないのね」
「水中で活動することを想定した装備は、うちの船にはありません」
「どうするの?」
ピピが尋ねた。
「ミルフィナの魔法に頼る。水中でも息ができるようにしてもらえる?」
「できます。ただし、時間に制限があります。一人なら一時間ほど。二人同時だと、三十分程度です。それ以上は、私の力が続きません」
「全員は無理?」
「全員同時は難しいです。二人か、多くても三人が限界です」
「じゃあ、わたしとミルフィナで行く」
「私も行けますか」
「ネリネは船の管理をしてほしい。たこまると三人で残って」
「承知しました」
「ピピとベルも船で待機。何かあったら合図を出して」
「はーい」
「……分かった」
「姫さんの力に頼る形になる。無理をさせるな」
「分かってる」
「三十分で切り上げること。何か見つからなくても、三十分で戻ってこい」
「見つかりかけてたら?」
「戻ってきて、体力を回復してから、また入ればいい。一回で全部やろうとするな」
「……分かった」
「リヴィア」
「何」
「無茶をするな」
「するつもりはない」
「するつもりがなくても、する時がおまえはある」
「……気をつける」
たこまるが、ふんと言って視線を外した。
岩礁が見えてきた。大きな岩が海面から突き出していて、その周囲に小さな岩が並んでいる。シーラビット号を岩礁の外側に停めた。
「深さはどのくらい?」
リヴィアが尋ねた。
「この辺りは二十メートルほどです。ただし、時計塔がある場所はさらに深い可能性があります」
ネリネが伝える。
「ミルフィナ、潜れる?」
「深さは問題ありません。人魚の体で行けます。ただ、リヴィアさんを連れていく速度に合わせるので、私一人で行くより時間がかかります」
「それは仕方ない。じゃあ、行く前に準備を教えて」
「手を握っていてください。私の歌が届く範囲でないと、魔法が続きません。離れると、水中で息ができなくなります」
「手を離さなければいい?」
「はい。どんな時も」
「分かった」
ミルフィナが甲板の端に立った。コートを脱いで、ネリネに渡した。水の中に入る準備をした。人間の姿から、人魚の姿に変わる。尾びれが現れた。
「準備ができたら、一緒に入ってください」
「分かった」
リヴィアはたこまるを見た。
「行ってくる」
「行ってこい。ただし」
「分かってる。三十分」
「無茶をするな」
「三回目ね」
「三回言うくらい心配してる」
リヴィアは少し笑った。
「戻ってくる」
「当然だ」
ミルフィナが歌い始めた。低く穏やかな歌で、リヴィアの周囲に何かが広がるような感覚があった。
「準備ができました。入ってください」
リヴィアは海に入った。
冷たかった。でも、息ができた。
水の中で、普通に息ができた。肺の中に空気が入ってくる。魔法の力だ。
「大丈夫ですか?」
ミルフィナが尋ねた。水の中でも声が聞こえる。
「大丈夫。ちゃんと息ができてる」
「では、行きましょう」
ミルフィナがリヴィアの手を取った。引かれるように、下へ向かった。
水の中は、別の世界だった。
上から差し込む光が、細い筋になって届いている。光の中を、小さな魚が泳いでいる。海草が揺れている。岩礁の壁に、色とりどりの珊瑚がついている。
「綺麗」
「海の中はいつもこうです」
「あなたには当たり前の景色なのね」
「当たり前ですが、好きです」
深くなるにつれて、光が薄くなった。暗くなった。ミルフィナの尾びれが、暗闇の中で少し光っていた。道標のような光だった。
「怖くないですか」
「正直、怖い。でも大丈夫」
「同じことを言いましたね。陸の上で私が言ったことと」
「そうね。同じね」
「では、私が大丈夫だったように、リヴィアさんも大丈夫です」
「根拠がない励ましね」
「でも、効きますか」
「……少し効く」
さらに深く降りた。光がほとんど消えた。ミルフィナの体の光だけが頼りになった。
そのとき、見えた。
大きな構造物が、海底に沈んでいた。
時計塔だった。傾いていた。長い年月で少し倒れかけていて、上の方が岩礁に寄りかかっている。塔の表面は珊瑚と海草に覆われていたが、形はまだ残っていた。一番上に、文字盤があった。針は止まっていた。
「これが時計塔です」
「いつ沈んだんだろう」
「古いです。珊瑚の付き方を見ると、数百年は経っています」
「中に入れる?」
「扉があります。開くかどうか」
扉は海草で塞がれていた。ミルフィナが歌うと、海草が少し退いた。扉を押した。重かった。リヴィアも一緒に押した。軋む音がして、開いた。
中は暗かった。でも、壁に何かが光っていた。
石に刻まれた文字だった。文字の溝に、発光する苔が入り込んでいて、それが灯りになっていた。
「字が読める?」
「読めます。古い文字ですが、クラゲの島で見た文字と同じです」
ミルフィナが壁を読み始めた。
広い部屋ではなかった。机と椅子の痕跡があった。崩れていたが、形が残っている。棚があった。棚の上に、石板があった。
「これが記録です」
ミルフィナが石板に近づいた。
リヴィアも近づいた。手を握ったまま、隣に並んだ。
「何が書いてある?」
「星潮の冠について、です――人間と人魚の航海者が共に作った場所、と書いてあります。この時計塔は、二つの世界の境界に建てられたものだったようです」
「境界に?」
「海と陸の間の、中間の場所として。人魚も人間も来られる場所として、作られた」
「今は誰も来ない」
「はい。沈んでから、来る人はいなかったと書いてあります」
「なんで沈んだの?」
ミルフィナが石板を読み続けた。少し間があった。
「……誰かが沈めたと書いてあります」
「意図的に?」
「はい。この場所を、消したかった者がいたと。誰かは書いていません。ただ、その者は星潮の冠を手に入れようとしていた。しかし手に入れられなかった。代わりに、この場所を壊した」
「冠は手に入らなかった?」
「冠は、手に入れようとした者が特定の思想を持っていると、働かないようになっていると書いてあります」
「特定の思想?」
「海と陸を分断しようとする者は、冠を使えない。冠はそういう性質を持って作られた、と」
リヴィアは石板を見た。光る苔が文字を照らしている。
「じゃあ、オルカは冠を使えない?」
「冠の側がそれを判断するなら、使えないかもしれません。でも」
「でも?」
「壊すことはできます。冠を壊して、その力を別の形で使おうとする可能性があります」
「壊したら?」
「分かりません。記録には書いていません」
リヴィアは考えた。使えないなら壊す。壊して、力を取り出す。その結果何が起きるかは分からない。でも、オルカが求めているのが海と陸の分断なら、壊すことでその力を引き出そうとするかもしれない。
「もっと読める?」
「もう少しあります」
ミルフィナが石板を続きから読んだ。
「星潮の冠は、三つの鍵によって守られています、と。三つの鍵は、海と陸と、その境界を知る者の中に宿っている」
「三つの鍵?」
「詳しくは書いていません。ただ、鍵は物ではなく、存在に宿るものだと」
「存在に宿る?」
「人か、生き物か。何かの中に鍵がある、ということだと思います」
「たこまるが守護獣、と壁画に書いてあった。たこまるが鍵のひとつ?」
「……可能性があります。それと」
ミルフィナが石板から手を離した。
「私の一族のことが、書いてあります」
穏やかな声だった。
「ルーンシェル家は、冠の守護を任された人魚の家系だと書いてあります。代々、冠の在処を守る役目を持っていた」
「ミルフィナの家が、冠を守っていた?」
「そうです。でも、今の王宮では、そのことは伝わっていません。伝わっていないか、隠されているかです」
「どっちだと思う?」
「隠されている可能性が高いです。オルカが知っているなら、王国の誰かが知っているはずです。そしてオルカが冠を求めているなら、その守護の役目を妨害しようとしているということになります」
「つまり、あなたが冠の守護者かもしれない?」
「……そうかもしれません」
ミルフィナの声は穏やかだった。
「知らなかったの?」
「知りませんでした。でも、知った今は」
「今は?」
「逃げたくないです」
リヴィアは手を握ったまま、ミルフィナを見た。
「王宮から逃げて、ここまで来て、守護者だと分かって、逃げたくないって言える?」
「逃げてきたわけではないと、最初から言っています」
「外を見に来た」
「はい。見ました。知りました。だから、逃げません」
リヴィアは少し黙った。
そのとき、塔が揺れた。
小さな揺れだった。でも、崩れかけている塔には大きな影響だった。天井から石が落ちてきた。
「出ます!」
「はい!」
二人で扉に向かった。石板を持って行きたかったが、重くて無理だった。ミルフィナが文字を覚えているか、ネリネが書き写すか、あとで考えるしかない。
扉まで来た時、また揺れた。
今度は大きかった。塔全体が傾いた。扉が歪んだ。開いていたはずの扉が、塔の傾きで押されて、狭くなった。
「通れる?」
「私は通れます。リヴィアさんは」
「狭い。肩が引っかかる」
「押します。体を横にしてください」
リヴィアが体を横に向けた。ミルフィナが後ろから押した。人魚の力は思ったより強かった。リヴィアが扉を抜けた。
ミルフィナが続いた。
抜けた瞬間、塔がさらに傾いた。扉のあった場所が崩れた。一秒遅ければ、挟まれていた。
二人は塔の外に出た。上に向かった。
上に向かう途中、リヴィアが遅かった。水中では速く動けない。ミルフィナの方が速い。
ミルフィナが引いた。でも、リヴィアが重い。
そのとき、ミルフィナがリヴィアの前に回った。正面から抱えるような形で、両腕で支えた。
「掴まってください」
「でも、それだとあなたが――」
「掴まってください」
リヴィアがミルフィナの背に腕を回した。ミルフィナが上へ向かった。今度は速かった。人魚の本来の速度で、真っすぐ上に向かった。
光が近づいてきた。表面の光だ。
水面を突き抜けた。
空気が来た。
二人で同時に息を吸った。大きく、深く。
「大丈夫か!」
たこまるが叫んだ。甲板から見ていたらしい。
「大丈夫!」
リヴィアが叫んだ。
「怪我は!」
「ない!」
「ミルフィナ!」
「無事です!」
ミルフィナが叫んだ。
ロープが降りてきた。ピピが降ろしていた。二人でロープを掴んで、甲板に引き上げてもらった。
甲板に上がった瞬間、リヴィアは膝をついた。水中での疲れが一気に来た。
「船長!」
ピピが駆け寄った。
「大丈夫。ちょっと疲れただけ」
「怪我はないですか、本当に」
「ない。ただ疲れた」
たこまるがリヴィアの前に来た。小さい体で、正面から見ていた。
「無茶をしたか」
「してない。塔が崩れただけ」
「崩れた場所にいたのが無茶だ」
「それは結果論よ」
「崩れかけの建物に入るのが無茶だと最初から言え」
「崩れかけとは思わなかった」
「崩れかけでなければ、数百年前に沈んだ塔とは言わない」
「……そうね。そうかもしれない」
「謝らなくていい。次から気をつけろ」
ミルフィナが隣でゆっくりと息を整えていた。リヴィアが気づいた。
「消耗した?」
「少し。でも、大丈夫です」
「大丈夫じゃない顔してる」
「……少し疲れました」
「休んで」
「でも、記録のことを――」
「あとで話す。今は休んで」
「でも……」
「ミルフィナ」
リヴィアが呼んだ。いつもと同じ呼び方だったが、少し違う声だった。
「休んで」
「……はい」
ミルフィナはリヴィアの目を見て、ゆっくりと頷いた。
ネリネが毛布を持ってきて、ミルフィナの肩にかけた。
「ありがとうございます」
「よく戻ってきました」
「ネリネさんが待っていてくれました」
「待つのが私の仕事です。今回は、少し長く感じました」
「心配させましたか」
「……少し」
ミルフィナが船室に引っ込んだあと、甲板にリヴィアとたこまるが残った。ネリネが記録のためにリヴィアから話を聞き始めた。
三つの鍵。ルーンシェル家の守護。冠の性質。
ネリネが手帳に書き留めた。
「整理すると、星潮の冠は、分断を望む者には使えない。ただし、壊すことで力を取り出せる可能性がある。そしてオルカは、その方法を探しているかもしれない」
「そうなる」
「三つの鍵の一つが、たこまるさん」
「たこまる本人にも、はっきりとは分からないけど、可能性がある」
「残り二つは」
「分からない」
「ミルフィナさんが一つかもしれません。守護者の家系なら」
ネリネが伝える。
「その可能性がある」
「では、残り一つが分かれば」
「冠に近づける。でも、残り一つが何かは、石板には書いてなかった」
「海と陸と、その境界を知る者、ということですね」
「境界を知る者。人魚でも人間でもなく、その間を知る者か」
「誰がそれに当たるの?」
「分からない。ただ」
たこまるが海を見た。
「おれは守護獣の末裔らしい。姫さんは守護者の家系らしい。もう一つも、何か理由がある者のはずだ」
「理由がある者」
「偶然じゃない。この旅に引き寄せられた者の中にいるかもしれない」
リヴィアは自分の手を見た。塔の扉を押した手だ。岩礁の中で舵を握った手だ。嵐の海に落ちた手だ。
「……わたしは、ただの海賊よ」
「ただの海賊が、なぜここにいる」
「宝を探してるから」
「なぜ宝を探している」
「世界一の航海者として認められたいから」
「なぜそれを望む」
「……シルヴェイル家の娘として、自分の航路を行きたいから」
「それが答えかもしれないし、まだ先があるかもしれない」
「どういう意味?」
「分からない。ただ、おまえがここにいることは、偶然ではない気がする。おれの勘だ。外れるかもしれない」
リヴィアは空を見た。鏡海の上の空は、どこまでも高かった。
「……考えすぎても仕方ない。とりあえず、今日分かったことをもとに次を考える」
「それでいい」
「次は、深海図書館の話を聞いたことがある。古代海図や禁書があるって。もっと詳しい記録があるかもしれない」
「どこにある」
「クジラの背に建っているって聞いた。移動するから、居場所が決まっていない」
「見つけ方は」
「探す」
「どうやって」
「……まず、港町で情報を集める。ローザも探しているなら、情報が交差するかもしれない」
「ローザを頼るのか」
「頼るというより、情報を共有する約束をした。使える」
「おまえらしい判断だ」
たこまるが珍しく、批評ではなかった。
夕方になった。
ミルフィナが船室から出てきた。少し顔色が戻っていた。
「休めた?」
リヴィアが尋ねた。
「はい。ありがとうございました」
「もう大丈夫?」
「はい」
「無理してない?」
「していません」
「本当に?」
「……少し疲れは残っていますが、大丈夫です」
「正直に言ってくれてありがとう」
ミルフィナが少し驚いた顔をした。
「何がですか」
「少し疲れが残ってる、って言えたこと。前なら言わなかったでしょ」
「……そうですね」
「言えるようになった」
「ここでは言えます」
「ならいい」
二人で並んで、夕日を見た。
「リヴィアさん」
「何」
「今日、私が塔の外に連れ出しました」
「そうね。助けてもらった」
「いつもはリヴィアさんが助ける方です」
「今日は逆だった」
「私は、今日、リヴィアさんを守れましたか」
リヴィアは少し考えた。
「守られた。確かに」
「よかったです」
「なんで嬉しそうなの」
「ずっと、守られてばかりだったので」
「人魚姫だから?」
「人魚姫だから、という理由で、守られてばかりでした。今日は、自分で守れた。それが嬉しいです」
リヴィアは、ミルフィナの横顔を見た。夕日の色を受けて、銀青色の髪が橙になっていた。
「守られてばかりでも、あなたは役に立ってたわよ。今まで何度も」
「でも、今日は少し違いました」
「どう違うの?」
「リヴィアさんが、本当に必要としてくれました。技術として必要にしてくれたのではなく、その場で、本当に」
「……」
「抱えて上がってきた時、重くはなかったです。あなたが怖くないようにしていたから」
「怖かったわよ」
「でも、落ち着いていました。だから私も落ち着いて動けました」
「……あなたが冷静だったから、わたしも落ち着けた。どっちかよ」
「では、お互いに」
「そうね。お互いに」
波のない鏡海が、夕日を映していた。シーラビット号が、その上に静かに浮かんでいた。
「飯にするぞ。今日のリヴィアは、疲れてる。早めに食って寝ろ」
「たこまるが心配してる」
リヴィアが突っ込んだ。
「心配してない。食事の時間管理だ」
「同じよ」
「違う」
「同じよ」
「……好きなように思え」
ミルフィナが小さく笑った。
「たこまるさんは、やさしいです」
「やさしくない」
「やさしいです」
「やさしくないと言っている」
「でも、やさしいです」
「……飯ができたら呼ぶ。甲板で待ってろ」
たこまるが厨房に向かった。その背中を、ミルフィナが見ていた。
「やさしいですね」
「そうね」
「リヴィアさんも」
「わたしは強がりよ」
「強がりでも、やさしいです」
「どっちよ」
「両方です」
「整理します」
ネリネが濡れた手帳を乾かしながら言った。
「今日分かったことは、三つあります」
「三つもあるの」
「あります。まず、星潮の冠は、海と陸を分断しようとする者には使えない。次に、三つの鍵は物ではなく、存在に宿る。そして、ルーンシェル家は、冠の守護者だった」
「……多いわね」
「多いです」
リヴィアはミルフィナを見た。
ミルフィナは黙っていた。自分の家の名前が、伝説の中に刻まれていた。その重さを、まだ受け止めきれていない顔だった。
「でも、分かったことがあるなら進める。分からないまま怖がるより、ずっといい」
リヴィアはっきりと言った。
シーラビット号は、鏡海の夕日の中に、静かに浮かんでいた。




