営業サボリーマン
これは一昔前の話。携帯電話もポケベルもない、そんな時代の話だ。
一人の営業マンがいた。真夏に外回りをしているのだが、今日は暑い。
今月のノルマはすでに達成しているので、今日の仕事はここまでにしておこう。
で、「このあと、どこで休もうか」と考えた。
冷房の効いたパチンコ屋にしようか。それとも、喫茶店でアイスコーヒーを飲もうか。
そこで、はたと思い出す。
そうそう、この近くの野球場で今、高校野球の全国大会が行われているのだ。高校野球の日本一を決める大会。
(今日は、そっちにしておこうかな)
しかし、この全国大会は日本中にテレビ中継されている。
客席にいる姿が、テレビに映るのはまずい。知り合いが見ているとも限らないのだ。さぼっているのが、ばれてしまうかも。
なので、ある方法を試してみることにした。
前にラジオで聞いたことがある。「こうしておくと、テレビに映らない(かも)」という裏技が存在するのだ。
その裏技を思い浮かべながら、営業マンは野球場に入った。席に座ると、一本のサインペンを取り出す。
そして、自分の顔に大きく『放送禁止用語』を書いた。
これで良し。こうしておけば、顔にモザイクがかかるだろう。
ところが、この作戦には大きな欠点があった。
真夏の炎天下、大量の汗で文字がにじんでくる。
その結果、普通にテレビに映ってしまった!
しかも、それを偶然、会社の上司に見つかってしまい・・・・・・。
来月のノルマが激増した。
次回は「倍速視聴」のお話です。




