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野球はスリーアウトから  月見草シーズン  作者:


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12/31

目覚まし時計

 二軍にぐんのグラウンドに、一人の投手が遅刻ちこくしてきた。


 練習れんしゅう開始かいしは二時間もまえだ。


 コーチはその投手に、遅刻ちこくした理由りゆうたずねる。


っている目覚めざまし時計どけいに、ぼけて野球のボールをぶつけてしまい・・・・・・」


 それで目覚めざまし時計どけい停止ていしした。そのままねむってしまった、と主張しゅちょうする投手。


「うそつけっ!」


 コーチはおこった。


 この投手はコントロールがわるいのだ。


 ぼけて目覚めざまし時計どけいにボールをてた? そんなコントロールがあるなら、一軍いちぐん監督かんとく推薦すいせんしている。


 ボールのはやさや、ボールのちからづよさでは、一軍いちぐんの投手たちをふくめても、トップクラスなのだ。この投手、もっとコントロールがければ・・・・・・。


 遅刻ちこくしたこと、そして、うそをついたばつとして、グラウンドの外側そとがわ十周じゅっしゅうはしってくるよう指示しじした。


 で、翌日よくじつになる。


 その投手、今日きょう遅刻ちこくしなかった。


 コーチにあさ挨拶あいさつをすると、あるものを見せてくる。


 へこんだ目覚めざまし時計どけいだ。時計とけい文字もじばんふかくめりんでいる。豪速球ごうそっきゅうでもたらないと、こういうことには・・・・・・。


 コーチはハッとする。そうか。そうだったのか。


うたがってすまなかった。おれほうちがっていたみたいだ」


 昨日きのうのことをわびると、コーチは自分じぶんへのばつとしてグラウンドの外周がいしゅうはしはじめた。


 コーチにかって、投手がさけぶ。


三周さんしゅうでいいですよ!」


「ありがとう!」


 コーチははしりながら思った。


 若者わかもの成長せいちょうはやい。コントロールがくなっているなら、そろそろ一軍いちぐん推薦すいせんしよう。


 あの投手が一軍いちぐん試合しあい活躍かつやくする、そんな姿すがたを思いかべて笑顔えがおになった。


次回は「始球式」のお話です。

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