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記憶の向こうにある幸せ  作者: みやび68


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第1話

「うわ、最悪⋯赤点なんだけど⋯」


友達が不機嫌そうな声をあげる。


「ノア、テストどうだった?」

「まぁまぁかな⋯奈緒はまた赤点?」

「そう、また赤点⋯放課後、図書館で勉強するの付き合ってくれない?」

「家でしないの?」

「うちの親、喧嘩ばっかでうるさくて⋯勉強に集中出来ないんだよね⋯」

「そうだったんだ⋯」

「早く一人暮らししたい〜!そういえば、ノアの親は?」

「うちは仲良しだよ!」

「親が仲良しだと、一人暮らししたいとか思わない?」

「一人暮らしかぁ⋯特にしたいと思わないかなぁ⋯」

「羨ましい〜!」

「まぁ、共働きだから一人暮らしみたいなものだけどね⋯」


スマホの通知が鳴り、届いたメッセージを見る。


『今日は彼氏のとこに泊まるから』


返信せず、スマホをしまう。


「あれ⋯返信しないの?」

「スタンプ押したから、返信はいいかなって⋯」

「なるほどね⋯てか、誰からだったの?」

「お母さん、今日はお父さんとデートしてから帰るって⋯」

「何それ、ラブラブじゃん!」


からかうような声に、誇らしくなる。


「そうだ⋯ノア、明日暇?」

「明日は家族でお出かけなんだよね⋯」

「そうなんだ⋯どこ行くの?」

「まだ決まってないけど、そんなに遠出はしないかな⋯」


そんな話をしていると、明日が待ち遠しくなってくる。


平日はデート、休日は家族でお出かけ⋯

私もそんな結婚生活を送りたい。

彼氏がいるわけでもないのに、そんな事をぼんやりと思っていた。

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