表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の螺旋  作者: Tomokazu
第五章
51/57

11


 11



 四華の側近に誘導され、凜と愛稀はアジトの裏口から外に出た。

 目の前に一台の外車が止まっている。見覚えのある車だった。左側の運転席のドアが開く。出てきたのは雷也だった。


「よぉ」

 と手を挙げてくる。凜はその姿をちらりと見て、

「愛稀、行くぞ」

 とそっぽを向いて歩きだした。


「ちょいちょい……無視すんなって!」


 慌てて言ってくる雷也を、凜は再び足を止めて振り返った。


「僕たちをあんな目に遭わせておいて、よくのこのこと顔を出せましたね」


「分かんだろ。あの時はああするのが最善だったんだ」


「四華にそそのかされて、ですか?」


「協力してやったんだよ。奴の話を聞くに、事の解決には奴の計画に乗るのがいちばんだと判断したんだ。コスモライフに寝返ったわけでも、お前を裏切るつもりだったわけでもねえよ」


「どうだか」


「まあ、詳しい話はおいおいだ。とにかく、車に乗れよ」


「…………」


「乗れって!」


 凜は黙ってただ雷也を見ていた。傍らの愛稀は彼の袖をくいと引っ張った。


「大丈夫。この人、悪い人じゃないと思う」


「そうか?」


「うん。多分――」


「多分って」


 愛稀の曖昧な物言いに凜は突っ込んだが、雷也は彼女に同調してくる。


「ほらな、嬢ちゃんもそう言ってんだしさ。第一、ここから山のふもとまで、歩ける距離でもねえだろうが。こんな山、バスだってなかなか通らねえぞ」


 雷也はくいと後ろに親指を突き出し、再度車に乗るように促してきた。確かに、徒歩で戻るのは現実的ではない。山道に出るとくたびれたバス停があるが、運行は数時間に一本という程度だ。仕方ないな――とでも言わんばかりに、凜は軽くため息をついた。


「ひとつ教えてください」


 と、雷也に言う。


「何だよ」


「一体、響さんは誰の味方なんですか?」


 凜の問いに、雷也は「はん?」と呆れたように言った。


「何言ってんだよ。決まってんだろ」


「というと?」


 凜が問い返すと、彼は不敵な笑みを浮かべて言い放った。


「俺は、真実の味方なんだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ