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異世界召喚された俺、エルフの賢者と融合して究極のキメラになる〜禁忌魔術で、滅びた帝国を勝手に復興させてもらいます〜  作者: 神蛇紫苑


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第七十七話 【カーム国・合同使節団視点】中編

ご来訪ありがとうございます。ゆっくり楽しんでいってください。

4月30日、1~60話にかけて、トラブルの確認をしたついでに、より物語を楽しんでいただけるようにセドリックの容姿を豹では無く親しみやすいように猫にかえてます。突然の変更もうしわけございません。詳しい内容は、28日の活動報告に記載してます。




我らカーム国・合同使節団の一行は今、帝国跡地の北森林入口に立ち、言葉を失っていた。


そこには、ただの深い森だったはずの場所を鮮やかに切り裂く、白く輝く「道」が続いていたからだ。


地面は精緻な石畳で舗装され、大型の馬車二台が余裕を持って離合できる広さがある。


両脇には15メートル間隔で、王都でも見かけぬほど意匠を凝らした街灯が整然と並んでいた。


だが、真に我々の度肝を抜いたのは、道路全体を淡く包む「膜」のような結界だった。


「アルヴィン殿、これは……?」


調査官の一人が外側から攻撃魔法を放ってみる。


すると魔法のつぶては膜に触れた瞬間、パッと霧が散るように霧散した。


物理的な盾として防ぐのではなく、魔法式そのものを解体し、無効化したのだ。


驚いて今度は物理的に打ち込もうと手を伸ばした瞬間、視界がゆがむ。


気づけば、触れようとした位置から一メートル後方へ転移させられていた。


「魔法の無力化に、自動転移だと!? ただの街道の安全装置に、これほどの術式を贅沢に組み込んでいるというのか……」


さらに戦慄せんりつしたのは、その結界の「知性」だ。


道の内側から小石を投げても反応しないが、明確な攻撃行為と認識される動きに対してのみ反応し、即座に弾き出す。


まるで道そのものが我々の意思を監視し、自動で裁きを下しているかのようだった。


「……一ヶ月前に街道を作るとは言っていたが、まさか、たった一ヶ月でこれほどのものを作り上げるとは……」


案内役であるはずのアルヴィンまでもが、初見の光景に口をあんぐりと開けて固まっている。


その様子を見て、我々は未知の技術への期待と、底知れぬ恐怖を抱きながら馬車に乗り込んだ。


道中は信じられないほど快適だった。


襲いくる魔物は結界に阻まれ、手出しできぬまま森へ逃げ帰っていく。


日が落ち始めた頃、道沿いに、我々の常識では推し測れない奇妙な構造物が見えてきた。


壁は磨き上げられた金属とガラスで構成され、あちこちから鈍く光る真鍮しんちゅうのパイプや巨大な歯車が露出している。


頭頂部からは幾重にも絡み合ったパイプから、うっすらと蒸気が噴き出していた。


魔道具のようでもあり、巨大な精密機械のようでもある異様な外観に、一行は「……なんだ、あれは。家……なのか?」と困惑する。


入口の横には、大きな看板が立っていた。


『自由休息所:ヘリックス・レストハウス』

本施設は無人で運営されております。どなたでも自由にご利用ください。利用後の清掃は不要です(自動洗浄術式が稼働中)。


「無人だと? この魔境のど真ん中で、管理人も置かずに……」


ヴィクトールが眉をひそめる中、一行は吸い込まれるように中へ入った。


そこで我々の度肝を抜いたのは、奥にある浴室だった。


壁から突き出した複雑な配管と、その先にある蓮口はすぐちのような器具。


「……アルヴィン殿、これは?」


ヴィクトールが怪訝けげんそうに尋ねると、アルヴィンは待ってましたと言わんばかりに鼻を鳴らした。


「ふふん、驚くなよ。こいつは『シャワー』というもんだ。いいか、見ていろ?」


アルヴィンは自慢げに、配管にある蛇口をひねった。


刹那せつな蓮口はすぐちから勢いよく、それでいて柔らかな温湯ぬゆが溢れ出した。


「なっ、魔法も使わずに温水が!? 井戸から水をむ必要も、火をく必要もないというのか!」


「ああ、そうだ。ひねれば出る、ただそれだけだ。村で初めて見た時は俺も腰を抜かしたが……まあ、これがここの当たり前らしいぜ」


アルヴィンの得意げな解説をよそに、我々は戦慄せんりつした。


平民にとって水や火は多大な労力で得るものだ。


それを指先一つで無尽蔵に供給する技術。


台所でも、商人たちが蛇口をひねるだけで水が出る仕組みに目をいていた。


だが、そこにある調理設備らしき台には、まきをくべる穴もなければ、煙突すら見当たらない。途方に暮れていた時、一人が壁に刻まれた文字に気づいた。


『初めてご利用の方へ:この壁に触れてください』


彼がその場所に触れた、次の瞬間。壁面が淡く発光し、鮮明な映像が浮かび上がった。


黒い猫の獣人――セドリックと名乗る男が、穏やかな声で語りかけてくる。


『ようこそ。目の前にあるのは、火を使わずに調理を行う魔導式調理台……いわゆる、次世代のかまどです。正面のレバーを左右に動かしてみてください。魔力をお持ちでない方でも、どなたでも安全にご使用いただけます』


「こ、これが……かまどだと?」


マルセルが恐る恐るレバーをひねると、天板の魔法陣が静かに回転を始め、一瞬で空気が陽炎かげろうのように揺らめき、猛烈な熱を発し始めた。


「画期的すぎる! 素人が熟練の料理人以上の火加減を一瞬で再現できるだと!? ど、どういう仕組みだ! こんな世界の常識をくつがえす技術を、なぜ無人の宿に平然と置いている!」


商人たちの目は血走り、獲物を見つけた猛獣のような熱気で調理台に食いついた。


寝室のベッドも驚くほど心地よく、我々は帝国跡地の深部であることを忘れて泥のように熟睡した。


翌朝、名残惜しさを感じながら施設を後にした一行の心境は、昨日とは一変していた。


これだけの富と技術を惜しみなく使う村のリーダーは、一体何者なのか。


一行を乗せた馬車は、期待と不安が複雑に混ざり合う中、既存の常識をことごとく破壊する未知の拠点、ヘリックスへとひた走るのであった。




最後までお読みいただき、ありがとうございます!

もし「続きが気になる!」「面白い!」と思っていただけましたら、

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のこり1話21時までに投稿予定しております。

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