第四十七話 まさかの事実とセドリックの圧が・・・。
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しばらく二人で再会を喜び合っていると、ついにしびれを切らしたセドリックが割って入ってきた。
「あのー、感動の再会のところ申し訳ございませんが……。そろそろ皆さん、空腹の限界を迎えていらっしゃいます。お二方もいらっしゃいませんか?」
笑顔ながらも凄まじい圧を感じる声に、私とシェリルは顔を見合わせ、「ごめんなさい……」と小声で謝るしかなかった。
「シェリル、動けそうだったら皆で食事にしないか? 仲間を紹介するから」
「大丈夫。痛いけど、動けないわけじゃないから」
私は彼女を支えながら、皆が待つテーブルへと向かう。
そこではラウ、セドリック、ノア、そして魔猿たちが、今か今かとそわそわしながら待っていた。
魔猿たちはテーブルではなく床の上で仲良く食事を囲んでいるが、その姿はどこか微笑ましい。
ラウは私とシェリルの関係が気になって仕方ないらしく、じっとこちらを伺っている。
その横で、セドリックとノアが忙しなく夕食を並べていた。
「セドリック、すまない。手伝ってあげられなくて」
「構いませんよ。ノアくんが手伝ってくれたので大丈夫です」
ノアは「えへへっ」と嬉しそうにしている。セドリックがその頭を優しく撫でる。
……ラウよ、少しは息子を見習いなさい、と心の中で呟いたのは内緒だ。
私はシェリルを席まで案内し、ゆっくりと座らせた。
彼女は「ありがとう」と礼を言いつつ、周りの面々を見回す。
人外だらけの光景に驚くのも無理はない。だが、シェリルはラウの顔を見た瞬間、そのまま硬直してしまった。
ラウはラウで、見知らぬ人間に凝視されて少し困惑している。
……ああ、だいたい予想はつく。席に着くなり、彼女は私の耳元で小声でまくしたててきた。
「(ちょっと、あの人誰!? ルナと同じ感じの種族みたいだけど……っていうかルナの今の姿も気になるし! 聞きたいことだらけなんだけど、あの人めちゃくちゃタイプ! 詳しく教えて!)」
「シェリル、少し落ち着きなさい。まずは食事が先だ。食べてからちゃんと話すから」
私はピシャリと制した。
彼女は「……ごめんなさい」とシュンとしていたが、並べられた料理を見た瞬間に目を輝かせた。今日のメニューは彩り豊かだ。
野草のサラダに、ラウが仕留めてきたイノシシのロース、キノコスープに、ミルキーツリーの果肉で作ったパン。
セドリック、君は今日から我が家の食卓の守護神だ。
私が料理に舌鼓を打とうとした隣で、シェリルは今世初のご馳走を前に、よだれを垂らしそうな勢いで目を爛々《らんらん》と輝かせている。
私はふと思い出し、習慣となっていたあの挨拶を口にした。
「……いただきます」
その瞬間、シェリルが過剰に反応した。
「えっ?”いただきます”?」
「……どうしたの?」
「ルナ、その言葉、どこで覚えたのよ」
「え? ああ、ごめん。つい癖で。こちらの世界だと『ゾフィアの導きに感謝を。この糧を叡智の火とし、我らの歩みを止めぬ力とせん』……だっけ。あの帝国の祈りは長いから、つい簡略化したくなって。……つい、あっちの世界の習慣が出てしまった」
さらりと答えた私に、シェリルが身を乗り出して詰め寄る。
「あっちの世界……? ちょっと待って、今の言葉。……それって、地球のこと? 日本なの!?」
心臓が跳ね上がった。
秘匿していたわけではない。
だが、まさかシェリルの口から地球や日本という言葉が飛び出すなんて、夢にも思わなかったのだ。
「っ……! なぜ、シェリルがその言葉を知っているの?」
「やっぱり……! やっぱり地球の日本なのね!? 貴女、あっちの世界を知っているの!?」
「そうだ……! なぜ、君がその言葉を知っているんだ……!?」
お互いに「なぜ!?」「どうして!?」を繰り返していると、再びセドリックの雷が落ちた。
「まずは食事から! ちゃんとご飯を食べてから、その話をしてください!」
二人して「ごめんなさい……」と謝り、黙々とフォークを動かす。
だが、私はどうしてもこれだけは先に釘を刺しておきたくて、こっそり小声で囁いた。
「シェリル、後で詳しく話すけれど、私は今、ルナではなくユエという名前なんだ。あと……今現在の性別は、男だよ」
その瞬間、シェリルは「どういうこと!?」と、かつてないほどの形相でこちらを凝視してきた。
横ではセドリックが再びお怒りの表情でこちらを見ている。
私たちは、それ以上言葉を発することなく、今はただ必死に食事を口に運んだ。
今日の最後の投稿です。また、明日投稿します。またね。
もし今回の「再会劇」にニヤリとしたり、今後の二人の関係が楽しみだ!と思っていただけましたら、
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