第四十二話 素材集め再開!からの不穏な空気
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その日の午後、急遽5体の魔猿たちを受け入れたことで、私たちの拠点は一気に活気づいた。
まずは食糧調達と寝床の確保だ。彼らはひどく痩せこけているので、一刻も早く体力をつけさせてあげたい。
「……まあ、あれしかないよな」
私はラウと魔猿たちに、高栄養なミルキーツリーの実を多めに、あとは食べられそうな山菜や魚などを集めてくるよう指示を出した。
その間、セドリックと私、そしてノアの3人は、寝床用の大きな葉や木材をかき集めるのに奔走した。
夕刻になる頃にはなんとか準備が整い、セドリックと私で手分けして調理を開始する。
出来上がった温かいシチューを出すと、魔猿たちは初めての味に目を輝かせ、何度もおかわりを繰り返していた。よほど気に入ったのだろう。
その後、お腹いっぱいになった彼らは、安心しきった顔で身を寄せ合い、深い眠りについた。
「……よほど、気が張っていたんだろうね」
その寝顔を見ていると、自然と独り言が漏れる。これからは私が責任を持って彼らを守っていかなければ、と改めて決意を固めた。
翌日、すっかり元気を取り戻した魔猿たちが、ノアと一緒に私のところへやってきた。
ノアが通訳してくれるには、今日も食糧調達や、仕事の手伝いをしたいのだという。彼らの方を向くと、溢れんばかりの忠誠とやる気が伝わってきた。
「それなら、食糧調達の技術や食べ物の場所について、この森の長老格であるラウに徹底的に教育してもらいましょうか」
これで食糧問題は目処が立つ。彼らの器用な手先と機動力は、今後の建設作業において大きな戦力になるはずだ。存分に働いてもらうためにも、まずはこの森での生き方を学んでもらうとしましょう。
私は彼らの教育をラウに任せ、心置きなく素材探しの調査へ向かうことにした。以前、セドリックに多機能魔導デバイスの設置を依頼した際、有望そうな鉱石反応を捉えていた場所があったのだ。
「さて、セドリック。行きましょうか。反応のあった場所には、私の理論を形にするための素材……例えば、より高効率な熱源や、安定した水質を保てる魔導媒体が眠っているかもしれません」
「はい、ユエ様! 私も新しい調理器具の素材が見つかるのではないかと、楽しみでなりません!」
期待に胸を膨らませるセドリック。一緒に行きたがって頬を膨らませているノアをなだめ、安全のために留守を任せる。
さて、どんな未知の素材が待っているのだろうか。研究者として、この未開の資源をどう文明的な生活に役立てるか。そう考えるだけで、知的な高揚感に血が騒ぐというものだな。
――しかし。この時の私はまだ、知る由もなかった。
ルナを裏切り、悠月を異世界へ突き落としたあの日の絶望。
時を超え、形を変えて、忌まわしき因縁の血脈が再び私たちの前に現れようとしていることを。
静かに回り始めた復讐の輪舞が、すぐそこまで迫っているということを。
続き考え中!あと、2話は、いつも通り21時までに投稿予定です。




