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異世界召喚された俺、エルフの賢者と融合して究極のキメラになる〜禁忌魔術で、滅びた帝国を勝手に復興させてもらいます〜  作者: 神蛇紫苑


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第四十一話 今後の問題解決案と新たな問題

ご来訪ありがとうございます。ゆっくり楽しんでいってください。




翌日、私たちは今後の生活設計を立てるべく、緊急家族会議を開いた。


ダイニングテーブルを囲むのは私、ラウ、そしてセドリック。そのかたわらではノアが楽しそうに読書にふけっているが、彼が手にしているのは既に学者レベルの難解な学術書だ。


……9歳にしてその知性、実に末恐ろしいな。


「さて、本題に入りましょう。セドリック、今一番困っていることはありますか?」


私が尋ねると、セドリックは切実な表情で訴えてきた。


「調理器具の不足です! このままでは料理のバリエーションが増やせません!」


「それは由々しき事態ですね……」


私は真剣な面持ちでうなずき、次にラウへ視線を向けた。ラウの腰から伸びる蛇の尾は、退屈そうにゆらゆらと宙を泳いでいる。


「ラウはどうですか?」


「俺か? 俺は特に困ってないぞ」


……まあ、そうだろうな。元が野生の魔物である彼にとって、文明的な不便という概念そのものが希薄なのだろう。


「では、私からの意見です。食事の改善はもちろんですが、インフラの整備と衣服の問題が深刻です。私のアイテムボックスにあった在庫も底を突きかけていますからね。……それと、トイレと風呂!」


現在は家の外に穴を掘って用を足しているが、衛生的にも、そして私の美意識的にもよろしくない。さらに風呂だ。今は水浴びで済ませているが、冬が来ればそれも不可能になる。


日本人としての魂が……いえ、私の美意識が、毎日湯船にからない生活を拒否しているのだ。


「あとは寝床の改善と、冬に向けた建物の修繕……。とりあえず、早急に解決すべきはこのあたりでしょうか」


3人で「うーむ」とうなりながら相談していると――不意に、私とラウ、それぞれの腰に宿る蛇の尾が同時に鎌首をもたげた。


私の蛇が、外からの未知の生体反応を捉えてシューシューと低い警戒音を鳴らす。キメラとして合成された私の感覚器官が、明確な不審者の存在を告げていた。


だが、それより早くラウの蛇がチロチロと舌を出し、鋭く空気中の匂いをぎ分けた。


「待て、ユエ。……外に誰かいる。だが、この匂い……同族だ。俺が行く」


ラウが立ち上がると同時に、かたわらで読書にふけっていたノアが「えっ?」と顔を上げた。彼にも立派な蛇の尾がついているが、難解な本に没頭しすぎていたのか、あるいは急激に成長した身体感覚にまだ慣れていないのか。自分の蛇がピリピリと震えて警告を発していることにも、今の今まで気づいていなかったようだ。


「父さん、どうしたの……? 何かいたの?」


不思議そうに首をかしげるノア。9歳にして賢者のような本を読みこなす彼だが、こういう瞬間の反応を見ると、やはり中身はまだ年相応の子供なのだと再確認させられる。


ラウが一人で外へ出ていく。私たちは心配になり、窓枠からそっと外の様子をうかがった。


そこには、せこけた数頭の魔猿マナ・プライメイトが立っていた。彼らの足元には、熟す前の青い木の実や、虫食いのある野いちごが申し訳程度に置かれている。敵対する様子はなさそうだ。


ラウはしばらく彼らと話し込み、やがて考え込むような素振りを見せた後、家の中へ戻ってきた。


「……ちょっと話がある」


事情を聞くと、彼らはノアが隠れ家で共に過ごしていた生き残りだという。かつてノアが彼らを守るために一人で戦い、返り討ちにされた際、彼らは元長の恐怖にあらがえず、傷ついたノアを置き去りにして従うしかなかった。


その後、ノアの生存を知り、ひどく後悔してここを訪ねてきたのだそうだ。元長という恐怖から解放されたものの、生き残ったのは経験の浅い若者ばかり。天敵の多いこの森で生存の危機にひんしていた彼らは、恥を忍んで助けを求めに来た――。


そして、何よりノアに謝罪したいのだと。


これはラウとノア、当事者たちの心境の問題だ。私が口を出すべきではないと考えていると、ノアが本を置き、すっくと立ち上がった。


「父さん! 僕は気にしてないよ。むしろ、仲間たちが生きていてくれたのが嬉しいんだ」


「……お前がそう言うならいいのだが」


ラウの蛇の尾が、彼の複雑な心境を表すように低く垂れ下がる。


「父さん! お願い、彼らを助けてあげて!」


ノアの必死な訴えに、ラウが私を見た。


「この住処すみかおさはユエだ。ユエが決めることだから、まずはユエにお願いしなさい」


ノアが私に向き直り、潤んだ瞳で訴えてくる。さらにはラウも「俺があの男に屈していたことが、事の元凶でもある。俺からも頼む」と深く頭を下げた。


私はしばし思考し――そして、潔く答えを出した。


「……ええ、いいですよ。家族が増えたなら、それに見合う解決策を考えるまでです。彼らを迎え入れましょう」


「これは料理の腕が鳴りますね!」


セドリックが早くもやる気を見せ、私の尻尾しっぽの蛇も、新たな展開への期待からかピンと上を向いた。


外では、ノアが駆け寄った仲間たちと再会を喜び合っている。さて、家族が増えるとなれば問題は山積みだ。食料確保に、新たな寝床の構築……。


「まあ、なんとかなるでしょう」


足元に置かれた、自分たちが食べる分さえ事欠いているはずの青い木の実。彼らなりの精一杯の謝罪を見るに、根は決して悪い子たちではない。


私はそう確信し、新しい同居人たちのために思考をおさとしてのそれへ切り替えた。



今日は、これでおわります。また明日。


第三十八話 ラウが無事帰還!能力大幅向上読んでくれた方に。4月16日の朝9時いこうに、大幅に、修正と話し追加してるので。確認してない方は、お手数ですが、読み返しおねがいします。

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