第三十話 【ラウ視点②】
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【ラウ視点】
翌朝、息子が目を覚ました。
俺は一足先に起きていた、二人が待つ食卓へ息子と向かうことにした。
『ついてきなさい。腹が減っただろう? 今、とびっきりうまいものを食べさせてやるからな』
念話でそう伝えると、息子は「本当!? 僕、お腹空いた!」と、期待に瞳をキラキラと輝かせて俺の後ろをついてきた。
食堂の扉を開けると、ちょうどセドリックが俺の大好物であるシチューを並べているところだった。
その瞬間、なぜかユエの方から説明のつかない謎の視線を感じ、背筋にツッとした悪寒が走る。
(なんだ……? 悪いことはしてないはずなんだが……)
思わず身震いしてしまったが、気にせず席へ向かった。
「おはようございます、皆様」
セドリックはニコニコとした穏やかな顔で、湯気の立つシチューを並べていく。
息子はといえば、初めて見る相手に少し怯えていたが、俺の真似をして大人しく席についた。
そんな息子に、セドリックは「熱いから気をつけてくださいね」と優しく声をかけながら、料理を目の前に置いてくれた。
俺は念話でスプーンの使い方を教え、セドリックが言った言葉を軽く説明してやる。
息子はおずおずと最初の一口を口にした。
その瞬間、瞳をキラキラと輝かせ、猛烈な勢いで目の前の料理を平らげ始めた。
育ち盛りなのも相まって、すぐにおずおずと「アウ! アウ!」とおかわりを要求し始める。
「はいはい、どうぞ。たくさんありますからね」
セドリックが嬉しそうに、おかわりを皿に注ぐ。
『そうだろ、そうだろ! うまいだろう!』
俺は念話で自慢げに言い放ち、さも自分が作ったかのように、これでもかと胸を張ってやった。
息子はまた夢中で食べ進める。
――だが、そんな賑やかな食卓に、ふと静寂が訪れた。
勢いよくおかわりを頬張っていた息子の手が、ぴたりと止まったのだ。
スプーンを握りしめたまま、窓の外、遠くに広がる暗い森の方を不安げに見つめている。
『……お母さん……』
漏れ聞こえてきた悲しげな念話に、俺の心は一気にざわついた。
やはり、群れで何かが起きたんだ。確信に近い不安が、温かかったはずの胸の中を冷たく通り抜けていった。
しばらくして、俺はユエとセドリックに頼んで席を外してもらい、息子に何があったのかを念話で詳しく確認することにした。
前置きのために、似た内容ですが。ラウの心境を書きたかったのですみません。今3話目内容考え中です。少々おまちください。




