第二十二話 新たな食卓に彩りを!忍び寄る危機
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ごしらえを済ませた私たちは、早速身支度を整えて拠点近くの広場へと集まった。
今回の作戦は二手に分かれての行動だ。
私とラウのペアは、食用となる植物の採取、そして私のアナライズ・メガネにも登録されていない未知の植物の発見を目的としている。
もしかしたら、生存に有用な何らかの使い道があるかもしれない。
……ええ、断じて私の個人的な好奇心を満たすためだけではない。
未知の資源確保は、この過酷な世界で生き抜くための立派な生存戦略なのだ。
本当だよ。
一方、セドリックには重要な任務を任せることにした。
私は彼に、昨夜作り上げたばかりの試作1号機を手渡す。
「セドリック、これを持って行ってください。私のアイテムボックスを応用して具現化した、特殊な亜空間ショルダーバッグです」
バッグの中には、今回彼に依頼する一式が収められている。
私はまず一通り、セドリックにバッグ自体の使い方を説明した。
中に入っているのは、防衛用ビーコン、レーダー探知機、さらには通信用受信機としての機能を詰め込んだ多機能魔導デバイスだ。
あまりに機能を盛り込みすぎたせいで、まだ正式な名前すら決まっていない開発途中の代物だが、まさかこんなに早く役に立つ時が来るとは思わなかった。
私はデバイスを手に取り、設置する際の注意点や手順、そして設置後の起動方法についても入念にレクチャーを施す。
「これを、事前にトリニティ・アイズで調査しておいた各ポイントに設置してきてください。これが稼働すれば、離れていても通信ができ、互いの居場所や不審な動きをする存在を事前に察知できる優れものですから」
「承知いたしました、ユエ様。設置のついでに、周囲で使えそうな素材も確認してまいります」
流石は私の助手、こちらの意図を完璧に汲み取ってくれる。
さらに、今回は広範囲に分かれて行動するため、トリニティ・アイズの3機をそれぞれの随行につけることにした。
「ムニン、貴方はセドリックに付いていってください。仮の通信手段とGPS役として彼をサポートするように」
『分カリマシタ、マスター。セドリックヲ、サブマスタートシテ登録シ補助シマス』
ムニンが機械的な、けれどどこか頼もしい声で応じ、セドリックの傍らへと浮遊していく。
残る2機のうち、索敵に長けたフギンは先行するラウの頭上へ、そして統合司令塔であるヴァルキリーは私の随行として起動させた。
「よし、これで連携は万全です。……それでは、出発しましょう」
三者三様のドローンを連れ、私たちはそれぞれの目的を胸に、二手に分かれて廃墟の森へと足を踏み出した。
次の話を制作中少々おまちを今日は、あと2つ話だす予定です。




