第二十話 探索の前に、下準備!
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翌朝、私は一人で拠点の近くの森へと足を運んだ。
これから本格的な探索を始めるにあたり、まずは自分たちが今どこにいるのか、周囲の地形を正確に把握しておく必要があると考えたからだ。
私は空間収納から、使い慣れた索敵用の魔道具『トリニティ・アイズ』を取り出した。
思考を司るフギン、記憶を司るムニン、そして俯瞰と統合の司令塔ヴァルキリーの三機で構成された、自律浮遊型の魔導機だ。
「起動」
私の声に呼応し、三機が起動する。
まずヴァルキリーが上空へと舞い上がり、私を基点として静止。
それを中心に、フギンとムニンがそれぞれ時計回りと反時計回りに高速回転を始めた。
全方位360度へ目に見えないレーザー網を放射し、辺りの走査を開始する。
ヴァルキリーを中継して、私の解析眼鏡には周囲の状況がリアルタイムで三次元地図として転送されてきた。
「……よし、走査完了。次はデータの統合だな」
順調に作業を終えると、私は次に空間収納からタブレット端末のような中継デバイスを取り出した。
一度眼鏡を外してその端末にセットし、さらに正方形の筆箱のような箱から、一見すると「削っていない新品の鉛筆」のような黒い棒を取り出す。
これは鉛筆ではなく、いわば外部記憶媒体《SSD》型ツール。
中には地形資料が凝縮された拡張データが入っている。
この魔導デバイス、正式名称を『理の修正』……略して『MOD』というらしい。
(……いや、そのまんますぎないか?)
地球の遊戯知識がある身としては、機能を追加する拡張パッチを当てている気分で、なんだかニヤリとしてしまった。
当時の私が、研究に不要な記憶容量を節約するために機能を削ぎ落としていたおかげで、こうして一本ずつ拡張機能するように再導入し直さなきゃいけないわけだ。
(当時の私は効率厨だったからな。必要ないデータは片っ端から外部記憶に放り込んでいた。……過去の自分に感謝だな)
端末の側面にある穴にその棒を差し込むと、淡い光が走り、眼鏡への更新が始まった。
これで現在の地形と、過去の帝国データが照合可能になる。
「これでよし。あとでセドリックの片眼鏡にも同じ手順で再導入してあげよう」
これで午前中の作業は終了だ。本格的な探索は、お昼ご飯を食べてからにしよう。
最近のセドリックは、解析による知識の吸収も相まって驚くほど料理が上達していた。
「今日のお昼ご飯は何かな……」
空腹を覚えつつ、私は上空で待機していた魔導機たちを回収し、楽しみに胸を躍らせながら拠点へと戻っていった。
あと、1話投稿予定。少々おまちを。もし気に入ってくれたらブックマークと評価、あと感想などおねがいします^^最後まで読んでくれてありがとうございます。




