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悪の組織【ケッター】。
其の本拠地は山奥の交通の便の悪い場所に有る。
という訳ではない。
以外にも近くに有った。
というか近すぎた。
普通に。
隣町でした。
「隣町に悪の組織の本拠地が有るなんて有り?」
「木を隠すなら森の中といいますか」
うん。
明日香さん。
目を逸らすのは止めようか。
「建物を隠すなら建築物が多い方が良いという理屈は分かる」
「言わないでください」
視線を逸らすな。
「いや言いたい」
「言いたいことは分かります」
僕の呆れた顔に居たたまれない顔をする明日香さん。
畜生っ!
可愛いじゃねえか。
僕の嫁さん。
しかも美少女。
でも今は其れどころではない。
建物に僕は集中する。
見えずらいな~~。
等と思いながら僕は来る途中で買った結束バンドを弄ぶ。
金属バットは護身用として持ってきました。
「目の前の平屋が悪の組織の本拠地とは普通思わんけどな」
「偽装として普通の平屋が採用されているらしいです」
僕の言葉に思わず明日香さんがため息を付く。
そう平屋。
建物は何処にでもある様な家だった。
やや赤みを帯びた瓦に現代の建築技術をふんだんに使って建てられた民家。
多分建築費は僕の家と変わらないレベル。
普通の民家にしか見えない。
見えないから偽装何だろう。
うん。
そう思う。
という事で合ってくれ・。
「××異常無し」
「××ああ×」
近くの建物に身を潜めた僕はスマホの角度を上手く変える。
電源を入れてないスマはを鏡代わり出来るんだよね~~。
此れは堅気では無いな~~。
あの雰囲気は。
家に出入りしてる者たちを見れば違うと分かる。
明かに怪しい黒いスーツ姿の男たち。
その数二人。
グラサンを全員付けてるから怪しさ爆発である。
偏見かな~~。
いや普通に何処かの暴力団組織の建物と言った方がしっくりする。
……という感じでもない。
どれも違和感が酷い。
何というか無理やり民家を使用してる様な感じがする。
気のせいかな?
……うん?
「え? 採用って支部もこんな感じ?」
先程聞いた明日香の言葉に僕は聞き返す。
「はい」
「え~~」
呆れた。
「言いたいことは分かります」
頭が痛いのだろう。
額を抑えてる。
「まあいいや」
「其れでは手筈通りに」
そういいながら明日香はそのまま隠れていた建物の陰から出る。
一瞬身構える男たち。
だけど明日香の姿を見ると敬礼する。
うん。
もう少し。
あと少し。
良し。
「変身」
明日香の声がする。
其れを合図に僕は走る。
「必殺うううううタコ殴りっ!」
「ぎやあああああああああああああああっ!」
僕は金属バットを男の頭部に叩き込む。
瞬時に異変を感じた男たちは声を上げようとしたが遅い。
視界の隅では閃光と共に変身した明日香は男を気絶させていた。
「ふう安心しろ峰打ちだ」
「金属バットの何処に峰が?」
明日香さん突っ込みは無しで。
というか何故僕から離れる?
其のあとは簡単に縛り上げ猿轡を嚙ませると近くの家の裏に隠した。
この間五分。
結束バンドは便利ですね。
本当に。
「意外に簡単だな~~後は中に入ったら作戦通りに……」
「……」
何で距離をとる?
「作戦をだね~~聞いてます?」
「……」
明日香さん?
僕の姿を見て怯えないでください。
泣くからね。
そう思いながら僕は血まみれの金属バットをハンカチで拭う。
塩分で錆びるからな~~。




