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 長く艶やかな髪。

 透き通るような白い肌。

 二重瞼で気の強そうな印象を与える瞳。

 強意思を感じさせる引き締まった唇。

 黒を基調としたゴスロリ服。

 見るからに美少女だ。

 十代後半。



 見るからに美少女だ。


 其の美少女は土下座していた。


 僕の家の畳の上で。


「降伏の証として此れを差し上げますので助けて下さい」


 美少女は僕に向けて謎のカプセル二つを差し出す。

 はて?


「ワニが美少女に化けた」

「化けてませんっ! 此方が本当の姿ですっ!」



 いやそう言いたく成る。



「似非少女が本当の姿って……何処の狸だ? 狐か?」

「其処っ! いい加減に化けてることから離れろっ! 一般人っ!」

「其の一般人に恐怖してお漏らしした人に言われてもなあ~~」

「言うなああああっ! 糞デブウウウウウっ!」



 僕の言葉に狂乱するワニ怪人。


 いや元ワニ怪人かな?



 此の美少女。


 ワニ怪人が変身を解いたら美少女に成りました。




 うん。


 意味わからん。


「やるな~~我が息子は~~生身で怪人を圧倒するなんて……」

「人を化け物みたいに言わないでください」



 不本意です。



「悪鬼羅刹の方が良いか?」

「普通の一般人です」




 実の父の発言に呆れる僕。



「「何所が?」」

「仲いいな正義の味方に悪の怪人」


 御父さんと元怪人のツッコミに僕は言い返す。


「時にワニ怪人」

「何ですママチャリライダー?」

「良いのか此れ? 普通に悪の組織の規律違反だが……」




 御父さんは畳の上に有るカプセルに指をさす。


 

「害意が無いのを証明するためです」

「悪の組織の重要機密だろう」

「そうですが」

「粛清対象になるぞ」

「それはそうです」

「怖くないのか?」

「確かに怖いですが……」

「ならどうして……」

「笑いながら生きた怪人を埋葬する一般人より怖いと?」



 青い顔をして震えながら話す元ワニ怪人。



「悪かった」

「分かってくれましたか」

「ああ」




 異常者を見る目で此方を見るのは止めて。

 

 


「二人の話はこの際置いとくけど此れ何?」

「戦闘用経口ナノマシンです」

「捨ててくる」

「ちよっとおおおおおおっ!」


 立ち上がってナノマシンを捨てようとする僕に縋りつく。


「分かってるんですかっ! 其れ下手すれば数百万円の価値が有るんですよっ!」

「胡散臭い」



 普通そう思うだろうに。



「いいいいやああああああっ! ママチャリライダー止めてえええっ!」



 悪の怪人なのにヒーローに頼るな。


「ああ~~実際は違うけどな」

「ほらな」

「ママチャリライダーあああああっ!」



 御父さんの言葉に絶叫する。

 煩いな~~。




「材料費込みなら三千万ぐらい……」

「貰おう」



 現金というでなかれ。

 


「最初からそう言いなさい……」


 美少女がグッタリしてる。

 レアかも。








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