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 のんびりと御茶飲んでる時の事だ。





 リンリンと携帯が鳴った。

 御父さんの携帯電話だ。

 因みに未だにガラケーである。


「はい……おやっさんっ!」

「ぶひいいいいいいいっ!」



 御父さんの言葉に思わず噴いた。

 おやっさんって……。



「どうした? 行き成り噴いて」

「いえ……つかぬことを御聞きしますが御父さん」



 何か疲れがドッときた。


「何だ?」

「おやっさんって?」

「ああ~~改造ママチャリの専属メカニック兼サポートをしてくれた人だ」

「ですよね~~」



 お約束だ。

 というか此処まで似せなくても良いのに。



「昔使ってたママチャリの整備をおやっさんに頼んでたんだ」

「はあ」


 やっぱりか~~。





 おやっさん。




 本名は立花東陶。






 設定では元々はホンタモーターズというバイク屋の店長です。


 唯のバイク屋の店長何だが……。

 何故かママチャリのメカニックをしてるという謎の設定を持っている。


 しかもそれだけではない。


 ママチャリライダーが怪人に敗れる度に彼が考案した特訓を施し勝利に導いてるのだ。

 そして歴代のママチャリライダーの面倒も見てるという謎の人物である。



 というか……。

 ママチャリライダーのママチャリは普通の人は整備できんと思うんだけど……。


 本気で謎の人物だ。


「おやっさん~~どうですママチャリは? え? はい」


 う~~ん。


「はい修理代込みで三万えですね」

「えええええええええっ! 御金とるのっ!?」



 思わずお父さんに突っ込む。


「そりゃ商売だし仕方ないよ」

「商売っ!?」



 驚愕の事実に僕は驚く。



 ママチャリの整備と修理にしては高い。



 だけどママチャリライダーの愛機を修理するなら安い。


 安いんだけど……。

 何か釈然としないのは僕の気の所為かな?


「あ~~はい今から取りに行きます」

「取りに行くんだ~~」




 僕は死んだ目をする。



「ああ敵は待ってくれない万全を期して迎え撃たなくては」

「ああ~~うん」



 僕は遠い目をして頷く。



 うん。


 深く突っ込んだら負けかな。




 一時間後。



 御父さんは愛機を貰ってきました。


 ママチャリライダーの愛機。



 うん。



 おかしいな~~。


 僕の目の錯覚かな?

 

「あのう~~御父さん?」

「何だマー君?」


 ニコニコしながらママチャリを点検する御父さん。


 御父さんの愛機を観察す事暫し。


 錆びの出始めた歪んだ買い物籠。

 塗料の剥げた車体。

 普通のタイヤ。

 


 うん。



 普通のママチャリだ。


 どこぞの店で買えば二万くらいでする代物です。




「此れは昔から御父さんが愛用してるママチャリでは?」

「そうだけど?」



 え~~。

 何と言えば良いんだろう僕は。



「唯のぼったくり修理やんっ!」

「違う」

「そうやんっ!」


 何言ってるんだろうという顔は止めて。

 本当に。

 御父さん。

 




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