7.モルガナ
コーデリアはミスト嬢のお茶会に行く準備を始めた。今回も侍女エリーと護衛にカイト達を連れて行く事になった。
王都に立つ前日、エルパーカー伯爵が少し起き上がれるようになり、皆は喜んだ。
「……コーデリア、大事な時期に心配をかけたね。」
まだ弱っている父を見て心配そうに手を握る。
「無理をしないで下さいね。私、王都で病気の事を調べてきます。またすぐに戻ってきますから。」
コーデリアは寝室を出て気持ちを落ち着けた。そしてモルガナが来ている事を知り客間に向かった。
コーデリアは客間に入りモルガナに挨拶をした。
「モルガナ嬢、父のお見舞いに何度も来て頂きありがとうございます。」
モルガナは視線を外して小さく答えた。
「……いえ、エルパーカー伯爵には良くして頂いてますから。」
「最近、元気が無い様ですが、体調はいかがですか?」
モルガナは落ち着かない様子で自分の腕をさすった。
「体調は大丈夫よ。貴方…ドレスの事、怒ってないの?」
コーデリアはハッとした。
「派手なドレスだと噂されていた事ですか?お勧めを聞きましたが、着る事を選んだのは私です。貴方のせいではありません。」
まだ俯くモルガナに優しく言う。
「それに、流行りじゃないという理由でリボンを笑うなんて、理解出来ません。私はリボン好きですよ?似合わないかもしれませんが!」
「ふふ。貴方と話ていると、噂をしていた人の方が滑稽に思えるわね。」
コーデリアはモルガナが笑ったのを初めて見た。とても可愛らしい。
モルガナがふと思い出した様に聞いた。
「ライアン王子と別れたのは…ドレスのせいじゃないの?」
「関係が無いとは言えませんが、遊ばれたのかなと思っています。情け無いです。」
コーデリアは肩をすぼめ大袈裟にため息をついた。
「そうだったの。」
「モルガナ嬢、体調はどうですか?我が領には沢山美味しいお野菜や果物がありますから食べて下さいね。今日は黄芋のお菓子がありますよ。」
「兄妹で同じ事を言うのね。エルパーカー伯爵も優しくしてくれるし。」
モルガナは決意したようにカバンから手紙を取り出し、テーブルに置いた。
「この手紙をミスト嬢に渡して欲しいの。でもこの事は誰にも言わないで。」
モルガナの手は微かに震えていた。




