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ザインクラフト  作者: 白黒灰無
第四章

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虹の影


「何が何やら、訳がわからん。」


俺達は途方に暮れていた。


白銀都市は完全に沈黙している。


都市の中を探索したが、結局何も分からなかった。


俺達は後ろ髪を引かれる思いで、その都市をあとにした。


帰る船内で、隣に眠る凛を見る。


彼女は相変わらず、目を覚まさなかった。


それに――


麗……どこにいるんだ!


彼女は、結局見つからなかった。


白銀の問題は、解決したとは言い難いが、目前の脅威は一応消えたと言えるだろう。


もちろんこれからも調査はするが、あれではな……進展も望めそうにない。


「君は、どうするね?」


「そうですね。一応あちら側に帰ります、と言いたいところですが……虹鋼都市に連絡は取れますか?」


「……ノインツェン統主の件か」


「ええ」


金河は俺に虹鋼都市へ迎えと言った。


そこにいる者なら、何か知っているかもしれない。


「虹鋼都市は現在どうなっているのですか?」


「その件については……」


外線コールが鳴る。


極夜統主はこちらに目配せをし、俺はそれに同意する。

「こちら黒金都市統主、黒金極夜だ」


それから少し話をしたのち、彼は俺を見る。


「虹鋼都市から今、アポイントがあった。冬、君と話したいそうだ」


「……随分と、タイミングがいいな」


虹鋼都市は謎が多い。


なんせ他所の星から来た連中だ。


ノインツェン統主の行動から見ても、目的は君なんだろうな。


「どうするね?」


連絡受信端末を受け取る。


「……もしもし?」


『はじめまして。冬様ですね? 秋と申します』


落ち着いた声の女性だ。


秋……金河の言っていたやつか。


「……どうも。虹鋼都市の関係者、でよろしいか?」


『はい。本来ならノインツェンが応対する予定でしたが、今は私が虹鋼都市の統主代理とさせていただいております』


『まずは謝意を、こちらの統主がご迷惑をおかけし得申し訳ございません。信じてはもらえないと思いますが、あれの蛮行はこちらの本意ではございません』


本当に信じられないことをのたまう。


こちらは実際被害がでているし、虹鋼都市はノインツェンの動きに対してなんのアクションも起こしていなかった。


どちらに転んでも謝れば済むとさえ思っていたのではないか、そんなふうにも取れる謝罪だ。


あまり、いい気はしなかった。


『疑問や不満は多くあるかと思いますが、お話は直接会ってからさせていただきます』


『あなた様もまだ、やることが残っておいででしょう? 問題が片付きましたら、虹鋼都市にいらしてください』


「まさか、こっちの都合に合わせてくれるわけ?」


『はい。統主が迷惑をかけたこともありますが、こちらはお願いする立場ですので』


『そちらの都合を優先していただいて問題ありません。準備ができ次第、お越しください』


「……そうですか。では、こちらの準備が整い次第、ご連絡させていただきます」


通信を切る。


「ずいぶんと、スムーズに話が進んだな」


「こちらは白銀都市をもう少し調べさせてもらおう。君のほうで準備が出来たら連絡をくれ。虹鋼都市とスケジュールを調整する」


「ありがとうございます。お願いします」


「それと……君は、宙に向かうつもりなのかい?」


「……話の内容によります。下手に面倒事へ首を突っ込む気はないので」


「そうか……」


「……そのも、連れて行くのかい?」


「ええ。巻き込みたくはなかったのですが……彼女もまた、何か大きな問題を抱えているのかもしれない。それならば、守ってあげたい」


「……そうか。そうだな。大切な人間は近くに置いておくほうがいい。突然いなくなられるのは、堪えるからな」


「存在劣化症の治療の件も、少し時間がかかるかもしれませんが」


「こちらとしては構わない。というよりも、余裕ができたからな」


「最近は虚無に襲われる件数も、劇的に減っている」


「……それは、本当ですか?」


「ああ。なにか、気になることでも?」


「……いいえ」


嫌な予感がする。


ケイオス以降、虚無からの接触が一切ない。


それが、ずっと気掛かりだ。


なにかが、動こうとしているような――


不吉な予感だけがあった。



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