7話 「わたし…きれい?」 恐怖の蘇生 前編
皆さんご存知、口裂け女の登場です。
コメント待ってます!
では!
皆さんはマスクをした若い女性が、学校帰りの子供に「わたし…きれい?」と訊ねてくる。「きれい」と答えると、「これでも?…」と言いながらマスクを外す。
するとその口は耳元まで大きく裂けていた。
「きれいじゃない」と答えると鎌や鋏で斬り殺されると言う都市伝説をご存知だろうか?
これを聞いてピン!と来た人も多いだろう…
そうこれは1979年の春から夏にかけて日本中を恐怖に陥れ社会問題にまで発展し日本でも有名な都市伝説の一つ「口裂け女」である。
1979年8月、それまで全国を席巻していたこの噂は急速に沈静化しその後、完全に日本から口裂け女の噂は聞かなくなった。
しかし2010年…全国に口裂け女が現われたと言う噂が再び広がっていた…
勿論、口裂け女の噂は龍二や理恵の耳にも入っていた。
最近は悪霊の活動が盛んで獣騎士達は退治に追われており噂に付き合っている暇はない。
しかし噂だけとは言い切れない事件が起きた。
ある小学校から帰宅する途中だった男子小学生二人が口裂け女を見たと言うのだ。
子どもの見間違いの可能性はあるがその二人の小学生と一緒に下校していた女子小学生が行方不明になり勿論、警察も必死に捜索したが見つからず姿を消した四日後に自宅の前で惨殺されているのを発見されたのである。
その女子小学生の口は耳まで裂かれていたという。
その後も同じ事件が相次いだ…
新聞やマスコミは「口裂け女復活か!?」「口裂け女の恐怖再び」などと言う見出しで大々的に伝えた。
最近では小学生や中学生だけではなく高校生にまで被害が出始めていた。
しかも龍二の高校の近くの高校からも被害は出ている。
口裂け女の噂は龍二の高校中に広まっていた。
現在高校の授業中…
するとこの高校の校長である島野が教室に入ってきた。
そして龍二を呼び出した。
連れて行かれた場所は進路相談室…
龍二が進路相談室に入ると木島が椅子に座っていた。
木島が鍵を閉めろというので理恵は鍵を閉めた。
そして龍二は用意されていた椅子に座った。
そして龍二は座るや否や言った。
「何か用ですか?…木島のおじさん」
「お前の耳にも少なからず口裂け女の話は耳に入ってる筈だ」
「確かに聞いてはいますが口裂け女なんて本当にこの世に存在するのでしょうか?父の日誌にも口裂け裂け女の事など書かれてはいません」
木島は煙草を吸いながら言った。
「確かに俺もただの都市伝説だと思っていたが自信がなくなった」
「それはどういう事です?」
「俺が見ちまったんだよ…巨大な鋏を持っている口裂け女を…俺の部下の一人は連れて行かれちまった…」
「それは口裂け女の格好をした模倣犯では?…」
確かに模倣犯と考えるのが普通である。
「ありゃ人間じゃねぇよ…ある奴がビビッて銃を乱射したんだがピンピンしてやがった…極めつけは俺の部下を背負って逃げたんだがその逃げ足が速すぎる…あんなのボルトでも勝てねぇぜ…」
木島はその時の事を思い出してか手や足がガタガタ震えている。
「頼む龍二!俺の部下を救ってやってくれ!それに俺の部下以外にも人質がいるんだ!頼む!」
木島は龍二の目の前で土下座をした。
龍二は口裂け女退治に協力する事になった。
龍二が教室に戻ると休憩時間となっていた。
クラスの間では口裂け女の話題で持ちきりだ。
拓也が戻ってきた龍二を茶化す。
「龍二!説教されたのか?」
龍二は面倒くさそうに答えた。
「そんなんじゃない…」
すると拓也はつまらなそうに席に座った。
自分の席には美咲が座っていた。
「退け…邪魔だ」
美咲は龍二を無視して理恵と喋っている。
「おい!」
龍二は少しキツメに言った。
すると美咲は龍二の方を見てニヤリとした。
「そういえば辰巳君、由香里と遊園地に行くって約束したんだって?」
「龍二…まさか…そういうのがタイプなの?」
理恵まで龍二を茶化すと龍二はそれを慌てて否定する。
「バッ…バカ言うな!あれは…元気付ける為に言っただけだ」
すると美咲は意地悪そうな顔をして言った。
「へぇ~それ知ったら由香里悲しむだろうなぁ」
「龍二最低ね…」
「お…お前らなぁ!…今度暇な時に行くと伝えておけ」
龍二は怒りを何とか押し殺した。
そんな龍二を見て美咲と理恵がクスクス笑う。
その日の放課後…
龍二は足早に高校を出ようとしたが理恵が校門の前に立っていた。
「ねぇ龍二、今日久しぶりにご飯でもうちに食べに来ない?」
龍二は立ち止まって無表情で答えた。
「そんな暇はない」
そして足早に立ち去る龍二…
そんな龍二を見つめる理恵…
「まだ怒ってんのかな?短気な奴」
実際、龍二は口裂け女を探しに行く為に断っただけで別に怒っているわけではない。
夕方…一人の男子中学生が家に帰宅する為に歩いていた。
するとその小学生の目の前には髪が長く赤いコートと白のパンタロンを履いている女性が立っていた。
その男子中学生が口裂け女だと気づき逆方向に逃げようとしたがあっと言う間に回り込まれてしまった。
ブルブル震えて怖がる中学生に口裂け女は聞いた。
「わたし…きれい?」
その中学生は恐怖のあまり何も喋れない…
しかし口裂け女は中学生に聞き続ける。
「わたし…きれい?」
少年の目からは涙が零れ落ちる。
その間にも口裂け女はゆっくりと中学生に近づく。
徐々に口裂け女と中学生の距離が縮んでいく。
その時…
口裂け女の前に龍二が立ちはだかった。
そして龍二はその中学生に一言…
「逃げろ」
と言った。
まだ少年はそこに突っ立っている。
龍二は怒鳴った。
「早く逃げろ!」
その少年はようやくその場を走り去った。
龍二は口裂け女を睨みながら言った。
「お前が口裂け女か?」
「わたし…きれい?」
「連れ去った人間は何処だ?」
「わたし…きれい?」
「連れ去った人達は何処にいるかと聞いている!」
「わたし…きれい?」
龍二は少しイラついた様子で言った。
「お前ふざけてるのか!?」
「わたし…きれい?」
龍二が何を言っても口裂け女は「わたし…きれい?」しか言わない。
龍二は話にならないと感じたのかこう吐き捨てた。
「きれいかって?冗談は顔だけにするんだな」
口裂け女の表情が変わった。
目つきが鋭くなり殺気に満ちている。
そして遂にマスクを外した。
マスクを外すと耳まで裂けた口が現われた。
そして
「お前もこうしてやるぅ!!」
と言った。
すると口裂け女の手に鎌が出現した。
そして龍二に目がけて突進してきた。
龍二は冷静にそれをかわすと腹部に蹴りを入れた。
だが…
また直ぐに鎌を振りかざした。
龍二はそれをバク宙でかわした。
次から次に口裂け女の攻撃が続く。
だが龍二はそれを冷静にそしてバク宙、バク転、前宙などを駆使してアクロバティックにかわしながらその間にもパンチやキックで応戦した。
しかし素手での攻撃は全く効いていないのか口裂け女は痛がる様子がない…
龍二は素手での攻撃を諦め剣での勝負に出た。
すると口裂け女の持っていた鎌が大きな鋏に変形した。
それには龍二も驚いた。
「随分便利な凶器だな」
そう言っている間にも口裂け女は鋏で龍二を攻撃した。
龍二も剣で応戦した。
キィィィィィン!!
しかし競り合ったが龍二は押された…
「何て馬鹿力だ!?…」
口裂け女の力は凄まじく今まで戦った魔物の中でもトップクラスだ…
龍二は口裂け女の腹部を思いっきり蹴った。
すると口裂け女が少し怯んだ。
その隙に龍二は目を瞑って気を剣に集めた。
そして剣から青い炎が出た。
その炎は龍二を包み込んだ。
生身では敵わないと思い龍二は龍騎士に姿を変えた。
すると口裂け女が持っていた巨大な鋏が巨大な斧に変わった
そして目にも見えないスピードで龍騎士に攻撃してきた。
「うおっ!?」
さすがの龍騎士も攻撃をかわす事が出来なかった。
龍騎士のボディーから火花が散る。
「何てスピードだ!?目に見えない!」
そしてまたボディーから火花が散る。
「ぐわあっ!!」
口裂け女のスピードに龍騎士はついていけない。
「くっそ!舐めやがって…今まで手加減してやがったのか!」
そして口裂け女の攻撃で龍騎士は空中を回転しながら地面に叩き落ちた。
剣も手放してしまった。
そして口裂け女が龍騎士の上に乗った。
巨大な斧から鋏に再び変わっていた。
鋏を口裂け女は龍騎士に突きつけた。
このままではマズイと思った龍騎士は手に鉄の塊のような物を取り出し口裂け女に投げつけた。
するとそれが当ると口裂け女の身体からジューと言う音がしたかと思えば煙が出ている。
口裂け女は苦しそうにしているが直ぐに立ち上がるとその場を立ち去った。
走るのが異常に速い…
木島刑事の言うとおりである…
あっと言う間にその姿は見えなくなった。
龍騎士の姿から龍二に戻っていた…
龍二はゼェゼェ…言いながら口裂け女の逃げた方向を見つめる事しか出来なかった。
龍騎士の前に現われた口裂け女…
龍二は口裂け女から人質を取り返すことは果たして出来るのだろうか…
続く
ちょっと口裂け女を強くしすぎたかもしれませんね…
龍騎士ですら相手にならずしかも武器を刃物なら自由自在に操る口裂け女…
強い…強すぎる…




