表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/6

4.入団試験 その2

 団長に連れられて外の資材置場のような場所にやってきた。資材も置いてあるが、訓練場にもなっていて恐らくここで武装訓練をしているのだろう。

 体力テストでもさせられるのだろうか?


「うちは内勤でも一定の武器の扱いができるようになるという決まりがある。お嬢さん……いや、そういえばまだ名前も聞かずにここまで来てしまったな、今更だけど名前は?」


「エマって言います」

 これは本名だ。転生しても違和感がないような名前だったのはありがたいかもしれない。


「俺はサディック、このベルモスの街を拠点にしている武装商団の団長をやってる。それでエマは今までどんな武器を扱ったことがあるんだい?」


 団長はサディックという名前で、街はベルモスというようだ。

 それにしても、私は武器なんて使ったことがなかった。体力テストなら何とかなるかもしれないと思ったが、さてこれはどうしたものか。

 だが、嘘をついても仕方ないので正直に話すことにしよう。


「あの、私は武器を使ったことがなくて。せいぜい工作用の小刀くらいで」


「コガタナ? 聞いたことないな」


 刀の概念がないのか。


「えーっ、短剣みたいなもので」


「短剣か。コガタナが何かはまた後で教えてもらうとして短剣の心得があるなら実演してもらおう」


 この人は話を聞いていたのだろうか。戦闘で小刀を使ったことなどないし、学校でそんなことしたら大問題になって私は問題児扱いになってしまっていただろう。

 私がそんなことを考えていると、付き添いの男が何やら色々運んできた。

 色んな武器に漫画やアニメで見かけるような訓練に使うような等身大の藁人形、それに弓矢の的も離れたところに設置し始めている。

 そんなに私は色々やらされるの?


「そこに基本的な作りの武器は入っているから短剣を探してそこの藁人形に斬りかかってみてよ」


 いやいや、無理でしょ。って言いたいけど、この世界で生きていくためにはやるしかない。


「分かりました」

 覚悟を決めて短剣を持つ。

 小刀には申し訳ないくらいしっかりした短剣だった。


 しかし、何故か手に馴染むような感じがして、しっかり握ることができているような気がする。


 動きのイメージは今まで見てきたアニメのキャラを連想して真似してみよう。


 私はそう決めて訓練用の人形に攻撃をした。


 不思議な感覚だった。

 明らかに転生前の私の運動神経では説明できないくらい身体が動く。

 普通はこういう場合は頭のイメージの動きと身体の動きがシンクロせずにギクシャクしてしまう。コスプレのポージングで経験があるから分かる。身体が理想の動きをしないのだ。

 しかし、今はしてくれている。


「エマは想像以上に動けるんだね。コガタナとかいうのは扱いが難しくて武器の扱いが上手くなるとかだったりして」

 サディックがそう言うが小刀にそんな効果はないから私は返す言葉がない。

 私が返答に困って黙っているとサディックが続ける。


「この短剣、あの的が敵の頭だと思って投げてみてくれる?」


 アニメとかである短剣を投げて敵を倒すシーンは想像ができる。でも、私はそんなことしたことないんだけど……


「分かりました」


 自分でも何が分かっているのか分からないがやることに決めた。

 どうなっても知らないと思いながらも短剣を投げる。


 私の投げた短剣は的のど真ん中に突き刺さった。


「これは凄いな……」

 サディックはそう言うが私自身が驚いている。


 こんなに上手く投げられるとは思っていなかったからだ。


「経験はないと言うが他の武器も使ってみてくれ」


 サディックがそう言った後は剣、槍、斧、弓矢、鎌、棍棒、それに加えて三節棍やブーメランのような珍しい武器まで扱えるか見られた。


 そして全部上手く使いこなせてしまった。


 恐らくこれは転生の時に付けられた特典みたいなものなのだろう。


「これで戦闘経験が無いっていうのは本当かい?」


「あっ、はい。何故か武器を上手く使いこなせる体質みたいで」


 サディックの質問にそう答えるしかなかった。


「なるほど、そんな人間がいるとは聞いたことは無かったがエマの武器の使いこなしを見ると嘘でもないのかもしれないな。本当にどんな武器でも使いこなせるのか?」


「えっ、いや、どうでしょう。やってみないことには何とも」


「そうだな、やってみないと分からないな。ちょっと例のあれ、持ってきてくれ」


 サディックが男に指示を出して何やら持って来させた。


「さぁ、これが伝説の氷の剣だ。これを扱えるか見せてくれないか」


 サディックが箱を開けてみせた。

 そこには綺麗な青色の剣が収められていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ