第9話 病
レオンは突然倒れた。前の晩まで冗談を言っていたのに、朝には熱に浮かされ、汗まみれで起き上がれなくなっていた。
「ただの風邪だ」彼はかすれた声で言い、起き上がろうとした。
「寝てろ」マーティンが短く命じ、力ずくで彼を寝かせた。
それまで無駄にうろうろしていたフィンが、急に落ち着きを取り戻し、誰も期待していなかった役割を引き受けた。どこからか布を調達し、レオンの額に当て替え、熱を紛らわせようと小声で田舎の下手な歌を歌い続けた。
マーティンは市場の半分を駆け回って解熱の薬草を探し、貯めていた金のほとんどをそこに費やした。
「所帯のために貯めてた金だろう」金のことを知って、レオンが弱々しく抗議した。
「じゃあ、お前抜きで所帯の金を貯めろって言うのか?」マーティンは鋭く返した。その声には、大切な人を失いかけて怯えた人間の、本物の怒りが初めて滲んでいた。
三日間、レオンは熱にうなされ、フィンとマーティンが交代で見守った。互いに、自分の恐怖を見せまいとしながら。三日目の夜、ようやく熱が下がり始めたとき、フィンはレオンの手を握ったまま、ベッドの脇で眠り込んでいた。
朝、目を覚ましたレオンは、そばに二つの寝不足の顔を見つけた。
「二人とも俺よりひどい顔してるな」彼は微笑みながら囁いた。
「黙って薬でも飲んでろ」マーティンはぶっきらぼうに言ったが、その目には安堵の涙が浮かんでいた。
そのときレオンは、はっきりと理解した。この小さな家族の中で、思いやりは一方通行ではなかったのだと。彼は二人を気にかけてきた――だが二人も、それぞれのやり方で彼を気にかけてくれていた。ただ、この病がなければ、それをこんなにはっきりと見ることはなかっただろう。




