第7話 お金では買えないもの
助けられた少年の父親は貧しくなかった。町外れで小さな製材所を営んでおり、喜びのあまり、三人が予想していたよりずっと多くの金を払った。
「十二枚」マーティンは三度目の数え直しをしながら呟いた。硬貨が消えてしまうのを恐れるかのように。「本当に十二枚」
「お前、溺れかけたんだぞ」フィンが指摘する。「それでも足りないくらいだと思うけど」
「三人分の毛布を買うには十分だ」マーティンが答えた。その声には久しく聞かなかった満足感があった。
夕方、三人は借りている部屋の床に買い物を広げた。厚手の毛布三枚、干し肉少々、水に濡れた分の縄の買い替え。
マーティンはしばらく品物の山を見つめてから、誰にともなく呟いた。
「これって、もう『所帯』みたいなものだよな。大したものじゃないが、俺たちのものだ」
フィンはさっそく新しい毛布の一枚に潜り込み、満足げにため息をついた。
「うちの所帯、川の泥の匂いがするけど」
「一日経てば消える」マーティンは涼しい顔で答えたが、少し笑っていた。
レオンは二人を静かに見ていた。「所帯」という言葉が気に入った。物を指す言葉だからではない。初めて、この三人に対して使われた言葉だったからだ。何か一つのものとして。
「何か一つ、三人共通のものを買ってもいいな」彼はふと言った。「俺たちだけのもの。食べても擦り切れてもなくならないような」
「例えば?」マーティンが警戒しながら尋ねた。次に何にお金を使わされるのかと身構えているのが分かった。
レオンは少し考えてから、珍しく、ほとんど気づかれないような微笑みを浮かべた。
「まだ分からない。でも見たとき、きっと分かる」
マーティンは理屈で反論しかけたが、やめた。ある種のものは、あらかじめ買うことなどできない。それが現れたときに、初めて分かるものなのだ。




