第11話 二十枚の銀貨
争いは盾のことで始まった。
フィンは武器屋の陳列台でその盾を見つけた。縁に美しい模様の入った鋼の盾。普通のものより四分の一ほど高い。
「あれが欲しい」フィンは目を輝かせて宣言した。
「なんでそんな高い盾がいるんだ」マーティンがすぐに眉をひそめた。「普通の盾でも同じように身は守れるだろ」
「でもあれは綺麗じゃないか!」
「二十銀貨も高いんだぞ!」
「でも綺麗だもん!」
レオンは横で、二人の議論が同じ場所をぐるぐる回り続け、一向に前に進まないのを静かに眺めていた。
「普通のを買おう」ついにマーティンが結論を出した。
「綺麗な方を買おう」レオンが同時に言った。
マーティンが振り向き、心底驚いた顔をした。
「本気か?」
「フィンは俺たちと同じくらい働いてる。細部にこだわりたいなら、いいじゃないか」
「二十銀貨は一週間分の食費だぞ!」
背中を押されたフィンが二倍の熱意でねだり始め、結局、議論は解決しないまま――盾は台に置かれたまま、マーティンは「無駄遣いをする無責任な子供たち」と何やらぶつぶつ言いながら二人を店から引きずり出した。
だがその夜、寝る前、レオンはマーティンが財布の硬貨をこっそり数え直しているのに気づいた。今回は苛立ちからではなく、何か新しい真剣さを込めて。まるでどれだけ稼げばいいのか計算しているかのように。
彼は何も言わなかった。だが察していた。盾を巡る口論は、実はもっと大きなものを巡る口論だったのだと――誰が、どうやって、苦労して稼いだ共通の未来の使い道を決めるのか、ということを。




