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38話 救いを求める者

○前回のあらすじ

新たな仲間を加えたネクスは、泊まっている宿にてクロたちと今後について話し合った。

そうして、今後はテイマーとして活動していく中で、前回活躍できなかったクロも含めてクエストを受けることを決める。

また、ネクス自身も学ぶべきことが多く、レイと合流する前に、ガイから簡単な指導を受けることとなっていた。

レイが、ネクスとガイの所へ合流する数分前、


(今日は、1つ上のクエストを受けてもいいかもしれない。昨日見た感じ、問題なさそうだったし)


昨日の初クエストを無事に終えたこと、ネクスやガイのポテンシャルが高かったことも踏まえ、レイは、今回受ける内容を考えていた。


「ん〜、でも、ガイさんのサポート能力が結局なんだったのか、さっぱりだったのよね。昨日は見られなかったし、」


この機会にガイのスキルや使える魔法等、見て今後に活かしていこうと思っていた。


(...誰かにつけられてる気がする。)

咄嗟に振り返るがそこには誰もおらず、振り向いた矢先、気配はすぐに消えた。


「あれ?おっかしいな。索敵はあんまり得意じゃないからなんとなくだったけど、気のせいかな」


そう言って、その場を後にする。


......建物の上から見下ろす。


「あの人の後を追わなくちゃ!」


そうして、その複数の影は路地裏へと消えていく。


---現時刻


ネクスたちは3人揃うと、クエストの受注をしていた。


「はい、承りました。そうしましたらこちらをどうぞ。」


そう言ってネクスたちの担当受付であるミアは、袋を渡す。前回と同じような大きさだった。


「ありがとうございます。」

礼を言って受け取ると、ミアも「お気をつけて行ってらっしゃいませ」と一言伝え、奥の仕事へと戻って行った。


「今回のクエストは、前より1つ上のDランク。内容はドリルモールを7匹討伐、毒消し草を各々ひと袋ずつ採取だね」


クエストの内容をレイが淡々と共有していく。


「なあ、なんで今日は1つランク上がったんだ?1日じゃまだ油断出来ないだろ?」

ガイがレイに話しかける。


(確かに、冒険に慣れるためなら安心なクエストを複数回受けて慣れる時間が必要な気もする)

ネクスもガイの意見には同意であった。


「それは確かに考えはしましたが、昨日の連携は中々でしたし、体力も有り余っていたため、今回は危険が潜んでいることを前提に受けようかと」


(なるほどね。その場の連携を見つつ、全員の体力管理など踏まえた上でってことか、それなら危険だと思った時に逃げるって形で受けるならアリかも)


レイの意見にも同意見だなと感じたネクスは頷きながら聞いていた。


「まあ、そういうことならいいかもな。同ランクのクエストも経験した方がいいだろうし」

ガイも納得した上で、クエストを進めることになった。


そうしてギルドの出入口へ向かう途中、レイはある心配事をネクスに小声で話しかけていた。


「実は、合流する前、誰かに追われていたような感覚がありました。ただ、私は索敵が得意じゃないのでその場をやり過ごすしかできませんでしたが、ネクスさんも気をつけて、」


「後をつけられたってことか、分かった警戒しておく。」

そうして、ギルドを出て、門まで足を運ぶのであった。


そうして、門で手続きを済ませると、目的地へ向かう。


「あ、そういえば言い忘れてた。今日からクロも一緒にクエスト受けることになったからよろしく。」


そう言うとネクスは「出てきていいぞ」と話しかけると、影からクロが出てくる。


「ふう...やっと参加出来る!」

クロは誰が見ても分かるほどテンションが上がっていた。


レイは見慣れているからか、「よろしくね」と一言。


ガイは、目にした瞬間、「え?これって、シャドウウルフじゃないの?」と驚きを隠せないでいた。


「あ、こっちの人は初めましてだね!私クロ!よろしくね」

ニコニコしながらガイに近付くと軽く挨拶をする。

一方ガイも「よろしく」と挨拶をするが、見間違いではないかと目を擦ったりしていた。


「テイマーとしてクロもテイムしたことにしようと思ってるんだけど大丈夫かな?」


「正直、かなり難しい言い訳になりそうかな。ただでさえシャドウウルフって危険度が高い上に仲間を作りたがるわけでもないから...」

クロの扱いについて色々話しているが、当の本人は外で活動できるのが嬉しくはしゃいでいた。


「まあ、そこはギルドマスターであるカルラに全部投げればいいか、利用してされる関係みたいなもんだし」

ネクスは難しいことを考えるよりも、協力関係であるギルドマスターにこの議題は投げることにした。


「さてと、じゃあ、本題に入りましょうか。」

クロとは数回会っているため、レイは落ち着いていた。そこへ、本題に入ろうと声をかける。


「今あそこに見えるのが毒消し草で、ちょっと離れたところに柔らかいジメッとした地面があると思うんだけど、そこがドリルモールの生息地だね。」

指をさしながら分かりやすくガイとネクスに説明をしていた。また、クロも「うんうん」と頷きながら話を聞いていた。


「じゃあ、先にドリルモール討伐しようと思うんだけど...」

レイがドリルモールについて話を進めていく。簡単にまとめるとこうだった。


目が悪い代わりに、音と匂いに反応する。両手がそれぞれ半分に割れたドリルのような形になっており、手を合わせることで一本のドリルになる。そして、体を回転させることで土の中を素早く潜る。


「ん〜...土の中にいられるのが問題だなあ。出来れば環境を破壊したくないしどうしたものか...」


レイが話し終えた後、ネクスは声に出してどうするべきか考えていた。すると、クロが提案を持ちかける。


「提案なんだけど、私に任せてくれないかな?多分だけど、そのドリルモールって魔物と相性良いよ」

何か策があるような話し方をするが、当の本人は説明が難しいと言う。そのため、実演してもらう為、生息地へと移動した。


「じゃあみんな!見ててね!」

そう言うと、クロは地面に向かって大きく吠える。

耳元で叫ばれたような感覚にネクスたち3人は耳を塞ぐ。

吠え終えた瞬間、影の中へと入っていった。


しばらくすると、少し地響きがしたかと思った瞬間、何か地面から物体が飛び出て打ち上げられる。

やがて、落ちてきたかと思うとそれはドリルモールであり、既に倒されていた。


次々に打ち上げられるドリルモールが討伐数と同じ7匹になったところで終わった。


そして、また影からクロが出てくる。


「どう?上手くいったでしょ?」

満面の笑みで報告をするクロ。

ネクスは気になりどうやったのかを「どうやって倒したんだ?」と聞く。


「ん〜簡単に言うとね、声を出して驚かせたら、急いで移動するでしょ?その時、掘った後の穴に出来た影を利用して出てから倒したってわけ!」

クロはクロなりに頑張って伝えてくれた。


(うん。言いたいこと凄く伝わったよ)

そして、無言で頭を撫でるネクスであった。


「クロさん、すごい!土地を破壊せずにある程度抑えられたのはナイスですよ!」

そうして、ドリルモールの討伐を終えたネクスたちは、毒消し草をすぐに集める。


ネクスが解析し、レイが見極め、クロが匂いで、と各自の強みを生かしたことで、クエストはすぐに終わった。


「クエスト達成。かなり早く終わったね。じゃあ無理をせず今日は一旦帰りましょうか!」

レイが全員に向けて達成したことを共有する。

ネクスたちは都市に向けて歩み始めるのであった。


門を潜る際の門番、ギルドに着くまでのすれ違い、ギルドの中に入って行ったあと、終始クロは注目を浴びていた。


「えっと〜ネクスさん?その魔物は一体......」

受付のミアまでがそのクロの姿を見て、大丈夫なのかと言葉足らずで気にしていた。


「あ、ああ、大丈夫だよ?俺がテイムしてるので」


それを聞き、ある程度落ち着きを取り戻したミアはクエスト達成の報酬を渡す。


(今回1つランクが上がっただけで、金貨9枚。かなり差があるんだな)

前回達成した報酬と見比べてかなりの差が出ていることに気付く。そして、報酬を山分けするためにガイとレイを合わせた3人で金貨3枚ずつ分け合うこととなる。


外は夕暮れになりつつあるため今回は早めに解散となった。明日はレイ曰く、同じ難易度のクエストを行うと話をした。


解散後、ネクスは屋台の並ぶ店を回っていた。

「これも美味そうだなあ、なあ、それ5つほど貰えるか?」


「いらっしゃい兄ちゃん、いいぞ!作りたてだから火傷には注意しな!ほれ!5つで銀貨5枚だ!」

クエストや買い物をしてネクスは思った、前世の時と比べて物価が安い。


そうして食べ歩きをしていると、視線を感じる。

(これがレイの言ってた視線か?)


相手に勘づかれないように索敵スキルを発動させる。

前回、イサキが気配を完全に消して近寄れたことをヒントに、改良していた。


「心拍センサー」

ネクスの魔力を薄く広げていき、心臓の鼓動によって、小さく波打つように広げた魔力が返ってくる。そういう仕組みとして改善していた。


(ん?そこにいるっぽいな。明らかに心臓の鼓動が早いように感じる。緊張してるっぽいのかな?とりあえず顔合わせと行こうか。)

そうすると、クロとイサキに待っててもらうようお願いをしてから、その視線の先へと転移する。


すると、そこに居たのは、見た事のある影であった。

最後まで見ていただきありがとうございます!

前作から続けて見ていただいてる方、今回初の方、いろんな方に見ていただき嬉しい限りです!


よろしければ評価・ブックマーク等していただけると励みになります。

次回39話もよろしくお願いします!

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