34話 繋がりと新たな仲間
〇前回のあらすじ
都市に着いてからすぐに、冒険者ギルドへと向かうネクスたち。
なんやかんやあり、冒険者として活動することになる。
冒険者登録の途中、その様子を伺う者がいた。
冒険者登録を終え、プレートの発行を待っていたネクスは、ギルドマスターであるカルラと話をしていた。
「で?さっきの光はなんだったんだ?眩しくないのに強い光か白と黒、カルラさんの事情だとは思うけど、光を遮断する魔法かなにか使いましたよね?」
待ってる間、すぐ近くにある椅子に腰をかけて話を進める。
「ん〜、そうだね、あれは簡単に言うと、才能を表す光でね、その光の強さ、色によって決まってくるんだよ。」
「ネクスくんの場合、黒と白、過去に見ない異例でね、どちらか1つなら意味が分かるのだけど、2つともとなると話が別でね、ややこしくなる前に止めた。って訳。」
知りたいと思っていた情報の提示、質問に対する答えもカルラは話す。ネクスも聞きたいと思っていたことが聞けて納得していた。
「ん?ってなると、俺の才能が分からないってことか、ちなみに白と黒のそれぞれが持つ意味は?」
自身の発言した色が単色だった場合、どのような才能なのか、問いかけてみる。
しかし、カルラは少しぎこちなくすると、少しため息をついて、口を開き始める。
「あ〜、どちらか1つなら、って話を聞いたからそれを質問してきたんだろうと思うのだけど、、、」
手を口元に当ててコホンと1度改まって説明を始める。
「白と黒、それぞれ発現したものは過去の例にもほぼ...いいえ、過去に類として見ないのよ。」
「いや、思い出した、1つだけ異例として、十数年も前のこと、とある聖女様が白の光を発現して以降、見たことがない。」
そもそも白と黒の光自体が出たことがない、過去に異例で白を聖女様が1度出たことがあると聞き、結局中身まで分からずのままであった。
「なあ、ネクスくん、私からも質問いいかな」
「俺ばっかりは不公平だから、答えられる範囲で答えるよ
」
じっと視線を送り、ネクスを見つめるその目は、何か判断したいという気持ちがこもっているように感じる。
「まず、ネクスくん、君は、見た目通りなのか?」
質問に対して違和感を感じる。
(“見た目通り”...ねえ、年齢的な部分なのか、精神面なのか、意図が読めないな)
質問に対して即答せずに、考え込んでいると、カルラは続ける。
「あまり、大きくしたくないので言葉を遠回しにした。すまない、率直に聞くね。君は、“人間”なのかな?」
「.....は?」
質問の内容に意味が分からず、思わず言葉が出てしまう。
(俺は人間だ。他の何者でもない、あの壊滅した村の人間だ。)
「...俺は人間だ。なぜその質問をしたのかは分からないが、少なくとも俺自身は人間だと思ってる。」
すぐに落ち着きを取り戻し、話を進める。
人間だ。その事を聞き、しばらく視線を交わす。
「うん。嘘偽りはないみたいだ。ごめんね。急に変な質問しちゃって、」
両手を合わせて謝罪をする。
そうしてその後、受付嬢として対応してくれていたミアがカルラとネクスの座る席へと近寄る。
「お待たせしました。ネクス様、こちらが冒険者のプレートとなります。」
そう言って渡されたのが、カードのようなものに自分の名前、ランクが刻まれており、色は緑色。
「冒険者としてクエストをこなしていくことで、ランクが上がっていくので頑張ってください。色も変わるのでお楽しみにしててくださいね。」
簡単に説明すると、お辞儀をして、すぐに受付のカウンターへと戻って行った。
「これで、冒険者として活動が可能になった。これでネクスくんの目標にも近付いたかな?」
「ありがとう。助かった。」
「最初は色々大変だとは思うけど、まあ頑張って。」
肩をポンと軽く叩いて手を振りその場を後にするカルラを見送り、すぐにザックたちと合流する。
「お!無事に冒険者登録終わったみたいだな!どうだ?今から俺たちとパーティーを組んでクエスト行ってみるか?」
ギルドのクエスト一覧が張り出されている掲示板の近くで、クエストの話を進めるザックだったが、
「ちょっと、これから装備の新調をする予定でしょ?事前準備は万全にしておかないと、いざって時が怖いわよ。」
シルアから声をかけられ、ハッとなるザックは、「すまねえ」と言ってネクスに振り返る。
「シルアたちと話をしてたんだった、装備がかなりボロボロになったから新調するって話してんだ。悪い、ネクス。」
「大丈夫だよ。元々あった約束を優先して欲しい。俺は俺で探りながらやってみるさ。」
謝罪を受け入れ、またいずれと、話を終える。
「さあーってと、色々話ばっかりで疲れたし、なんか、クエスト1つ受けて気分転換するか」
ザックたちとのやり取りを終え、別行動をすることになったネクスは、凝り固まった腰を伸ばしながら、初挑戦となるクエストを選びに掲示板に向かうことにした。
...ちょんちょん
不意に背中を指で突っつかれ、反射ですぐに振り返る。
「ネクスさん、クエスト受けるんですか?」
声をかけたのはレイであった。
身なりは少し変わっており、最初に会ったような服装とは別で、少し動きやすい格好となっており、その腰には冒険者と言わんばかりに短剣が2本装備していた。
「お〜レイか、居なくなったと思ったらいつの間に着替えたんだ?まあ、そんなことはいいか...今から初挑戦となるクエストを選ぶところさ、」
急に現れたレイの姿にツッコミを入れつつも、冒険者としての初クエストを受けることを伝える。
「それだったら、私も一緒してもいい?採掘家としても色々経験しないとダメだからさ、」
「そういうことなら、一緒にやるか!俺より何度かクエスト受けてるなら経験者が付いてくれる方が心強いし」
双方の合意の元、共にクエストを受けることにした。
「どのクエストがいいのかな?俺からしたら、Dランクなんだし、Cランクのレイがいれば初めはDからでいいと思うんだけど」
目の前にあるかなりの量あるクエストの中から選ぶネクスたちは、悩んでいた。
「そうね。確かにネクスさんの実力ならDから始めてもいいんだけど、Eランクからでいいと思うな。」
ネクスとは逆に一つ下のランクを受けようと声をかける。
何でも、ランクアップし、新しいそのランクのクエストに挑戦したが故、命を落としたり、想定外なことがあったり、なにより初挑戦だからという理由からの提案だとレイから説明を受ける。
そうして、1つ下のEランクのクエストを始めることを決める。
クエストの用紙を手に取り、カウンターまで持っていく、途中、ネクスとレイに声をかける人物がいた。
「なあ、そこの新入りさん」
後ろから声をかけたのは、20歳前後の男性で、髪型は短く明るい茶髪でオレンジ色に近い特徴だった。
「なあ、君、冒険者登録したてなんだろ?だったら、俺が色々教えてやるよ。」
ニコニコした笑顔で声をかける。
「えーっと、それはありがたいんだけど、貴方にどのようなメリットがあるんだ?」
「実は俺もDランクでよ。恥ずかしいことに、なかなかクエスト達成が難しくてな、あわよくば一緒にクエスト受けて達成出来たらなって思ってな!」
(んー、確かに、理にはかなってる。経験しているメンバーが多いに越したことはない、それがクエスト達成という意味でも、教える側にもメリットがある)
「んー」と考えるネクスだったが、レイが横から話に入る。
「教える役は多ければ助かります。それぞれ良い所があると思うので参考にしてもいいかも」
そうして、新たにメンバーを加え、3人でパーティーを組むことになった。
「よろしくな!遅れたけど、俺の名前は、ガイだ。」
改めて自己紹介をする。
即席パーティーに不安を抱えながらも、受付でクエストの受注を行うネクスであった。
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