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32.5話 いつでもどこでも眠り姫

ゴブリンとスライム、ウルフ等、様々な種族が共存する村がありました。

そこには、いつでも、どんなときも、マイペースを貫き、毎日眠そうにしている魔物がいたとか。

これは、そんな超マイペースな魔物の1日。

「スゥスゥ・・・」


静かな寝息をたてて、眠る姿があった。


髪は緑色で長髪。毛先までボリュームがあり、もこもこした髪が特徴。

ハイスライムのスムが寝ていた。


「ん〜?まぶしいなあ、もう朝かあ。ちょっと寒いかも。」


人間と言っても騙されてしまうくらい、似ているその容姿で、手を伸ばし体を伸ばす。


しかし、肌寒く感じていた彼女だが、それもそのはずだった。


「お〜い、スムさーん。そんな所で寝たら危ないよー」


たまたま、その通りかかったシャドウウルフのクロがスムを見つけ声をかける。


そう、スムが寝ていた場所は、ネクスの寝ている家の屋根上であった。


「ふあ〜〜、ネムネム...クロちゃんだ〜おはよう〜ここね、寝心地がいいんだよね〜」

目を擦りながらそう答えるスムを見て、クロは呆れてしまう。


「はぁ、相変わらずスムさんは寝る場所が自由だよね。この前なんか、倉庫の中や武器庫の中で寝たり、ネクス様の家に入って、布団の中で息苦しい中寝てたり、」

子どもっぽい一面を持つクロですら、軽くため息を着くくらいにはスムのマイペースに付き合わされてるようだった。


「えへへ、そんな褒められてもな〜」

のんびりした声で照れているスムだったが、

そんな様子に、(褒めてるんじゃないんだけど)と心で呟き頭を抱えるクロであった。


そんなやり取りをしていると、家から出てくる影があった。


「あれ?おはよう。クロ、なんか疲れてない?」

ネクスがため息ついていたクロを見て、声をかける。


「なんでもないよ。気にしなくて大丈夫!」

すぐに笑顔になり、返事をする。


「あ、それよりネクス様、確かこの後、用事があるとかでソンウさんのところに行くんでしょ?」


「そうだった!じゃ、早速行ってくる。」

クロからそう言われると、すぐに返答しソンウの元へと急ぎ向かっていった。


その背中を見ていたスムは軽く、声をかける。


「ネクス様〜いってらっしゃ〜〜・・・スゥスゥ」

全てを言い切る前に、その場で寝てしまうのであった。


---しばらく経ち、お昼頃


スムの様子が気になり確認にきた者がいた。


「おーい、スムさーん、まだいるー?」

クロだった。


(はあ、私も甘いよね。なーんかほっとけないと言うか、)

自分の行動に呆れつつも、今朝、屋根上で寝ていたスムを見に来ていた。


しかし、屋根上を見ても朝いたはずのスムの姿が無くなっていた。


「...あれ?スムさんいない。どこにいったんだろ?」


視線をいろんな所へ配るクロだったが、そこにはスムの姿が見当たらず、探す羽目になる。


しかし、ほんの数分後、呆気なく見つけることとなった。


「いないと思ったら、こんな所にいた。」


ネクスの住む家の屋根上にいたはずのスムは、少し離れた場所にある、加工された木材の山、木材と木材の間に挟まって寝ていた。


「スゥスゥ・・・」

静かに寝息をたてていた。


「はあ、見つかったから良かったものの、どうやってここまで来たのやら、本当、不思議よ。」

そう話す独り言は誰にも聞かれることなく、静かに響いていた。


そして、スムのいるところまで、近付き、揺さぶって起こすことにした。


「ねぇ、スムさん。起きて、こんな所で寝たら体痛くなっちゃうよ。」


大きく揺さぶり起こそうと試みる。

何度か起こそうと揺さぶっていると、


「むにゃ〜〜...あれ?クロちゃんだ、おはようございます。」

朝と同じやり取りにデジャブを感じながら、返答する。


「いやいや、スムさん、もうお昼だよ?ご飯食べないとお腹空いて倒れちゃうよ。」

スムを探した理由はお昼ご飯を食べ損なう前に誘いに来たのであった。


村の魔物たちは、スムを起こそうとすると、不思議と眠気に襲われてしまう。そのため、誰も積極的に起こしに行こうとはしなかった。


「うぇ〜?もうご飯なの?じゃあ、先に行ってて〜あとから追い・・・スゥスゥ」


(あとから追い付くから。って言いたかったみたいだけどさ、言いきれてないよスムさん!)

心の中でツッコミを入れながらも、再びクロはスムを起こす。


起きてちょっと動き寝てを繰り返し、少しずつ前へと進む中、かなりの時間をかけて、昼食をすることとなった。


そうして、スムに付き添っていたクロだったが、またスムが寝そうになったため、スムの寝床へと向かい寝かしつけた。


(ふう、疲れた。確かこの後、ネクス様の研究に付き合う予定だったから、誰かにスムの様子見てもらお。)


ネクスとの約束で、研究に付き添う予定が入っていたクロは、たまたま近くにいた、ふわふわが特徴のラピスに時々様子を見てあげて。と、スムの面倒を見るように頼み込んでいた。


その場を後にし、ラピスに交代してもらったクロはすぐにネクスの元へと向かう。


「スムさんの様子を見る手伝いね。だけど、寝ている訳だし、そこまで苦労しない気がするけどなぁ〜」


ラピスはたまに見に来て欲しいと言われたことを思い出し、自分のやることを先に早く終わらせてスムの様子を見に来ることにした。


---しばらく経ち、夕方頃


「スムさん、いる?僕だよ〜ラピスだけどさ〜」

やることを終えたラピスはすぐにスムの様子を見に来ていた。


しかし、


「あれ?まだ、そんな時間経ってる訳じゃないのに、いない。どこにいったんだろ?」

寝床で寝ていたはずのスムの姿がそこには無かった。

内心少し焦りつつも、ラピスは冷静を装い、探すことにした。


そうして、数分後、


「あ、やっと見つけたよ。って、そんなところで良く寝られるね、」

ラピスがスムを見つけると、そのように声をかける。


それもそのはず、先程まで寝床で寝ていたはずだったのに、いつの間にか、村にいくつか生えている大きな木の根元で寝ていたのだ。


(よく、あんなゴツゴツしたところで寝られるね...って、凄っ!こんな器用に寝られるんだね)

近付いて確認すると、自分のもこもこした髪の毛をベッド替わりにして寝ていた。


こうして、ラピスは、クロの時と同様に、揺さぶって起こした後、夕食を食べに、ちょっと動いては寝てを繰り返して向かうのであった。


そうして、夜。


「スムさん、寝床に付いたよ。」

ラピスがゆっくり、スムのマイペースに合わせて寝床に着く。すると、すぐに「おやす・・・スゥスゥ」


ラピスにおやすみと言い切る前に寝てしまう。

「おやすみ」とラピスも返事をして、その場を後にした。


---次の日の朝


「ん〜なんか、狭いなぁ。」

クロが寝ていると、ある違和感を感じさせる。


「ん〜.....ん?」

ゆっくりと両目を開けると、


「うわああ!びっくりした。」

目を開けた瞬間に少し大きな声を出してしまう。


それもそのはず、クロの真横には、


「スゥスゥ・・・」


気持ちよさそうに眠る。お姫様がそこにいたのだから。

最後まで見ていただきありがとうございます!

前作から続けて見ていただいてる方、今回初の方、いろんな方に見ていただき嬉しい限りです!


よろしければ評価・ブックマーク等していただけると励みになります。

次回0.5話シリーズもよろしくお願いします!

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