32話 初めての都市!
〇前回のあらすじ
冒険者であるザックたちと共に、自分の村を離れ、都市へと向かうこととなる。
道中、様々な話を聞くことで、ネクスはワクワクが湧き上がっていた。魔物に襲われたりもする中、無事に都市の近くまで来るのであった。
木々をかき分けて進んでいく中、よくやく、都市へと着くことが出来たネクスたち一行は、まず、門前にいる兵士に声をかけるのであった。
「お〜い、戻った。通してくれ〜」
ザックが手を振りながら門番に近付き、声をかける。
「あ、ザックさんじゃないですか、今日は怪我してないんですね。珍しい。」
そうして出迎えた兵士はザックのことを知っている様子で、軽く挨拶程度に会話をする。
「ん?君は?」
視線の方向にはネクスがいた。
返答しようとしたが、遮るようにザックが「こいつはネクス。俺の知り合いだ」と言ってその場を後に、都市へと入っていった。
「うわ〜すごいな。建物が多い。」
周りを見回すと、形は整っていないものの建物がかなり並んでおり、屋台等もあった。
「どうよ、ネクス!ここが都市だ。繁盛してるだろ?」
村と都市を比べ、その差に圧倒されつつ、ザックに声をかける。
「そうだな、とりあえず、見回ってみたいな。」
「分かった、なら俺たちは今からギルドに向かうところだから、一緒にくるか?」
「来てまもないし、道中の案内は頼むよ」
ギルドに向かう途中まで道案内をしてくれることに対し、甘えることにしたネクスはそのまま屋台を通ることとなる。
「ネクスさんは、前に都市や港等、行ったことはないのですか?」
セキがネクスの様子を見て、ふと思ったことを聞いてみる。
それを聞いたネクスは、「行ったことない」と伝え、前世のことは伝えずにそのまま嘘をつくことにした。
周りを見ていると、美味しそうな匂いがして、その屋台へと足を運ぶ。
石のようなツルツルした物の上で、肉を焼き、調味料のようなものをかけて串に刺したものをだった。
「美味しそうな匂いだなあ」
ネクスは思わずその匂いを嗅ぎ、言葉が出る。
「ネクスさん、これをどうぞ!」
セキが、ネクスの見ていた串を何本か買ってきて、複数本を渡す。それに対し、ネクスは「ありがとう」と一言伝え、ひとつを頬張る。
「美味いな」
(かけてた調味料は塩と同じような感じだな、シンプルかつ普通に美味い。)
何度も頬張る。
その後、別の屋台で私のオススメもあるからと、シルアは仲間たちとネクスを引き連れて行く。
(ん?なんか視線を感じるな...あそこからだな)
建物同士の間からこちらを伺う視線を感じ取ったネクスは、少し用があると言って少しの間離れることをザックたちに伝え、その視線の先へ向かうことにした。
「君たちは、」
ネクスが見たのは、人のような見た目ではあるものの、獣のような耳や尻尾、手をした特徴があった。
しかし、問いかけても、なんで私に、みたいな表情で、言葉が出ない様子だった。
そんな中、ネクスは見てわかる範囲で考えをめぐらせる。
(見た目は俺と同じ歳に見える。ただ、そのボロボロの身なりを見るに、恐らく...)
ハッとなったネクスは、その子たちに向けて、先程受け取った串を全てその子に渡す姿を見せる。
「お腹、空いてるんだろ?良かったら食べて」
事情を深掘りせずに、察することで、心に寄り添うように動く。話す話さないはその子に委ねることにして、その場をあとにしようとする。
「おーい、ネクス...お?いたいた、こんな所で何やってるんだ?」
ザックが近付いて問いかける。
諸々の事情をざっくりと伝え、その子たちを紹介しようとしたら、既にその場にはいなかった。
(あれ?いない。あの子たちがなんだったのか、聞こうと思ってたんだけど...まあ、もしまた縁があれば会うこともあるか。)
その事を心にしまい、ギルドへと向かっていった。
ネクスが気付かないレベルまで気配を押し殺し、
その者はネクスに熱い視線を送っていた。
ザックやシルア、セキとレイの案内によって、ギルドに付くことができた。
ザックたちは、用があると言って受付の所まで足を運び何か話をしている。その間、ネクスは、ギルドというものが冒険者ということ以外に何があるのか、模索しようとしていた。
「ん〜、冒険者って、アニメとか漫画とかで見たことあるくらいで、詳しくは知らないんだよなあ」
本が置いてある所まで向かうと、それ関係のものを手探りで読んでいく。
すると、ふと、目に入ったものが気になった。
「生贄に捧げられし村の子どもたち」
(なんだ?この本、名前と言い、とんでもないな。読みたいなんて思うやついるのか?)
心の中でそう話しかけていると、ふと、後ろから声をかけられる。
「その本は、昔、神を奉る村の大人たちが規則によって、兄弟が生まれた時、片方を捧げものにし、安泰を約束させる。そんな話だね。」
その声に振り返ると、そこにはレイがいた。
初対面で会った時より、かなり話すようになり、今となってはかなり長文とかしている。
「そうなのか。」
返事をすると同時に、本を見つめる。
「読んでみたら?そこまで長い話じゃないし、ただ、私はオススメしない」
そう言われて、まだザックたちの話が続いているのを視認し、少し読んでみることにした。
---今から昔
未だ、人が文明を歩み始めてほんの一時、都市など存在せず、食物や建物など裕福ではなかった時代。
とある村では、神の存在を絶対とし、安心安全を約束とし、その神に向けて、供物を用意していた。
金銀財宝が無い時代。食べ物ですら自給自足で不十分だったために、その村では、ある規則を取り入れていた。
兄弟として命を授かった2人のうち1人の命を捧げることで、神の供物とする。
この規則が後に、とある兄弟を境に壊れることとなる。
規則が始まってから数年経ち、初めて兄弟のうちの1人を供物とする儀式が行われようとした時であった。
供物となる存在は、後から生まれた者がなる。という話であった。しかし、先に生まれた者が、自分が変わりに供物になると言い出す。
それを村の大人たちは承認。先に生まれたその者を木に十時に縛り付ける。やがて、火をつける。そうして、焼却し、神に供物として捧げる。
だが、それを許さなかった存在が少なくとも1人いた。それは、後から生まれた者であった。
自分の代わりに供物となる者を助けたい一心で、
泣き、叫び、大人たちに止めてと懇願する。
家族である大人たちはその者の声を無視し、我が子である存在が焼却されるその様子を引き止めやしない。
その現実を、見て、後悔した。
何故この村に生まれてきたのか、
何故人を供物として命を捧げるのか、
何故誰も助けてくれないのか、
何故自分には力がないのか、
何故こんなにも弱いのか、
葛藤した結果、その者が出した結論とは、
「ネクス。またせたな!」
ふと、読んでいることに夢中になっている時、ザックがネクスに声をかける。その声を聞き、現実に戻る。
「ん?ああ、ザックか、悪い、待ってる間本読んでた。」
やがて、ザックの後ろからもう1人、女性を連れていた。
「どうも、君がネクスくん。だね。私はこのギルドを任されている。ギルドマスターって言うべきかな。カルラと言う。よろしく。」
手を差し伸べてくる。
ネクスは読んでいた本を閉じて、元の場所に戻し、その手を握り返す。
「カルラさんね、改めてネクスだ。よろしく頼む。」
そう言って、手を握り返した瞬間、
(報告。個体名カルラより、解析鑑定を受けております。自動反射を施し、無効化しました)
そのような報告がされる。
(ふ〜ん、まあ、初めて会う相手なんだし、警戒するのは当然として、ギルドマスター?なんだっけ、さて、その目的を悟るために話をしますか)
握った手を離さずに、カルラに向けて話しかける。
「で、俺を解析したみたいだけど、要件を聞こうか」
ギルドマスターであるカルラは驚いていた。
そうして、
ネクスに接触したことについて話すこととなった。
最後まで見ていただきありがとうございます!
前作から続けて見ていただいてる方、今回初の方、いろんな方に見ていただき嬉しい限りです!
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次回33話もよろしくお願いします!




