31話 発見!中立都市へ
〇前回のあらすじ
ネクスとの約束を守り、都市への案内に冒険者たちが村に訪れる。
そんな中、ソンウと様々な話し合いを行い、クロを同行させ都市へと向かうこととなった。
様々な話し合いでネクスは新たな気付きと発見をすることとなる。
「黒い星 (ダークスター)」
ネクスに向けて黒い球状のものが複数放たれる。
(よし、見た感じあれは、魔術っぽいな。相乗効果を狙うなら、俺は魔法で対応するしかない。)
すると、ネクスは体の周りから魔力を少し貯める。現状では、貯める速度に難ありなことをネクスは知っていたが、相乗効果という強化の幅を知るために少量の魔力で放てる魔法を構築していた。
(よし!このタイミングだな!)
「サンダーアロー!」
ネクスはそう言って片手を伸ばして魔法を発動させる。
伸ばした手の周りに矢の形状でビリビリと音を発しながら生成した瞬間に飛ばす。
飛ばす方向は熊の魔物に向けてであった。
クロが放った黒い星 (ダークスター)が重なるようにサンダーアローを放つ。
2人で呼吸を合わせて行うのは、タイミングが完璧に合わなければ難しい。そう考えたネクスは、技を打ってもらい、自分のタイミングで合わさるように調整しようと試みたのであった。
すると、
黒い星 (ダークスター)にサンダーアローがぶつかった瞬間、矢は黒く染まり、ビリビリというエフェクトはそのままで、熊の魔物に向けて飛んで行った。
中には、黒い星 (ダークスター)に当たることが出来ず、そのままサンダーアローが熊の魔物に飛んでいったりもした。
そうして、黒い矢となったサンダーアローは熊の魔物に直撃したかと思うと、矢が刺さった瞬間、黄色と黒の雷を発生させ、黒焦げにしてしまった。
「...まじか、できちゃったよ。」
レイに言われた通り、同時発動させる部分の解釈を変えて、飛んでくる技に対し、重ねるように技を発動させることで、補う。そう考えを変えて実行していた。
(威力すごいなあ。見た感じ本来の1.5倍くらいか?)
相乗効果を実際に目をしたネクスは、別方向で使えないかという考え方も捨てたもんじゃないと評価していた。
(回答。個体名レイの方法で同時発動した場合、相乗効果で発生する倍率は約3倍以上)
(お〜まじか。やっぱりやるなら、1度そのレベルまで達しないとダメだなあ)
女性の声で機会じみた話し方に対して、常日頃から聞いているネクスは、(ありがとう。)と語りながら、やり取りをする。
そんな考えを巡らせている間、クロが声をかける。
「ネクス様、なにか考え事してる所悪いんだけど、シルアさんたちもちょうど終わった見たい」
そして、ネクスは戦いを終え、ザックたちと合流をする。
---ザック視点
大剣を構え、熊の魔物に特攻するザック。
後に続いて、シルアが短剣を2つ手に取り、セキはローブの中に隠していたであろう簡易的な弓を取り出し、レイは何か唱えていた。
「うおおおお!!」
大剣を大きく振りかぶって切りかかる。
その動作を見ていた熊の魔物は攻撃を受けまいと避けようとする。
「へっ!こっちは囮だっての!」
「クイック!」
ザックがそう言うと、シルアも続いて自信にバフをかけ、熊の足元へ素早く移動し、短剣で攻撃を与えていた。
攻撃を受けた熊の魔物は最初は気にするも、分厚い毛皮とその大きさからか、大きなダメージにはなっていない様子であった。
「こいつ、硬い!レイ!そろそろどう?」
シルアがレイの詠唱について気にかけるも、未だ詠唱を終えていなかった。
その様子を見ていたセキが弓を構えて声をかける。
「詠唱を終えるまで、僕たちで、時間稼ぎをするしかないですね!」
(レイに攻撃が向かないように立ち回らないと。)
セキから時間稼ぎをする立ち回りをするよう提案し、ザック、シルアは頷き、互いに理解し合っていた。
その頃、レイは半分を詠唱に意識をしていた。
「詠唱と構築まであと少し、」
小声で現状の進み具合を自らに語りかけ、把握する。
(あの方は...)
しかし、もう半分の意識は、ある少年の行動が気になり、目で追うことに集中していた。
(ネクスさん、何をする気なんだろう)
その時、ちょうど、ネクスはクロに向けて技を打つように指示をしていた様子を見ていた。
遠くから見ていた関係で話している内容は分からないが、クロが黒色の丸い球状の物を複数出したかと思うと、凝縮し、威力を上げているところに驚きを隠せないでいた。
(なに、あの黒い玉、クロって魔物が作り出したものみたいだけど、複数ある1つ1つに、かなりの魔力が込められてる。)
どんどん圧縮させ、大きさが小さくなる中、魔力のたまとなった“それ”は、レイにとって、自分が出せる最大級の魔術と変わらない威力だと察していた。
そして、そのまま凝縮した玉をネクス向けて攻撃をする。そのまま、ネクスは魔法で生み出したサンダーアローを上乗せさせてみる。
(ありえない。本来の使い方とは全く別の方法で相乗効果を成立させてる。あれをするとなるとお互いを信用し、ある程度技を上乗せする側が研究の積み重ねで極めて初めて成功する。)
こんなことはありえないと言いたいのは山々だったが、今は自分のチームのことを優先して頭をあげる。
「うおっ!何だ!?」
急にザックが驚いた声を発する。
その声にレイが反応し、視点を向けると、
先程クロが飛ばしたであろう、魔術、黒い星 (ダークスター)が、ザックたちの相手をしている熊の魔物に直撃していた。
(まさか、ネクスさん、これを見越して、実験したの?)
ネクスの考えていること、その狙いを読むレイだったが、それを自然とこなす本人を前に、その領域にたどり着くにはある程度の経験がなければ不可能だ。と結論づけてもいた。
「よし!いいぞ!レイ!やってくれ!」
ザックか合図を出し、既に詠唱を終えたレイが魔法を放つ。
周囲からの魔力を自信に集める工程を必要とするため、時間がかかっていた。
「うん。分かった...」
そうして、片手を前に出し、手のひらを広げ熊の魔物向けて告げる。
「メテオシャワー」
熊の魔物の真上に大きい岩を生成させ、落下と同時に摩擦により火を起こす。そして、小粒の隕石となり、それが複数落ちる。
「グワウウウ...」
熊の魔物は技を受けると、急所に当たったらしく、そのまま倒れて動かなくなる。
「やりましたね!レイさん。」
「いや〜相変わらず、スゲェな、レイの魔法は」
目の前の熊の魔物が倒れることを見届けた仲間たちが、レイの元へ集まり、褒める。
そんなことを少し、照れくさくなったのか、黙って、後ろを向く。それと同時に、ネクスが起こした相乗効果による技の上乗せについて、聞きたいとレイは思っていた。
そして、ちょうどその頃、ネクスたちも戦いを終え、合流しにこちらへと来ていた。
「あ、あの、ネクスさん」
ネクスの名前を呼ぼうとした時、ちょうど被ってしまったザックの声に塞がれてしまう。
「なあ!ネクス!どうやって倒したんだ?俺たちも戦っててそっちの戦いを見ることが出来なかったんだよな!」
「まあ、それは近いうちに話すよ。」
ザックからの質問に対し、ネクスは後に答えるからと都市に向けて向かうようにと話を進める。
「あ、ちょっと、忘れたらダメよ。この熊の魔物、討伐したって証拠として、この爪、取っていくわよ。」
シルアが忘れる前にと、全員に周知させる。
(なるほど、討伐した魔物は冒険者の中で、証拠として提示するための部位を持ち帰るんだな。)
冒険者の行動に対して、黙って見つめ、その行動を見守る、
そして、なんやかんやあって、数時間後、
「ほら!見えてきたぞ。あれが中立都市だ。」
「お〜すごい建物の大きさだなあ。」
木々をかき分け、見えたその景色に、ネクスはその見た目通り、子どものテンションのように少しはしゃいでいた。
その様子に、「やっと子どもっぽいところ見れたよ」と、シルアから声をかけられるが、それより、広さに驚愕していた。
円になるように壁が出来ており、今見えているところからでは、奥行までは確認が難しく、距離感が分からないくらいの広さを持っていた。
「よし、これで目的に1歩前進だな。」
そうして、都市の門前まで、ザックたちと向かうのであった。
(ネクスさん、この後、お時間いただきますからね)
最後まで見ていただきありがとうございます!
前作から続けて見ていただいてる方、今回初の方、いろんな方に見ていただき嬉しい限りです!
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